2008/8/30

変な天気。  雑感

ここ一週間、気温がグッと下がって、連日雨続き。
雷、大雨も結構あって、昨日なんかも派手にゴロゴロ、ザーザー・・・。

北京オリンピックで、人工消雨、打ち上げすぎたんじゃないのぉ。

2008/8/29

ST警視庁科学特捜班 毒物殺人  

著者:今野敏
出版:講談社文庫
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「隠蔽捜査」シリーズでブレイクした今野敏の別シリーズ、「ST」シリーズ第二弾。
「隠蔽捜査」の新作はまだ出てないし、安積警部補シリーズもストックが尽きちゃったんで、当分はこのシリーズを追いかけてみようかな、と。

まあ一冊目は「顔見世」ってところもあるし、読む方も方向性を探りながらってとこもあるから、どうしても「硬い」感じがあるんだけど、二作目になって世界観も馴染みが出てきて、気楽に楽しめる感じが強くなっている。
STメンバーの一人の能力を一作ごとにクローズアップするのを軸に、百合根警部がSTメンバーに馴染んでいく過程を描く・・・というシリーズの基本的枠組みも明確化されている。
突出したデキとは思わないけど、面白く読めるっていう点では過不足ないかなというところかな。
「愛ゆえの犯罪」ってぇのが本作のオチなんだけど、「容疑者Xの献身」なんかに比べると、浅い、浅い(笑)。
でもそれが「読みどころ」のシリーズじゃないからね。

まだ何冊かこのシリーズの文庫化はされてるから、
「当分は『暇つぶし』としての押さえに使えるな」・・・っていうのが今の心境です。

2008/8/28

折り返し点、仕事道楽  

・「折り返し点 1997〜2008」
著者:宮崎駿
出版:岩波書店
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・「仕事道楽 スタジオジブリの現場」
著者:鈴木敏夫
出版:岩波新書
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「崖の上のポニョ」が面白かったんでネェ。
「ポニョ」の公開にあわせて出版された監督とプロデューサーの本を、商売に載せられたと分かりつつ(笑)、読んでみた。
でもどっちも面白かったヨ。

「折り返し点」は、宮崎駿が「もののけ姫」の公開前後から、「ポニョ」の企画段階までに、色々なところに発表した文章や対談などをまとめた作品。
この前に同じようなスタイルの「出発点」という作品を出していて、それを受けてという企画になる。
(・・・となると、次は「到達点」か?)
<あっちこっちでしゃべったり、しゃべらざるをえなかったり、書かなくてはいけないから書いたものだったり、そういうものを集めて本ができても、自分の恥の証拠が残っているようで、あんまりうれしくないというのが正直な気持ちです。文筆家なら、短い文章を寄せるときにも、いつか本にすることを覚悟してるんでしょうが、ぼくにはそういう覚悟もありません。>(P.518)
とあるように、集められた文章は体裁もバラバラだし、内容も企画書あり、詩あり、対談あり、追悼文あり等々で、統一感は殆どない。
でもだからこそ、そこには「宮崎駿」の持つ「教養」の厚みが覗えて、非常に興味深いものがある。
「仕事道楽」で鈴木敏夫が、
<高畑・宮崎との出会いは強烈でした。当然ながら、もっとつきあいたいと思う。そのためには、なんとしても彼らと教養を共有したいと思ったのです。>(P.27)
って言ってるけど、「並みの『教養』じゃないな、コレは」って感じがする。
まあ世代的なモンもあるんだろうとは思うけどね(笑)。

「アニメ」「映画」はバックにある「教養」を誇るもんじゃなくて、「作品」そのものが問われるべき。
これは全くその通り。
実際、「宮崎作品」は、何よりもエンターテインメントとして成立している。(だからこその興行成績、だよね)
ただ一歩踏み込んだとき、そこに何があるか。
これはこれで重要だと思うし、この2冊はその一端を覗わせてくれる作品になっている。

「仕事道楽」は鈴木敏夫が高畑・宮崎と出会い、現在に至るまでの歩みを、ジブリ製作現場を中心に語った作品。
「ジブリの舞台裏」として面白く読ませてもらったけど、一番驚いたのは、「ナウシカ」のラストに関するエピソードかな。
当初、あれはナウシカが暴走するオームの前に降り立つところで「完」の予定だったらしい。
結局、「オームに弾き飛ばされ、一回死んでから甦る」ってのが完成版のラストなんだけど、あれは当初の構想ではなかったとのことなんだよね。

