絹を重ねる  

昨年末、氏家のあるお客様のところへ、カレンダーを持ってご挨拶にお伺いしたところ、残念ながらご不在でした。

さあ、木りんの社名入りのトラックに乗って帰ろうと思ったところ、

「ねえ、ちょっと見て欲しいところがあるんだけれど」とお隣の年配の女性に声をかけて頂きました。

「お隣の工事を見ていて、すごく丁寧だったので、窓の入れ替えと物置小屋の改修を見積もってください」とお声を掛けて頂きました。

もう12月の29日だったので、来年まで待って頂き、年明さっそく日程を決めて頂いたのが今日でした。

寒かったので、中に入れて頂き、ご説明しようとすると、ご主人様が奥の方から出てこられました。

まさか、それから一時間、ご主人様からすばらしいお話をお聴かせて頂けるとは誰が想像したでしょう。

今までお金を払って著名な人のお話を聞きに行ったこともありました。でもその時お聞きした話は、今の私にとって、はるかにありがたいお話だったのです。

「商人は本当にいいよ。すばらしい。それがわかるようになるのは60歳になって。絶対にそうなる。勤めている人と違い、人に頼らず、一人で生きているんだから間違いなくいい。人生本当に楽しくなる」

「ときどき、学生時代の友人がサラリーマンや公務員になって安定しているのを見ると羨ましく思うのですが?」と質問すると、

「商人は、毎日絹を重ねるように、実はすばらしい体験を積んでいるんだ。今は薄くてわからないが、60歳のころになったらそのすばらしさに、必ず気づく。その貴重な体験があれば、なんでもできるようになるんだから。」

そのお話を聞いたとき、思わず絶句し、涙がでそうになりました。

話は続きました。

「結局は商売は、儲けよう思わなければ、必ず成功する。これは間違いない。結局、人と人との関係なんだから」

「正岡子規はすばらしい。あの人は経営者でも必ず成功した人だと思う」

「どんなすばらしいものでも、10年しか持たない。県内の上場企業の工場だってみんな撤退してる。変わり続けていないとだめなんですよ」

ひとつひとつの言葉が真珠のようでした。

人はその人生で会うべき人に、すこしも早くもなく、すこしも遅くなく、まさにその時であう。
森信三先生の言葉をひさしぶりに思い出しました。

神様からのお正月の年玉でしょうか。

「絹を重ねる」

クリックすると元のサイズで表示します
6




AutoPage最新お知らせ