見かけ  

先日次男の運動会があった。

中学生になると、小学校と違い朝から席とりはほとんどない。

彼の学校は、市内でもあまり評判が良くない。荒れている方で先生もたいへんらしい。


その中で、ひとり目立つ女性の先生がいた。つばの長いサンバイザーをかぶり全身黒ずくめ。黒の手袋までしている。余程日焼けが嫌なのか。すこし不信に感じた。

しかしこの先生ただものではなかった。

まず、入場して整列する時、一人の生徒がなかなか言うことを聞かない。

それでも何度も何度も注意して自分の位置に並ばせる。

その様子は見ているほうがハラハラしたくらいだ。

他のクラスでは、背の高い順に前から並んでいるのに、後ろに方に背が高くて言うことを聞かずに話しながら立っている複数の生徒がいるクラスもある。

その先生、徒競走では、自分の生徒が自分の前を通り過ぎる度に、名前を大声で呼び声を嗄らしては応援する。

日差しはとても強い日の午後、今度はクラス対抗のリレーでも、生徒が30人通るたびに、一緒になって走っては、相変わらず声を嗄らした応援する姿はすばらしかった。

同じ仕事をしていても、こんなに先生によって違うのはなぜだろう。

男性で独身の先生もいれば、女性で子供もいる先生もいる。

言い訳したければ、いくらでも理由は作れるだろう。

学校だけではない。建設業でも、接客業でもまったく同じことが言える。


自分が客の立場にたった時、好き勝手なことを言っていなだろうか。

そんな自分はそんなことを言えるような仕事を、本気でしているのだろうか。

疲れた顔をして、お客さまと会っていないか。

小さな暗い声で電話していないだろうか。

全力で対応しているだろうか。


「運動会の練習なんだけれど、40分かかってやっと皆が整列する。残り10分で何もできない。」授業なんだそうだ。

ある元校長先生から聞いた話。

学校が荒れてくると、3人くらい立て直す先生が転勤してくる。

そして校内が落ち着いてくると、知らない内に去っていくそうだ。


中には中学校を卒業して就職する子もいるだろう。最後の運動会。思い出に残るものにしてあげたい。と思う。

良い先生も確かにいる。

昔、長男の中学校で、真面目で熱心な一人の先生の失敗を、クラス会を開いて糾弾する親がいた。


すばらしい先生は、すぐに現れるものではない。なれるものでもない。

先生も人間。失敗を繰り返しながら学んでいる。親だって、誰だって同じなんだ。

壊すのはすぐできる。でも作るのは時間と根気がいる。

正論ばかりでは、なにも生まれない。

どうか、黒い先生、かんばり続けてほしい。




何度でも何度でも生徒の名前を叫ぶ先生へ贈る歌。

そう、10000回だめでも10001回目があるんですよね。

http://jp.youtube.com/watch?v=u3IqSoaIw7k
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