「ナウシカ」を初めて観たとき、僕はあのラストは「何だかとってつけたような・・・」と感じたんだけど(漫画のほうのファンだったと言うのもアル)、まあ正に「とってつけた」ということ(笑)。
一方で「もののけ姫」に関しては、「ナウシカの漫画を描き続ける中で深化した考えを受けて作った作品」という風に捉えていて、それはそれで間違ってないと思うけど、当初のラストの構想を考えると、そもそも「ナウシカ」の時点でも宮崎駿の「自然と人間」に対する厳しい見方はあったんだなと、ちょっと考えを新たにさせられた。

それにしても宮崎駿も「67歳」かぁ。
体力的にも、監督作品は1作か、2作。
「ジブリ」のその後がどうなるかなんて、どうでもいいけど(そして宮崎・鈴木の両名もそう思ってるようだが)、宮崎作品はもう少し見たいという想いがある。

息子もファンになったようだしネ(笑)。

2008/8/27

アジア三国志  

・「アジア三国志 中国・インド・日本の大戦略」
著者:ビル・エモット 訳:伏見威蕃
出版:日本経済新聞出版社
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「日はまた沈む」でバブル崩壊を予見し、「日はまた昇る」で日本人を喜ばせた(笑)知日派による最新作。
それにしてもスゴイ題名だね。原題は「Rivals」ってシンプルなんだけど。

前半は中国・日本・アジアの現状について、経済状況を中心に分析・解説する内容。
後半は世界経済(経済だけじゃないか?)における三国(特に中国・インド)の課題として「環境問題」を概説し、三国間の問題としての「歴史問題」や「紛争の火種」について論じた後、今後の方向性について提言を行っている。

前半の分析・解説の部分も、かなり広範囲にわたる数字を取り扱いながら、簡潔に分かりやすく解説してくれていて、ナカナカ参考になったんだけど、「読み物」としては後半の方が面白かったかな。個人的には。
<これまでの日本の謝罪は真摯ではなかった部分がすくなからずあった。(中略)そもそも問題の核心は、(中略)極東国際軍事裁判なのである。日本の謝罪の多くに真剣味が欠けているのは、この裁判が公正でなかったからだ。>(P.264)
歴史問題に関するこういう指摘は、まあバランスが取れてるんじゃないかね。(中国の主張の数字的根拠の問題点も指摘する一方、パール判事の意見書における日本軍の蛮行への批判についても触れている)
<いくら日本の帝国主義が当時は珍しくなかったとはいえ、植民地化された国々はいまもそれに格別な恨みを抱いている。それぞれの国は距離が近く、昔から共通した文化があるために、そのことがよけい重荷になっている。>(P.268)
その通りだろう。

今後に向けて作者の「進言」は以下の九つ。
1.アメリカが核拡散レジームを優先課題とし、インドもその枠内に入るように働きかける。
2.環境問題について、経済大国が例外なく寄付する共通の基金をつくる。
3.世界の重要事項を決定する国際機関にアジア三大国を含める。(端的に言えば、国連常任理事国に、日本とインドを加えよ、ってことかな?)
4.国際ビジネスにおいて、この三国を考える場合は、過去の十年のふるまいに目を向けるのではなく、今後十年の変化を考えて対処すべきである。
5.日本は歴史問題の解決に注力すべきである。
6.中国は意思決定や公表資料等における透明性を高めなければならない。
7.インドは近隣国との関係改善・友好関係の構築に努力すべきである。
8.アメリカはアジアにおける政治・経済の討議の場を公認する(東アジア・サミットが第一候補)一方、安全保障についてはアメリカも関与した形での組織を作るべきである。
9.アメリカはアジアに目を向け、(小国も含めた)アジア各国との対話を重視すべきである。
ちょっとまとめ方が散漫な感じがするけど(笑)、こんなもんかな?
「そりゃ無理だろ」ってのもあるけど、大筋は理解の出来る提言じゃないかと思う。

こういうのって、自分が当事者だと案外バランス取れて考えられないものだからね。
「欧米社会からのアジアの見方」っていう点で、良くまとまった本だと思います。
(個人的にはもうちょっと韓国のプレゼンスがある感覚があるんだけど。
まあGDPで日本の5分の1以下、人口5000万人って言うのは、世界経済のスケールから見ると、影響力は大きくないってことかな?
中国・インドに比べりゃ、そりゃそうかネ)

