2009/4/29

決弾  

・「決弾 最適解を見つける思考の技術」
著者:小飼弾、山路達也
出版:アスペクト
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「小飼弾」続きになりますが、まあ偶然。

「弾言」に続き、小飼氏が「生き方」について語った本。
と言っても、本作は「人生相談」スタイルになっていて、一貫した理論を展開するというよりは、具体的な「質問」に答えるスタイルとなっている。
そういう意味では読みやすいんだけど、読むなら「弾言」を先に読んだほうがいいね、間違いなく。

個々の質問に対する答えは、
「まあそうだろうな」
って範疇。
突拍子もないものはほぼなくて、その観点からは「人生相談の役割は果たしている」けど、読み物としては「もうひとつ」って感じかな。
むしろこれは「人生相談」ではなく、具体的事案に直面した際の「思考実験」として読んだ方がいいだろう。

普通、多くの「人生相談」は、回答者が自分の人生経験から解答を導き出すもの。
勿論、本書でもベースになるのは作者の「人生経験」であるのは間違いないけど、それ以上に、
「質問に対して、与えられた条件の中で合理的ない回答を導き出す」
って色彩が強いんだよね、本書の場合。
その「合理性」を問い、楽しむ作品だと僕は思う。

勿論、すべての人間が「万全の前提条件」を把握することはできず、したがって人間の「合理性」には限界がある。
しかしながら「運が多い」(「運がいい」じゃなくてね)人生を歩んできて、かなりの冊数の本を読んできた作者が考える「前提条件」は広範なものであり、それゆえその「合理性」には耳を傾ける価値がある。
僕は自分の「合理性」と比較しながら、結構楽しく本書を読ませてもらったな。
(「回答」のいくつかには首をかしげ、反対意見を持ったりもしたけどね。でもそれはそれでいいんじゃない)

巻末には勝間和代氏との対談が収められ、「読書の効用」なんかについても語られている。
毎度の主張ではあるけど、二人の意見の差異なんかも覗わせて、これはこれで面白く読めたヨ。

2009/4/29

不透明な時代を見抜く「統計思考力」  

・「不透明な時代を見抜く『統計思考力』 小泉改革は格差を拡大したのか?」
著者:神永正博
出版:ディスカバー・トゥエンティワン
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アルファ・ブロガー「小飼弾氏激賛!!」の一冊。
「統計の見方」というより、「統計の考え方・捉え方」を論じた本といったほうがいいかな?
僕は「全く」数学が駄目で、従って「統計」も大っ嫌いなんだけど、何とか本書は最後まで追いかけることが出来た。(標準偏差のあたりが危なかったか?(笑))
従って「文系でも読める」ってのは、実証済み(笑)。

データや統計について物凄く難しいことが書かれているわけじゃなくて、非常に基本的なスタンスが書かれているといってもいいと思う。
例えば副題(「小泉改革は格差を拡大したのか?)を論じるにあたって取り上げられる「ジニ係数」の問題なんかは、色々なところで指摘されていることもあり、それほど目新しいものではないだろう。
そういう意味では「分かってる人には分かっている」。
でも自分でデータを扱ったり、統計表を加工したりしたことがない人は、一読しておくと凄く役に立つと思うよ。
新聞や雑誌のデータを鵜呑みにしがちな人は特に(笑)。

凄く読みやすい本で、「楽しくてタメになる」んだけど(巻末の統計・文献のガイドも含め)、難点を言えば「読みモノとして面白すぎる」ことかな。
面白く読めちゃうんで、扱われている統計・データの「元」にあたる気がなくなっちゃうんだよね。
これって本書の趣旨に反するスタンス(笑)。
そういう意味じゃ、軽いワークシートなんかあっても良かったかもしんないなぁ。
(あっても、やんないか(笑))

2009/4/28

おバカ映画ではあるけれど  映画

スパイ映画のパロディではあるけど、「オースティン・パワーズ」よりは構成がしっかりしている感じ。
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  ゲット・スマート

もとになる60年代のTVシリーズ「それいけスマート」は観てなかったんだけど、メル・ブルックスが絡んでるんだね。
真面目な顔したオトボケキャラってのは、確かにメル・ブルックスらしい。
「おバカ」な映画ではあるけど、楽しめました。
(この手の映画にしては下品になり過ぎず・・・もとが60年代だからかね)

2009/4/27

鷺と雪  

著者:北村薫
出版:文藝春秋
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戦前の上流社会を舞台とした「ベッキー」シリーズの最新刊。
どうもこれで「最終巻」ともなるそうな・・・。

時代は日に日に翳りを見せており、物語は昭和11年2月26日、「226」事件へと収斂していく。
「そういう展開じゃないかなぁ」
と何となく感じてたんだけど、やはりこうなるんだよね。
「226」事件。
良くも悪くも、ロマンティシズムを掻き立てる「何か」があるんだよな。

もっとも作者の視線には冷静な部分もあって、最終話ではベッキーさんと軍人が語り合うシーンがあって、その中で「皇道派」と「統制派」のせめぎ合いや、それを踏まえての大きな謀略(の可能性)に関して言及されている。
正直言って、僕なんかコッチのほうが興味があるんだけど(笑)、まあ「女学生」の物語としてはこういう終わり方(なかなかロマンチック。「え、そうなん?」って感じもあるが)が妥当なんでしょうな。

「もっと続けて欲しいなぁ」
とは思うんだけど、さすがにこうなると難しいかな(絵図が大きくなりすぎる)。
いっそ戦後に飛んじゃって・・・ってのは「アリ」だと思うんだが、如何なモンでしょう?

