2006/1/26

氷川清話  

著者:勝海舟  編者:江藤淳、松浦玲
出版:講談社学術文庫
クリックすると元のサイズで表示します

「武士道」と「シャーロック・ホームズの冒険」を読んで、「明治時代の口語体はどんな感じだったのかな?」とフと思い、この本のことを思い出して、本屋で立ち読みした。
そしたら面白いの、何の。
即決で購入して、楽しく読ませてもらった。
(ちなみに口語体は、殆ど違和感なく読める。中で海舟が書いた文章(勿論、文語体)が出てくるところがあるんだけど、これはかなり難解だったから、「話し言葉」の面では現代と大きく変わらなくても、「書き言葉」は(ハングル語ほどじゃなくても)決定的に変革したということだろう。「言文一致運動」の「大きさ」を痛感した)

僕は子母澤寛の海舟の小説(「父子鷹」等)も読んでるし、司馬遼太郎の幕末小説でも海舟は外せない登場人物の一人だから、出てくるエピソードは結構知っているものが多かったが、それでも海舟の語り口で読む幕末・明治の姿はかなり面白かった。
時事的なことにも臆せず言いたい放題という感じも、なかなかキャラ的にあっていて楽しい。「人生訓」みたいなものも多くて、内容はそんな突飛なモンでもないんだけど(「要するに、処世の秘訣は誠の一字だ」、とかね)、海舟みたいな経歴の人に言われちゃうと、反発の仕様がないわな(笑)。

本書は流布されてきた吉本襄・編の「氷川清話」を徹底的に洗い直し(かなり吉本版「氷川清話」はリライトされた部分があるらしい)、海舟の談話に近い形に戻したもの。頻繁に時局に苦言を呈しているあたりは、その過程で復元されたものらしい。
その努力と労力には頭が下がる思いだが、前書きや解説でちょっとそこらへんを自慢しすぎかな(笑)。「吉本襄がトンでもないヤツだ」というのは分かるけど、ここまで言わなくてもって感じがするしね。
ま、ただ本書以降、「氷川清話」についてはこの形が「定番」となるのは間違いないだろう。



この記事へのトラックバックURLはありません
トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