2006/10/28

テポドンを抱いた金正日  

著者:鈴木琢磨
出版文春新書
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第二次世界大戦後、朝鮮半島が平和状態であったことは殆どないはずだ。
「朝鮮戦争」は所詮「休戦状態」でしかないし、社会主義国家でありながら、「個人崇拝」を強め、挙句に「世襲」を強行した北朝鮮と、軍事政権・軍事クーデター・民主化デモの混乱を経験し、急速な経済成長を遂げながら、政治的には後進性から抜けきれない韓国。
勿論、永く「冷戦」という枠組みがあったにせよ、それぞれの国家の戦後史においても「平穏」という言葉で評価できる時代はあまりないだろう。
ただそうした中でも現在が最も朝鮮半島(及び日本も含めた周辺地域)が緊張度を高めていることは間違いない。その中心にはメガネをかけたジャンパー姿の小太りの男がいる。

本書はその分かりにくい「金正日」の姿の一端を紹介してくれる一冊。「金日成の抗日闘争の真相」「金正日の本当の生地」「金正日の異常なまでの映画好き」等、割と知っていることも多いが、それらにしてもかなり整理されて紹介されるので、自身の知識のせりに役立った。
また「先軍政治の内容」や「個人崇拝の徹底の仕方」「『世襲』に至るまでの涙ぐましい(?)までの戦略」なんかはあまり知らない側面だったので、半ば驚き、半ば呆れつつ読ませてもらった。

「金正日」、決して愚か者ではないであろう。そうでなければあの国家をあそこまで不気味に一丸とは出来ないと思う。
しかしまあ「変なヤツ」というのも確か(笑)。
「個人崇拝」を徹底する中での「神話化」のアレコレは笑わずには読めない。ニヤニヤ笑いながら読み、その後でそんな国家政策を遂行している国が隣国にあることに改めて不気味な思いを覚えずにはいられない。

果たして朝鮮半島情勢がどのような方向に向かうのか。
勿論予想なんかできやしないのだが、金正日の思考として「家族」(「世襲」)に重きが置かれるのであれば、暴発もありえ、予断を許さない。
まあその前に中国かロシアが抑えに入るのが順当なんだろうが、これもナカナカ・・・。

まあ何にせよ「不気味なお隣さん」のことを窺い知るには、手ごろな一冊だと思います。




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