2009/4/19

花水木  

・「花水木 東京湾臨海署安積班」
著者:今野敏
出版:ハルキ文庫
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このシリーズ、遂にテレビシリーズ化されたらしいね。
主人公の安積警部補には「佐々木蔵之介」。
「佐々木蔵之介」自体は好きな役者の方なんだけど、さてどうかなぁ。
個人的な印象では、もうちょっと地味で堅い感じなんだけど・・・。
まあドラマのほうは見てないから、何とも言えないけどね。

本書はシリーズも随分こなれた段階での短編集になるから、かなり安心して読める出来栄え。
バーでの推理合戦のみが描かれる「薔薇の色」なんかは面白い異色作だし、「狼男」騒動を描く「月齢」、「キリスト光臨(笑)」を描く「聖夜」など、力の抜け具合が絶妙な作品が並んでいる。
シリーズの骨格やキャラクターが固まったことが良く分かる作品だ。

こういうのは「ワンパターン」化に繋がりやすいんだけど、この作者の場合、「実力」は折り紙つきなので、それもまたよし。
どこかで捻りをくわえて、シリーズとして新たな展開に踏み出すのであれば、それもまた楽しめそう。
・・・と言う訳で、存分にリラックスして楽しませてもらいました。。

2009/4/19

先週末、今週末  

先週の土・日は、中高時代の友人が家族で上京してきていた。
で、土曜日はマスコミに就職している友人(僕が会うのは20年ぶりくらい!?)と三人で、原宿の「そら豆」という店で飲み、
日曜は銀座「鎌倉山」で両家の家族と一緒に(全部で10名(笑))昼食を一緒にした。

友人同士では、昔のように雑談を肴に楽しく酒を飲み、
家族とは、騒ぎ回る子どもたちを楽しく眺めたり、たしなめたり。

いや、楽しい週末でした。

今週末は僕の母が上京中。
2歳になる娘も「人馴れ」してきていて、「おばーちゃん」にくっついて回っている(少し前までは母親ベッタリだったんだけどね)。

2週続けて、ちょっといつものパターンとは違う週末。
僕も楽しませてもらいました。

2009/4/18

多読術  

著者:松岡正剛
出版:ちくまプリマー新書
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「千夜千冊」という壮大な書評(?)ブログを展開する作者が、「読書術」について語った本。
「編集工学」を掲げる作者らしく、
「読書とは編集である」
との持論を展開している。

「あとがき」で作者自身が触れているけど、「読書術」の本としてはアドラーとドーレンの「本を読む本」が有名だ。
あの本が、ロジカルでカッチリとした読書論・読書術を展開していたのに比して、本書で示される読書術は非常にファジーな感じがする。
だがそのファジーさが、40年代に書かれた「本を読む本」に対して、本書を極めて「現代的」なものにしているとも言える。
ブログを積極的に活用しているように、作者の視野にはIT,ウェブネットワークが包含されているが、その親和性は「読書術」「読書観」そのものに根差しているんじゃないかね。
「読書」を特別視しない作者のスタンスには僕も賛成。
「読書は毒でもある」
正にその通り。
とは言え、これだけの読書量を誇る人に、「自分より本を読む人は沢山いる」って言われても「はぁ〜」って感じだけどね(笑)。

「ちくまプリマー新書」は確か「中高生向け」の新書シリーズとしてスタートしたはずだけど、最近のランナップを見ると、そこら辺は崩れてきてるのかな。
本書なんか、絶対「中高生」レベルじゃないだろう。
「編集工学」に触れる辺りはかなり難しいお話になっている。(少なくとも僕には)
分かりにくい作者の論を理解しやすいように「インタビュー形式」にしてるんだけど、聞き手がもともと一定以上「編集工学」を理解しているために、十分な解きほぐしが出来ていない感がある。
「分かりました」
って受けるところで、何度
「分かんねぇよっ!」
って突っ込んだことか(笑)。
「分からないながらも読み進めて行くのが『読書』」
という面も確かにあるけど、折角のフォーマットなんだから、もっと活かして欲しかったな。
そうしたら、もうちょっと内容が分かったかも(笑)。

2009/4/16

仕事ができる人、会社に必要な人  

著者:酒井英之
出版:クロスメディア・パブリッシング
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コンサルタントの作者が、自身のメーカー社員時代や、コンサルタントとしての経験の中から導き出した、「ビジネスマンとしての能力向上」のための心構え・取組み手法の紹介本。
体系的なスキルが論じれらてるというよりも、もうチョイ「ユルイ」感じかなぁ。
でもその分、読みやすいし、若手はこういう風な入り方のほうが理解しやすいかもしれない。
少なくとも「基本線」は外してないと思うので、読んでみれば何らかの参考にはなるし、「気付き」もあると思うよ。
あーだこーだと概念論や哲学論みたいなことをやられるよりは、こういう方が「行動」につながるのかもね。