2008/8/26

つわものどもの・・・  雑感

北京オリンピックも閉幕。
別にテレビを見まくったわけでもないんだけど、何となく気が抜けた感じがするなぁ。

色々面白かったけど、
「女子ソフトの熱闘/星野ジャパンの気抜けた戦い」
「なでしこジャパンの健闘/反町ジャパンの惨敗」
あたりは好対照で何とも言えませんでしたな。
個人的には「朝原の熱走」にも心動かされましたね。

さてこれからは野球のペナントレースと、ワールドカップ予選?
う〜ん、何だか熱が入らないなぁ・・・。
(とか言いながら、北京オリンピックも事前はそんな感じだったんだけどサ)

2008/8/25

傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを  

著者:矢作俊彦
出版:講談社
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「傷だらけの天使」についてはあまり思い入れはない。
勿論、再放送か何かでドラマは見ているし、最終回の衝撃は忘れられないものがあるんだけど、それでもどこか「世代が違う」って感じがあるんだよね。
僕なんかだと、「松田優作」になるんですな、やっぱり。

矢作俊彦が書いたこの小説がムック本(「不良読本」。表紙がショーケンだった)に発表されたとき、ちょっと迷ったんだけど、買うのを控えたのも、そこら辺の感覚が影響している。
どーせ加筆訂正されて単行本されるだろうし、と思ったし。
で、その単行本がコレ。

確かに「傷だらけの天使」の世界が良く再現されていると言う気がする。
オチのところは「見え見え」って感じがしないでもないけど(笑)、まあそれは言っちゃいかんだろう。

アレから30年。
小暮修はアキラの死を背負ったまま、ホームレスになっていた。

う〜ん、いいんじゃないかなぁ。

矢作俊彦作品としては、ちょっと甘さが目立つかもしんない。
まあ大体主人公のキャラクターとして、斜に構えたところは共通するとしても、もうちょっとインテリ臭さがあるよね、矢作キャラクターには。
でも「小暮修」に対する矢作俊彦の愛情は感じられるし、楽しげに世界観を構築してるようなところがあって、エンターテインメントとして堪能できた。

岸田今日子、岸田森、亡き今、コレを映像化するのは無理だろうナァ。
水谷豊だって、今更あの頃の「アキラ」を演じることが出来るわけもなく・・・。
と、するとこの世界観の中に入ることができるのは「ショーケン」だけ、か。
なにやらリアル世界における「取り残され感」そのものが、本作に通底しているような感じもある。
そこら辺も、矢作俊彦の狙いにはあるんだろうな、とは思うけどね。

2008/8/24

家族で映画  雑感

昨日は家族全員で映画館へ出かけた。
娘はもとより、息子も映画館で映画を観るのは初体験。
妻が映画館へ行くのも息子の出産以来だなぁ。
観た映画は「崖の上のポニョ」。

僕が買ってたパンフレットを見て、息子が面白がってたのがきっかけなんだけど、一方息子は「暗がり」が大嫌い。
果たしてちゃんと椅子に座ってられるかなぁ、とチョット心配だった。

案の定、本編が始まるまでは怖がって僕にしがみ付く有様。
でも本編が始まったら、画面に魅入られて、終わりまで集中して楽しんだようだ。
ま、「映画の出来」ってのもあるけど、とりあえずは上々の「映画デビュー」かな?
(ちなみに娘の方は、前半は夢の中で、後半はおとなしく鑑賞。エンディングの唄のときは手を叩いて喜んでいた)

ところで僕にとっては二回目の「ポニョ」。
ちゃんと二度見に耐えられる作品でした。
ぜんぜん退屈しなかったよ。

2008/8/23

論点解説 日経TEST  

・「論点解説 日経TEST あなたの経済知力を磨く」
編:本経済新聞社
出版:日本経済新聞出版社
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9月に第一回が実施される「日経TEST」の参考書として出版された本。
もっとも、
<本書は日経TESTを受験する人のための参考書として企画され、ベテラン記者が執筆したものですが、問題を予想したり解答技術を教えたりするものではありません。日経TESTが想定する出題領域の中で、「いま何が起きているのか」「何が問題となっているのか」「将来にどういう影響をもたらすのか」といったことを「論点」として抽出し、解説を施したものです。>(まえがき)
という内容なので、日本経済・世界経済の現状を考える上での基本的な視点を提示してくれる本として読むことができる。
僕自身、別に試験を受けるつもりはないからね(笑)。
何かのPODCAST(「日経1年生」かな?)で本書を知って、書店でパラパラ見てみたら面白そ
うだったので、買ってみたというのが購入の経緯だ。