2009/4/26

PC修理ちゅう  雑感

土曜一日の雨のあとは、初夏の気配に満ちた、澄んだ一日。
春も過ぎ去りつつある感じだ。

我が家のノートパソコンは4年くらい使ってるんだけど、金曜日、突然ディスプレイが映らなくなった。
よく見ると、画面にうっすらと何かが映っている感じもあるから、もしかしたらバックライトが切れた程度なのかもしれない。
土曜日にメーカーに連絡して(HPです)、修理窓口に宅配便で送付した。
(現在は仕事で使っているPCで送信している)

スペック的には新しいのに換えてもいいかなぁとも思うんだけど、iPodのデータとかもあるし、とりあえず修理をして、様子を見てみようかなぁ、と。
今年はボーナスも減りそうだしね(笑)。

さて、無事戻ってくるかな。

2009/4/25

酔って、騒いで・・・。  雑感

一部では何やら「裏」みたいなもんも噂されておりますが・・・。
まあ草なぎ君。

「飲んで、酔っ払って、暴走しちゃった」

っちゅうことでしょうな。ありゃ。
確かに誉められたもんじゃないけど、大騒ぎするほどのことでもない。
「最低の人間」(by鳩山総務相)
は言い過ぎでしょう。
(僕の過去の言動を考えると、そんなこと言われたらちょっと・・・。
いや、裸になったことはないですよ(笑))

これが新聞一面になったら、ニュースのトップ項目になったり・・・

日本って平和。

2009/4/25

新しい資本主義  

・「新しい資本主義 希望の大国・日本の可能性」
著者:原丈人
出版:PHP新書
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刺激的な作品「21世紀の国富論」を書いた作者による、世界同時不況後の日本の進む方向についての一冊。
「読んで元気が出る」、これまた刺激的な一冊です。

内容は雑誌(「Voice」)に連載された内容を再構成したものらしく、

「金融資本主義」の糾弾
新しい技術による新しい基幹産業の創出
民間の力による顔の見える途上国支援
新しい「公益資本主義」

について語っている。
その分、前作に比べるとややまとまりに欠ける感じもあるけど、書かれている内容は作者自身の具体的なアクションに裏付けられたことばかりで、「机上の空論」じゃない活力を感じることができる。
「ほぼ日刊イトイ新聞」で作者と糸井重里の対談が何回か掲載されているけど、あれも「読んで元気が出る」対談なんだよね。

<新しいことを、リスクの取れる範囲でまず自分で最初に実験してみて、うまくいったものに関しては広く発信する。そのような有言実行の活動をこれからも続けていきたいと考えている。>(P.182)

本書も当然そのスタンスに則ってるんだけど、その「有言実行」の幅広さ・奥深さには驚かされるばかりだ。
実現のために、既存の組織(政府や国際組織、NGO等)と積極的にかかわる姿勢も、「実務家」としての作者のスタンスを証明している。

<「会社の事業を通じて、公益に貢献すること」−つまり、「会社の事業を通じて、会社が関係する経営者、従業員、仕入れ先、顧客、株主、地域社会、環境、そして地球全体に貢献すること」こそが価値として認められる資本主義>(P.156)

「当たり前」のようにも、「理想論」のようにも見える、こうした「公益資本主義」という考え方は、考えれば考えるほど、これからの社会にとって重要なんじゃないかと思う。
・・・っつうか、「働く者」にとって、こういう考え方は根幹に必要なんだよね。
「ただ稼ぐ」
それだけじゃ、日々の多くの時間を費やし、人生の過半を捧げることは、多くの人にとって空しすぎる。

実際にはこういった考えは脈々とあったんだと思う。
しかし「金融資本主義」が席巻し、社会を荒らし、自ら危機を招いてしまった現在、そのことを今一度再確認し、理論化しておくことが求められているのだろう。
作者はそのことを明確に認識している。

ホントに日本は「希望の大国」なのか?
そのことを問うこと自体にはあまり意味はないだろう。

<いちばん重要なのは、目の前に与えられたことを一所懸命、誠心誠意コツコツとやっていくことなのだ。>(P.188)