「当たり前のことが書いてあるだけやん」

まあそうかもしんない。
でもこれをキッチリやれてる人は、そうはおりませんぜ。
僕なんか、しっかり「落第生」です(笑)。

若手にとってはこれからの指針として、
中堅以上にとっては自己チェックと下位者指導の参考として、
結構使える本じゃないでしょうか。


2009/4/15

オーラの条件  

著者:林真理子
出版:文春文庫
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My Wife's Choice.
妻は「林真理子ファン」なんだよね。

週刊文春にながく連載しているエッセイの文庫化作品。
何と「19作目」とか。
いや、僕は一冊も読んだことなかったんだけどね(笑)。

連載は05年が中心。
単行本の出版が06年。
・・・ということで、文庫化は最近なんだけど、中身は「懐かしい」。
「郵政選挙」の頃が該当していて、「小泉元首相」への評価が高かったり(個人的に親しいというのもあるようだ)、「ホリエモン」に対して結構好意的だったり・・・リーマンショック後の現在読むと、
「そういや世の中こうだったなぁ」
と、世の評価の触れ幅を再認識させられる。
「評価はしながらも、一抹の批判を加えている辺りに、作者の見識が」
って見方も出来るかもしれないけど、まあこれは一般的な見方だったろうね。
その凡庸さが、このエッセイのいいところかもしれない。

まあ暇つぶしにはなったけど、「林真理子」ファンではない僕にとっては、特筆すべきことは特に・・・。



2009/4/14

国をつくるという仕事  

著者:西水美恵子
出版:英治出版
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「世界銀行」の活動を問題視する向きがあるのは知っている。(作者は「スティグリッツ」を「友人」と言っているので、改革派であったのだろう。その成果については知らないが・・・)
本書の中で称揚されるリーダーに関しても、毀誉褒貶はある。(代表的なのはムシャラフ・パキスタン前大統領だろう)
それらを踏まえたうえでも、本書には「力」があり、「感動的」でもある。

本書は世界銀行・副総裁まで勤めた作者が、アジアにおける貧困との戦い、その中で出会ったリーダーたちの苦闘等について記した作品。
描かれる「貧困」の凄まじさ、そこで生きる人々の苦闘、貧困を解決すべくあがくリーダーたち、汚職と腐敗で絶望を撒き散らす官僚や政治家・・・
作者は、時に「女性」の視点を交えながら、この「困難な世界」を紹介してくれる。
おそらくは「理想のリーダー」であるブーダン国王についても、ブータン難民についてキッチリと記す等、作者の視点はバランスのとれたものになっていると思う。(まあ多少の身びいきはあろうが(笑))

「貧困との戦い」を見るとき、「正義」はあると思う。
汚辱にまみれた官僚や政治家の姿を見ると、そこに「悪」が見える以上、そう思いたい。
しかし同時に「正解」はないのだ。
そこに貧困と闘うリーダーたちと人々の困難がある。
(タイの騒乱だってねぇ・・・)

本書に記された「希望」は「ブータン」だろう。
確かに人口66万人の小国。「だからこそできる」というのはあるだろう。
それでも見習うべきものが、この国、この国王にはあるんじゃないかと、本書を読むと痛感させられる。
「貧困との戦い」が困難であればこそ、「希望」を見たいという思いがあるが故かもしれないが・・・。

いい本です。

2009/4/13

マリーシア  

・「マリーシア <駆け引き>が日本のサッカーを強くする>
著者:戸塚啓
出版:光文社新書
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僕自身は熱心な「サッカーファン」じゃない。
代表戦はフォローするけど、Jリーグは殆ど観ない。
そんな感じ。

その手のぬるいサッカーファンには面白い本じゃないかな。
日本人サッカーに接したことのある外人プレイヤー(多くはJリーグでプレイしたことがある)に広くインタビューすることで、
「日本サッカーに足りないものは何か?」
「『マリーシア』の真の意味は?」
「日本サッカーに求められるものは?」
等々を引き出している。

「マリーシア」と言えば、
「ちょっとした接触でも、わざと転げてファウルを貰おうとする」
みたいな「ずるいプレイ」のことをイメージしてたけど、実際にはもう少し広い概念のようだ。

<マリーシアとは、「狡猾さ」だけを指し示す言葉ではない。
マリーシアとは、「柔軟性を持った発想力」である。
マリーシアとは、「勝つために必要な駆け引き」である。
そしれ、マリーシアとはブラジル人特有のメンタリティや価値観ではなく、フットボーラーなら誰もが身につけるべきスキルである。>(P.9)

