2009/3/19

嫁盗み  

・「嫁盗み 重蔵始末(四)長崎編」
著者:逢坂剛
出版:講談社文庫
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作者が「ライフワーク」とも称している、「近藤重蔵」を主人公としたシリーズ第4作。
前作までは鬼平同様、火付盗賊改を勤めていたのが、本作からは長崎奉行の配下となって、舞台を長崎に移している。

「鬼平犯科帳」のように「捕物帳」を続けることはできたんだろうけど(間違いなく作者自身も意識していたと思う)、「近藤重蔵」の人生を追いかけることを目指して、本作からは「馴染みの世界」を一歩踏み出した形になる。
それゆえに前作の最後で愛人を殺害させて、築き上げてきた「世界観」を崩壊させたんだろうが・・・。
結局、長崎でも事件をきっかけに愛人を作り、馴染みの居酒屋も見つけ出して、気がついたら同じような「世界観」が構築されちゃってるような気もするんだよな(笑)。
まあ出島のある長崎だから、前作までにはなかった異国情緒はあるんだけどね。
ただそのほうが読むほうにとってはシックリ来るってぇのは、ちょっと複雑なところだ。

豪快にして狷介、一級の知識人にして武芸の達人、独自の正義感を持ち、時に人情家・・・
複雑な「近藤重蔵」というキャラクターの魅力が本作の中核であり、その点は4作目に至っても揺るがない。
ウィキペディアで見てみたら、人生のほうも相当に複雑だったらしい(笑)この主人公の「その後」をどう描くのか。それはやっぱり気になるな。

ま、ハードカバーを買うほどじゃないけどね(笑)。



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