そうすれば確かに「希望」は見えてくるんじゃないかね。


2009/4/24

マネーロンダリング・ビジネス  

著者:志摩峻
出版:ダイヤモンド社
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キャプティブを使ったマネーロンダリング・ビジネスに足を突っ込んだアメリカの保険会社社長を、その保険会社を買収した日本損保から派遣された課長が追い詰める
・・・という話。
米国保険会社を買収しながら、現地経営陣にまかせっきりにして口を出さない日本の親会社
ってあたりに「皮肉」を感じ取れるけど、基本的にはエンターテインメント小説。
「上手くなったなぁ」
ってのが、デビュー作(「ボゴタの罠」)を思い出しての感想だ。

まあ物語としては、「マネーロンダリング」のあたりをもっと膨らませて、「マフィア」を絡ませて、サスペンスをもっと・・・なんて欲を感じないわけでもない。
ただこれは、僕が「キャプティブ」や「再保険」の仕組みについて、ちょっと知識があるからかもしれないな。
だってその「仕組み」が明らかになったって、「驚き」が全然ないんだもん(笑)。
そういう人間にとっちゃあ、本書で明らかになる「ビジネスの裏側」ってえのは、「マクガフィン」(ヒッチコックが言う、「物語をドライブさせるが、それ自体に意味はないもの」)になっちゃうんだよね。
それにしちゃあ、もうちょっと物語のほうを・・・となる。

でもまあ、知らない人にはこういう「仕組み」も驚きの一つになるかもしれない。
そういう「ネタ」に頼らない部分でのストーリーテラーの腕が上がってる、というのを確認できる一冊と位置づけることも出来るだろう。

しかし「課長」、格好良過ぎ(笑)。

2009/4/22

新世紀メディア論  

・「新世紀メディア論 新聞・雑誌が死ぬ前に」
著者:小林弘人
出版:バジリコ
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ウェブマガジン、ブログ出版等で実績を挙げている作者による新メディア論。
「コンテンツを届ける=出版」という視点から、「ブログ」を中心とした新しいメディア論を展開している。

「冗長さ」を持てる「書籍」、記事の信頼性がある「新聞」は、(媒体はネット移行したとしても、コンテンツを束ねる形としては)残りうる。
しかし「雑誌」は、「コミュニティ的な集団を作り、そこに向けてのコンテンツを提供する」という性質がITとの親和性が高いゆえに、厳しいかも。

・・・っていうのは(誤読もあるかもしれんけど)、なかなか厳しいけど、現状を見ると当たってるかなぁ。
本書の出版はごく最近なんだけど、現実は激しい勢いでその方向に向かっているように思う。

個人的にはネットの玉石混交状態にはウンザリさせられることが少なくない。
「2ちゃんねる」を訪ねなくなったのもそのためだし、「ネットの匿名性に問題がある」というのが僕の基本的スタンスでもある。
でも気がつくと、僕が入手する情報の多くはネット経由のものになっているし、「ブログ」から得ている情報も多いんだよなぁ。
その中には「匿名」のものも少なくないけど、「このブログの情報は、こういうバイアスが掛かっている可能性が高い」と僕のほうが情報に修正をかけているので、特段の不具合はないかな。
「ブログ」のように定期的に更新されるものは、こういう判断を働かせることが出来るので、「2ちゃんねる」のスレッドとはダイブ違うのかもね。
そう考えると、「ブログ」をキーにしたメディアの組成というのも、全くおかしい話ではないんだろうな(実際、欧米では進んでいるようだ)。

まあ問題は「どうやってビジネスとして成立させるか」。
グローバル化やITの世界では「先行者が全てを取る」ということが言われてるけど、作者が指摘するように「新しいメディア」は「誰でもメディア」であり、「誰でも」であるだけに、そこでの「利」は薄い。(「先行」も「メリット」とは限らない)
その中で、いかにして「ビジネス」を成立させるか。
欧米の例を見ても、ここが最も厳しいところに見える。
本書の指し示す「メディアの未来」。
大筋は間違ってないと思うんだけど、あとはココかなぁ。
「ビジネス」が成立しないと、「質」が確保されず、全体として沈没しちゃう可能性があるからね。

何にせよ、色々考えさせられる一冊であった。


2009/4/21

なかなか面白いけど・・・。  映画

アクション映画としてはナカナカ楽しめる出来になってるんじゃないかな。
ご都合主義もチラホラするけど、まあ「お約束」の範疇でしょう。
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  極大射程/ザ・シューター

ただなぁ。
マーク・ウォールバーグ、アクションヒーローやるには顔つきが地味なんだよねぇ(笑)。
それは「ジェイソン・ボーン」シリーズのマット・ディモンもそうなんだけどさ。
まあ二人とも身体はキッチリ鍛えているし、アクションの切れもあるから、キャラクターに頼っただけのアクション映画にはなってないんだけどね。
映画としては出来がいいんだから、まあいいか。(当たってもいるようだし)

確か原作はシリーズもの。
ということは映画も狙っているのかも。
「あってもいいな」
というのが感想です。



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