こころがソワソワとして落ち着かないときは、布に触れるのがいちばんだって、知っている。
ミシンを動かす時間がないのなら、アイロンをかけるだけだって、効果はある。
考えてもどうにもならない、自分ではどうすることもできないのなら、考えるのをやめて、無心に布に触れるのがいい。
もちろん、ミシンでなにか拵えると、達成感が得られるから、拵えるにこしたことはない。
と、言うわけで、ここ数日はミシンを動かしている。
これらのインド更紗で、ドルマンスリーブのチュニックワンピースを拵えているのだ。
インド更紗やバティックといったアジアの布で衣類を作るようになって、もう十年近くになるのだろうか。
ノースリーブのフレアワンピースとチュニック、ドルマンスリーブのフレアワンピース、このふたつのデザインが、「簡単に作れて、自分に似合う」、わたしのソーイングの到達点と言ってよい気がする。
ワンピースはたっぷりと長く、チュニックはひざ下、襟あきはややボートネックで、ドルマンスリーブの袖はごく小さく、袖ぐりは腕にぴたっと添うサイズで拵える。
身幅と丈のサイズ感、そして、腕にぴたっと添う袖ぐり、そういうものが、市販の衣類で得られるとは思えない。
自己満足には違いないけれど、世界にたったひとつの、わたしだけの服なのである。
もっとも、伸縮性のあるニットやカットソーは、それ専用のロックミシンも必要なことだし、今のところ市販品に頼っている。
ジーンズやコート類も、わたしには拵えることができない。
それでも最近は、手入れが容易でくり返し洗える素材、できるだけ長く着られるシンプルなデザインのものを、吟味して求めるようになっている。
アクセサリーも、どんどん新しいものを欲しがっていた時期があったが、今は、手もとにあるもので満足している。
今あるものが可愛くて、ローテーションを組んで、平等に身に着けないと可哀そうだと感じてしまうから、新しいものを買う必要がない。
新しいものを買うときは、ちゃんとローテーションに組み込む覚悟がないとダメである。
わたしの身のまわりにあって、今のわたしを支えてくれているモノたちに、きちんと感謝をしたいと思う、きょうこのごろなのである。

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