2009/3/31

グローバル・マインド  

・「グローバル・マインド 超一流の思考原理 日本人はなぜ正解のない問題に弱いのか」
著者:藤井清孝
出版:ダイヤモンド社
クリックすると元のサイズで表示します

作者は東大法学部卒業後、「マッキンゼー」「ハーバード大学(MBA)」「ファースト・ボストン」と来て、
「ケイデンス日本法人社長」「SAPジャパン社長」「ルイ・ヴィトン・ジャパン・カンパニーCEO」「ベタープレイス・ジャパン社長(現職)」・・・と、外資系日本法人のトップを歴任してきたツワモノ。
その自分自身の経験を踏まえ、日本人が今後グローバル社会で活躍していく上で必要なことについて語った作品がコレ。
僕よりも少し上の世代になるんだけど、経歴が経歴だけに、なかなかギラギラしたオジサンです(笑)。

「サブプライム問題」以降、「グローバル化」は旗色が悪い(笑)。
作者自身は、経歴から明らかなように、「グローバル化」の本道を歩いてきたような人物なのだが、「世界経済がこういう状況になった中でこそ、日本人が活躍するエリアがありえる」という視点で本書を論じている。
そのキーは例えば「現場主義」。
一方で日本人がグローバル社会に対応していく上においては、「トップは現場主義ではなく、『戦略的視点』をもって経営しなければならない」とも指摘しており、そういう意味では「グローバル化」時代における「ガバナンス」の変革の必要性を論じた本と整理することも出来るだろう。
意地の悪い見方をすれば、「自分はグローバル化を享受したくせに、情勢が変わったらこんなことを言う」ってことも言えるだろうし、「所詮はアメリカ主義なんじゃないの」って見方も出来るだろうけど、「右が駄目なら左」じゃないからね。
「グローバル化の流れは不可避。その中で行き過ぎた部分をどう矯正していくかが課題」
というのがバランスの取れた考え方だろう。
本書の主張もそういうポジションにあると考えていいと思う。
先の世界大恐慌後の「保護貿易」の広がりが第二次世界大戦を導いたことを忘れちゃいかんよな。

日本人や日本マーケットに関する視点には同感できるものも多いし、示唆的でもある。(日本のマーケットについて「過当競争に陥っており、グローバル化に対応できていない」という指摘は、今の僕が勤める業界の動きを裏付けているような指摘でもある)
あるいは作者が華麗な(笑)経歴のなかで経験したことを読むだけでも結構楽しい。
ナカナカ面白い本でしたよ。
(まあでも「英語は基本OS」っちゅうのは、僕には「痛い」けどね(笑))


2009/3/29

「傑作」!  映画

イーストウッドが素晴しい監督なのは言うまでもない。
アンジェリーナ・ジョリーの演技力も知っている。
それでもこれほどの作品とは思わなかった。
140分あまり、何度心を揺さぶられたことか・・・。
クリックすると元のサイズで表示します
  チェンジリング

善悪の曖昧さを描き出した「ミスティックリバー」に比べれば、「母の強さ」を核に据えた本作では「敵」は明確であり、構図はシンプルだ。(ストーリーは結構「波乱万丈」なんだけどね)
だが映画を観ながら沸き起こる感情は様々なものがあり、その一つ一つを記していくことは出来ない。
脚本の力、演技者の力、そして監督の力が、このシンプルにして重厚な作品を築き上げている。
「映画を観る喜び」を再認識し、「映画の力」に震える作品だった。

誰もが言ってるけど、ラストのジョリーの「目力」。
感動的です。

(ウィキペディアで映画の題材となった事件を調べてみたら、実際の事件のほうが映画よりも「闇」が深い感じがする。
映画を観ながらあまりのことに目を背けたくなるって言うのは久しぶりの経験だったけど、現実がそれ以上とは。
人間ってぇのは・・・)