でも正直言って、「『TESTの参考書』として片付けてしまうには惜しい内容」というのが読み終えての感想だ。
勿論、概略的な解説だから、びっくり仰天するような新説が論じられるわけじゃないし、中には「これはどうかなぁ」と個人的には思う解説もないではない。
ただ幅広い分野について、社会人としての問題意識を持つための基本知識という意味では、結構いい出来の書籍なんじゃないかと思うんだよ。

大項目で取り上げられているのは以下。

・日本の企業経営を読む
・消費・流通の動きを捉える
・日本経済の論点
・金融の課題
・株式・商品市場を読み解く
・現代の科学技術をどうとらえるか
・節目を迎えたグローバル経済
・変わる働き方と教育改革

「お腹いっぱい」っちゃあ、一杯(笑)。
まあでもそれぞれの項目は、良くも悪くも、深くは突っ込まず、現状や短期的な見通しに触れるだけになっているから、サラリと読めるようになっている。
むしろのことで全体を見通すような視野が得やすいと言う利点もあるんじゃないかと思う。

日経新聞を読み込んでる人や、経済の潮流に目配りしている人にとっては物足りないところが多いとは思うけど、確認の意味で全体像を押さえたい向きや、若年層には結構意味のある本じゃないか、と。
「日本の論点」なんかよりは、ずっと薄いしね(笑)。

2008/8/23

二十一世紀 残る経営、消える経営  

著者:大久保寛司
出版:中央公論新社

部長から部の管理職に回覧された一冊。
確か数年前に読んだ記憶があるんだけど、改めてパラパラ目を通してたら面白くなってしまい、結局通読してしまった(笑)。

要は「お客様第一主義」「消費者主権」の話。
この点を作者は以前から強調しており、単なる「お題目」ではなく、それを徹底させるために具体的にリーダーがどのような姿勢で、どう取り組んでいくべきか、そのとき「経営理念」をどう位置づけるべきか等々が、丁寧に分かりやすく論じられている。
「分かりやすく」ではあるんだけど、
「ナカナカ実践するのは難しいなぁ」
って内容ではあるけどね(笑)。

本書の初版は「2001年10月」。
僕が読んだのも、多分それからそれほど間をおかずにじゃないかと思うけど、当時読んだときよりも、今読んだほうが、自分の心に響く部分が多かったような気がする。
まあこれには社会全体が「消費者主権」の方向に大きく動いていると言うのもあるし(「消費者庁」とかね)、僕が勤める会社の業界全体も、一連の不祥事を契機に、大きくそちらの方向に舵を切ったとこを実感しているって言うのもあるだろう。
換言すれば、当時から「顧客第一主義」っていのうは会社は標榜してたけど、僕自身は心底そのことが腑に落ちてなかったということかもしれない。
本書の中では僕が勤める会社の姿勢についてお褒めの言葉を頂戴してるんだけど、今から考えると、はなはだお恥ずかしい話って気がしなくもない。

「消費者主権」については、その行き過ぎや(「モンスターペアレンツ」やコンビニ受診による医療崩壊なんかは典型)、限界(「消費者には新しいトレンドは見えない」といった指摘)が現在はされているし、本書でもその点には触れられている。
でも大きな流れとしてこの方向が間違ってるとは思えないな。
それに「経営理念」に沿ったスピード感のある経営・リーダーシップの発揮ってあたりは、間違いなく重要な視点だと思う。
個々の従業員の行動規範としてもね。

<価値を生み出せない企業や組織は存在できなくなる。>(P.48)
<世の中に、どのように役立つ存在になるかと言うことである。>(P.107)
<今あなたがしている仕事は、お客様に価値を届けることにつながりますか?>(P.143)
<物事は「やる」か「やらないか」しかないのだ。
二者択一。
実践しない限り、何の変化も生まれないし、
価値を生み出すことは絶対にないことを、
深く心に銘記することだ。>(P.144)