「マリーシアとはサッカーにおけるインテリジェンスのことである」
とも言えるだろう。
意訳すると、
「大局観、戦略観に立って、『今、何をすべきか』を判断できる能力」
ってとこ?
ここまで来ると、サッカーに限定された話じゃなくなっちゃうけどね(笑)。

日本サッカーではなぜ終盤の失点が多いのか。
なんてことを解き明かしている話もあり、サッカーを見る上においてはナカナカ楽しい視点を与えてくれる。
そこから更に視野を広げていくこともできる。
思ってた以上に「気付き」の多い本だったよ。

2009/4/11

「素材」に難あり?  映画

エドワート・ノートン、ティム・ロス、ウィリアム・ハート、
という演技達者を揃えてのエンターテインメント映画。
少し前に制作したのが「今ひとつ」だったので、仕切りなおしたようだけど・・・
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  インクレディブル・ハルク

「感情が高ぶると、自分自身がコントロールできなくなって、モンスターになってしまう」

まあ「ジキルとハイド」なんだけど、これをヒーロー物にするのは難しいんだろうな。
結局はモンスターの「暴れっぷり」が売り物の映画になっている。
そこはそれなりに楽しいんだけどね。

退屈はしないけど、何てこともないって映画です。

2009/4/10

白洲家の流儀  

・「白洲家の流儀 祖父母から学んだ『人生のプリンシプル』」
著者:白洲信哉
出版:小学館101新書
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どこまで続く、「白洲次郎・正子」ブーム・・・(笑)。
本書は二人の孫に当たる人物が書いたもの。
白洲信哉氏の母親は「小林秀雄」の娘になるので、なんと白洲次郎・正子と小林秀雄の孫になるわけですな、この作者は。
そんでもって「細川元首相の秘書」だった経歴を持ち、今をときめく「茂木健一郎」氏の友人でもあって、ついでに僕と同い年。
いやぁ違うもんだねぇ(笑)。

内容としては「孫から見た白洲次郎・正子、小林秀雄のエピソード」に加え、「白洲家の流儀や小林秀雄が作者の人生に与えた影響」「それらの中から得た、作者自身の『プリンシプル』」・・・って感じかな。
作者の人生や経験に触れられた部分も多く、僕はそういうところを面白く読んだ。
「それが鼻につく」
って意見もあるかもしんないけど。

「影響」という観点からは、作者に影響を及ぼしたのは「白洲次郎」よりも、「白洲正子」「小林秀雄」のラインかな。
細川元首相の秘書を勤めたくらいだから、白洲次郎的な素養や興味がなかったとは思えないけど、作者の今の生活ぶりや趣向を考えると、明らかに「正子ー小林秀雄」ラインが濃い。
戦後動乱期の自らの活動について終生口をつぐんだという「白洲次郎」に比べると、細川元首相の退陣についてもフランクに語っている作者の態度は「ちょっと違うな」って感じ。
いや、言わない「裏」があるのかもしんないけどね(笑)。

「白洲次郎」ファンの僕としては「外せない一冊」ってところ。
ファン以外には特段の意義はありませんが(笑)。



2009/4/9

勉強ができる子の育て方  

著者:江藤真規
出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン
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長男は今日から幼稚園の年中組。
「そろそろ『お受験』のことも考えないと」
と思って購入・・・
した訳じゃなくて(笑)、ラジオを聴いてたら、この作者が本書について語っていて、「子育て経験」として物凄く面白そうだったので読んでみた。

<娘二人を東大現役合格させた母親が、幼年期の育て方から、大学受験時の教材や勉強法まで初公開>(帯)

まあそういう本なんだけど、やっぱり「子育て経験」として面白い本だと思うね、これは。
確かに「教育ママ」なんだけど(本人も自認している)、どこか「自立性」を重んじるところがあって、そこに感心させられる。
まあ実際には色々あったとは思うんだけどさ(笑。そういう意味じゃ、娘の意見が聞きたいね)。

それにしても読み終えて思うのは、

「父親は何してたの?」。

留学と駐在で2回アメリカ滞在に家族を帯同したっていうのは分かるんだけど、驚くほど顔を出さないんだよね、父親が。
「母親向け」の作品だからそうなのか、「子どもの教育」には口を出さない父親だったのか・・・。
それとも「仕事に忙しい父親なんて関係ない」って、無言の抗議なのか(笑)。
そこら辺を考えると、何やら寂しくも恐ろしい感じがする本でもあった。



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