2009/3/28

じいさん、頑張る。  映画

ラストシーン。
「今更なんでコレをつくんのかなぁ」
と思ってたんだけど、
ランボーが故郷に帰る、このシーンを観て、
「まあ、ありかな」と思った。
ストーリー的には殆ど繋がりないんだけどね(笑)。
クリックすると元のサイズで表示します
 ランボー 最後の戦場

ミャンマーの「残虐」に対し、その対抗もまた「虐殺」シーンになるという、
この姿勢には
「スタローン、なかなかやるなぁ」
って感じもあった。
実際、目を背けたくなるような表現は、スタローン・サイドの反撃のほうが多いくらいなんだよね。
エンターテインメントとしてはどうかとも思いますが(笑)。

「最後の戦場」だけど、本人はまだ作りたいよう。
となると流れ的には一作目に続く、「アメリカ国内」編?
それはそれで面白いかも。
(いや、なくても全然いいんですが(笑))。

2009/3/28

参った。予想外の出来。  映画

「評判の高いアメコミ(グラフィック・ノベル)の映画化」
と言うので観に行ったんだけど、正直期待はしてなかった。

「有名なアメコミヒーローのパロディみたいなキャラクターは、本家を知らないと楽しめないだろう」
「中核となるロールシャッハをマスクにしたヒーローがカッコイイとは思えない」
「『あったかもしれない社会』(「ニクソンが大統領を続けてる」とかね)というSFのりは、アメコミ映画には会わないような気がする」
「『ダークナイト』を観ちゃってるから、普通のアメコミ映画じゃ満足できない」
等々・・・

杞憂でした。
これはナカナカの作品。
クリックすると元のサイズで表示します
  Watchmen

まずはこの長くて、複雑で、暗いストーリーをまとめあげた脚本に脱帽。
「上映時間163分」
って長編なんだけど、全くその長さを感じさせず、それでいて消化不良にもならないというのは大したものだ。
更にその長さを楽しませるべく、ちゃんと「ヒーロー映画」になっていてカタルシスを感じさせつつ、深いテーマもキッチリ突きつけると言う・・・。
「ダークナイト」に並ぶ離れ業をやってのけてくれている。

そして「ロールシャッハ」。
この不気味で、カッコイイとは全く思えないヒーローに、ラストは思いっきり感情移入。
ちょっと泣けちゃったよぉ(笑)。

加えて劇中歌の趣味がいい。
初っ端の「アンフォゲッタブル」(ナット・キング・コール)の使い方は感心したし、ボブ・ディラン、ジャニス、S&G、ジミヘン等々
そして何より、「レナード・コーエン」。
「やってくれるなぁ」
って感じでしたな。

まあ「続編」はないだろうヒーロー映画。
「観る価値アリ」
です。

2009/3/28

会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ  

著者:齋藤正明
出版:マイコミ新書
クリックすると元のサイズで表示します

<私はマグロ船という言葉に「過酷」、「借金のカタ」、「行くあてのなくなった人の仕事」、「事故の多い仕事」と、ネガティブなイメージしか思いつかなかったからです。>(P.3)

いや、僕もそうです(笑)。

本書は「鮮度保持剤」開発のため、
「マグロのすべてを知ってこい」
という、無道な上司の命令(笑)で1ヶ月以上、「マグロ船」に同乗した経験を持つ作者が、その経験の中に「会社人生を乗り切るための知恵」があったことを記している異色のビジネス本。
内容としては、
「上手なストレスの受け止め方」
「上手なコミュニケーションの仕方」
について論じていて、ここの考え方やスキルは決して突飛なものじゃないんだけど、
「それをマグロ船の漁師に教えられた」
ってところにインパクトがある。

まあでも所々には
「ちょっとこれは出来すぎじゃないの?」
ってのもある。
あまりにもビジネス本っぽ過ぎるのもあるような。
「作者の創作」
とまでゃ思わないけど、若干経験をそういう方向で整理して記憶してたってことはあるんじゃないかね。
マグロ船に乗ったのが2001年。
その後、作者は独立してコンサルタントとして独立している。
この時間の経過の中で「記憶」が微妙に補正されたってことは十分にありえるだろう。