企業にとっても、個人にとってもこれは重要な視点だ。
重要だけど、本当にこれを芯にすえて実践することは物凄く難しい・・・。

と言う訳で、改めて勤めてる会社の経営理念を読み直してみました。
・・・って付け刃やってるようじゃ、イカンか?(笑)


2008/8/22

フォーカス・リーディング  

・「フォーカス・リーディング 1冊10分のスピードで、10倍の成果を出す「いいとこどり」読書術」
著者:寺田昌嗣
出版:PHP研究所
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僕自身は「速読術」は身につけていない。読むスピードは、まあ「普通」って感じで、妻の方がズッと速いように思うくらいだ(笑)。
個人的には「読書」は唯一に近い趣味みたいなもんなんで(情けない(笑))、「何も無理矢理急いで読む必要は・・・」って気分がある。
スピードを上げるより、隙間時間を見つけて、「読書タイム」を確保することが僕の読書スタイルと言っていいだろう。

そんな考えなんで、これまでも「速読術」の本は読んだことなかったんだけど、昨今の「速読術」ブーム(?)を横目で見て、
「そもそも『速読術』ってどんなもんなんかね?」
ということくらいは、漠然とでも掴んでおこうと思って読んでみたのが、この本。
色々な書評を読んでいて、「手堅い」「王道」等の評価が多いのを読んで選んでみた。

構成としては「理論編」「鍛錬編」「実践編」に分かれている。
「理論編」では「読書の”ワナ”」といったものを挙げつつ、基本的な読書への取り組み方のようなものを論じている。
<読書をすればするほど、自分の頭で考えなくなる>(P.37)
<多読しても成長するとは限らない。むしろ多読が成長を阻害する。>(P.46)
<「がんばって読もう」と思うと本は頭に入らない>(P.54)
等々、ドキッとする指摘がアレコレ。
でも「確かにナァ」と、腑に落ちるところも結構あるんだよね、コレ。
「狩猟採集型読書/農耕型読書」や「TPOを踏まえた読書」といった、「目的を明確にした読書のスタイル」っていうのも納得感がある。
「速読」ということに縛られず、「読書」全般を考える上において、この「理論編」はナカナカ示唆に富む内容になっていると思う。

一転、「鍛錬編」の方は、なかなか「肉体的」にキツイ内容(笑)。
「右脳で速読」「潜在意識を覚醒」なんて「速読術」も少なくないようだが、本書の基本は
<速読は体育会系のノリで身につける>(P.81)。
「目の動かし方」「読み方のコントロール」「理解度のコントロール」等々、具体的なトレーニング方法を挙げながら、着実に「速く読む」という技術が身に着くような内容になっている(多分)。
僕も「目の動かし方」あたりはやってみたんだけど、やってて気分が悪くなっちゃった(笑)。
ただ基本的な「考え方」には納得できるところも多いので、確かにこの延長線上で「速読」が獲得できる可能性は高いように思う。
ソコに至るまでは結構キツイけどね、これは。

「実践編」は、「フォーカスの力を最大限引き出す読書術」と、再び「速読術」には限られない、「読書」全般の話になっている。
<戦略的に”積ん読”しよう>(P.194)
<最低三度、重ね読もう>(P.202)
等々、ここら辺の指摘もナカナカ参考になる。
「速読」という意味では、確かに「重ね読み」するときには活用できるナァと思ったね。

<今、本当にお伝えしたいのは速読のテクニックではなく読書の本質です。本当に支援したいのは、単なる速読術の修得ではなく、読書を通じて成長し続けたいと思うあなたの気持ちです。>(P.224)
という作者の言葉に表れてるように、本書の価値は「速読術の伝授」よりも、「読書とは何か」を論じたあたりにあるように感じる。
少なくとも僕はそっちのほうを面白く読ませてもらった。
「速読術」の訓練は・・・う〜ん、ちょっとやる気はしないナァ(笑)。

(まあ「速読術」の基本って、極論すれば「謎解きを先に読んでから推理小説を読む」みたいなところにあるような気がするからね。確かにスピードは上がるし、理解も早いかもしんあいけど、「読む楽しみ」とは一線を画すとこがある。
それはそれで別の視点からは意味があることは十分に分かってるつもりだけどサ)



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