2009/11/9

犬なら普通のこと  

・「犬なら普通のこと」
著者:矢作俊彦、司城志朗
出版:早川書房

クリックすると元のサイズで表示します

矢作・司城コンビによる、25年ぶりの新作。
少し前に「海から来たサムライ」の改稿版である「サムライ・ノングラータ」が出版されてるけど、今になってこのコンビの新作が読めるとは思わなかったなぁ。
店頭で見つけて、我が目を疑い、ソッコーで購入いたしました。

沖縄を舞台とした、一癖二癖ある男女の、激しく、急展開な、それでいて何処か間が抜けていて、哀調のあるドタバタ劇
・・・って感じかな。
行き場がない男女のハードボイルドタッチな物語・・・と来ると、初期の矢作作品を思わせる。
実際、一昔前の横浜に舞台を移しても成立する話じゃないかね。
それを現代でやろうと思うと、舞台はどうしても沖縄・・・ってのは「沖縄」への誉め言葉にも、貶し言葉にもなるな(笑)。
ただ沖縄を舞台にしてるからこそ、ストーリーの作り物めいた部分が薄まっている、ってのはあると思う。

そういう観点から考えると、なんでこの話をコンビ作品にしたのかな、とは感じるな。
十分、矢作作品でも書き切れる内容なんじゃないか、と。
最近、文学臭が強くなってる矢作氏だけど、「傷だらけの天使」の続編小説を書くような茶目っ毛は残してるんだから、本書だって、と思わずにはいられない。
仕掛けがなさ過ぎて面白くない、そういうことかもしれないなぁ。

まあでもこのコンビの新作が読めるってのは、やっぱり嬉しい。
矢作単独作品なら、本作のようなドライブ感が出なかったのは確かだろう。
愚か者の饗宴には、これくらいの「勢い」があって丁度いい。

引き続き、「コンビでの新作を」と言いたいところだが、そこはまあ本人たちが気が向けばでいいや。
単独でも質の高い仕事をしてるからね。
それよりも希望は旧作の復刊。
「暗闇にノーサイド」
「ブロードウェイの戦車」
何とかなりませんかね、お二人さん?



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