とは言え、「海の男」たちの行動や言葉が、思わぬ「力」を持って読む者に響いてくるのも確か。
一時間くらいで読めちゃう本だから、費用対効果を考えれば、十分にモトの取れた本だと思うよ。

しかし帯びの

<ある会社員に突然告げられた業務命令・・・・・・
マグロ船に乗れ!
そこにあったのは、あの蟹工船よりつらい日々だった!>

ってのはどうかな?
だって作者が辛かったのは「船酔い」なんだもん(笑)。
僕も船酔いには弱いから辛さは分かるけど、「蟹工船よりつらい日々」はないだろう。
これはやり過ぎです。

2009/3/27

インモラルな映画ですな、こりゃ。  映画

バンバン、無関係な一般人が死んじゃうし、
最後の「討ち込み」だって筋が通ってない。

でも、怖くて、セクシーで、狂信的なジョリー姉さんは最高!(笑)
クリックすると元のサイズで表示します
  ウォンテッド

観るまでは、ちょっと毛色の変わった「ヒーロー映画」か、
「殺し屋」を主人公にしたヒロイックなサスペンス映画かと思ってて、
スカッとすることを期待してたんだけど、
なかなかダークな味わい。
ストーリーは破綻してるようにも思うけどね。
狙いは面白いけど、もう少し脚本に工夫が欲しいかな・・・って言うのが正当な評価じゃないかね。

でもカッコイイ「アンジェリーナ・ジョリー」が観れたから、僕はそれで満足。

2009/3/27

動的平衡  

・「動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか」
著者:福岡伸一
出版:木楽舎
クリックすると元のサイズで表示します

「生命と無生物のあいだ」がベストセラーとなった福岡伸一氏の最新作。

<生命とは、絶え間のない流れの中にある動的なものである。>(帯より)

という生命の「動的平衡」という考え方について論じている。
この考えは「生命と無生物のあいだ」でも展開されていたが、発見に関わる人々の「人間物語」にウェイトの合った「生命と〜」に比べると、本作のほうが「動的平衡」そのものについて論じているウェイトが高いんじゃないかな。
と言っても、言ってることに大きな差があるわけじゃないから、基本的な概念はドッチかを読んでおけばいいんだけどサ(笑)。
「読み物」として面白いから、「読んで無駄」ってことはないけどね。

「ロハスの思考」という著作もあり(僕が最初に読んだ福岡作品はコレ)、環境問題にも見識のある作者は、「動的平衡」論を以って、「近代」の根幹にある機械論的な生物観に対する「物言い」をしている。
安部司氏の著作にも通じるスタンスは、個人的には納得感あるところ。
「人間はなぜ太るのか」について解説し、ダイエット手法(?)に言及した項もあったりして、読む者の興味を惹く書きぶりは相変わらずだ。
間違いなく、最近の理系エッセイの書き手としては、一番達者な作者だろう。

少し宣伝臭いところ(自分が翻訳し、年内に発売されるライアル・ワトソンの著作の紹介がある)もあるのが、ちょっと残念かな(笑)。

2009/3/26

小飼弾の「仕組み」進化論  

・「小飼弾の『仕組み』進化論 生き残るための”新20%ルール”」
著者:小飼弾
出版:日本実業出版社
クリックすると元のサイズで表示します

著名なプログラマーにしてαブロガーでもある小飼弾氏が、「仕組み化」について論じた一冊。
単なる「ノウハウ」本ではなく、「仕組み」の持つ意味(力)について語り、その哲学をベースとした、これからの「仕組み化」のあり方について語っている。
なかなか刺激的な作品だ。

副題の「新20%ルール」は、グーグルの「20%ルール」を踏まえたもの。
グーグルのルールが、
「勤務時間の20%は自分の好きなこと(自分が重要だと思うプロジェクト)に使っても良い(使わなければならない)」
というものなのに対し、小飼氏は、
「仕組み化を進めて、現在の業務を20%以内の時間に収め、それ以外の時間を新しい『仕組み』を作り上げることに費やす」
と提唱している。
グーグルの「20%ルール」でさえ先進的かと思えるのに、何とも大胆な・・・。
しかし提唱の背景を読むと、
「確かにコレだけのスピードで劇的に世の中が変革する時代においては、こういうスタンスでも取らないと生き残ることはできないかも」
と思わされる。
「仕組み化」や「見える化」で生産性を向上させていることは極めて重要な視点だが、
「何のためにそれをするのか」
という点で、小飼氏は明確なビジョンを提示してくれているとも言えるだろう。

勿論この「新20%ルール」、どんなの業種にも適用できるわけじゃない。
小飼氏の出自である「プログラマー」なんかは「ドンピシャ」かもしんないけど、製造業のラインなんかだとそういうわけにも行かないだろう。
作業系の事務職などもそこまではいくまい。
営業職の場合は近いイメージもあるかもしれないが、一定の作業が避け得ない以上、「20%」というバーに収めるのはかなりハードルが高い。

にも関わらず本書が刺激的なのは、
「何のために効率化をするのか」
に方向性を見せてくれるから。
勝間氏の「ワークライフバランス実現のため」ってのも悪くないんだけど、個人的にはコッチのほうがしっくりきたかな?
(それに「仕事」と「遊び」の境界線が曖昧になる「80%の領域」が確立すれば、そこには「ワークライフバランス」が見えてくるとも言えるだろうしね)

読みやすくて、面白く読めるけど、結構「深い」。
そんな感じの一冊ですな。

2009/3/25

天使と悪魔  

・「天使と悪魔」<上・中・下>
著者:ダン・ブラウン 訳:越前敏弥
出版:角川文庫
クリックすると元のサイズで表示します

「ダヴィンチ・コード」のロバート・ラングトンを主人公とするシリーズ作品。
「ダヴィンチ・コード」に続いて映画化されるんだけど、小説はコッチのほうが先に出版されてるんだよね。

「トンデモ学説」「陰謀史観」を駆使しながら、展開の目まぐるしいジェットコースター・ノベルに仕立て上げたって言うのが、「ダヴィンチ・コード」だったけど、その路線は本作も同様。
ヴァチカンに対抗する「イルミナティ」という秘密結社の陰謀に対抗して右往左往する主人公たちの姿が活写されている。
ネタ的には「キリストの秘密」を取り扱った「ダヴィンチ・コード」の方が間口が広い感じがするけど、個人的にはコッチのほうが興味深いものがあったな。

(「ダヴィンチ・コード」と)「両方を読んだ人は、圧倒的に、『天使と悪魔』の方が面白いと答えています。」

ってのが「映画化」を踏まえての書店での「売り」になってるけど、僕も同感。
「陰謀」に重なるテーマとして、「宗教と科学」ってのがあって、ここが作品の「厚味」になってるような気はするね。
まあ大した「厚味」じゃあないんだけど(笑)。

「数時間の愉しみ」
という意味では、結構楽しめる作品と言えましょう。
「読んで人格が向上する」
ってなことは「全く」ないけどね(笑)。



2009/3/24

WBC連覇  雑感

何か、「ようやく終わった」って感じも(笑)。
それにしても最後は「イチローの決勝弾」かぁ。
さらってくねぇ。
これで今回の不調はどこへやらって雰囲気だな。
ヒーローにはそういう「星」がついて回るのかもね。

それにしても決勝まで韓国と5回。
キューバとも2回やって、「別れた彼女」(byイチロー)に何回逢ったのやら(笑)。
ここら辺の不備を言う人は多いから、次からは改善されるんだろうけど(あれば、ね)、もうちょっと色んな国の野球を見たかったよな。
それが一番の不満。

ま、優勝できたのは嬉しいけどね。



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