2008/6/15

影響力の武器  

・「影響力の武器[第2版] なぜ、人は動かされるのか」
著者:ロバート・B・チャルディーニ 訳:社会行動研究会
出版:誠信書房
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いくつかの書評や、ビジネス本の作者のお薦めがあって購入してみたものの、「第2版」なんてところや、本の体裁から、
「何か硬そうな本やのぅ」
という印象が読む前にはあった。
結構、翻訳物の場合、読んでてカッタルイってぇのもあるしねぇ。

しかし!
本書は思ってた以上に読みやすく、内容も非常に興味深いものがあった。
実際、ここんとこ読んだ本の中じゃ「一番」じゃないかなぁ。
割と日にちをかけて読んだんだけど(有休取得をはさんだってぇのもあるけど)、何だか読み終えるのが惜しいくらいだったよ。

内容としては、「人を動かして承諾させるテクニック(=影響力の武器)とはどういうものなのか」を分析し、論じた本。
その「影響力の武器」を
「返報性」
「コミットメントと一貫性」
「社会的証明」
「好意」
「権威」
「希少性」
の6つに分類し、それぞれを解説するとともに、実例や実験を満載して理解を助けてくれる。
ホント、読んでて楽しい本だった。

これらの「影響力の武器」は、それ自体には「善」も「悪」もない。
人間に対してこれらが影響力を持つのは、それを活用した方が人間にとって有利であったからであり、その意味では「善」。
しかしながらその「自動性」を悪用された場合、自分自身の意図・本当の欲望とは関係なく、他者の要望に応えてしまう(最悪の場合は「騙される」)危険性があるという点では「悪」。
その意味では、ここで述べられているのはまさしく「武器」「道具」になりうる事象ということだ。
いやぁ、気をつけたほうがいいねぇ、コレは。

例えば、「コミットメントと一貫性」。
これは一度コミットメント(宣言)したことに対しては、人間はそちらの方向に引っ張られてしまい、しかもそのことをに一貫性を持たせようとして自ら補強さえしてしまうということである。
コレを悪用して、物を買わせたり、寄付をさせたり、って例が沢山載ってるけど、一方で「自己啓発」って分野でも、この手法は活用されている。
「自分の目標を書く」
「なりたい自分を描き、表明する」
なぁんてぇのは、コレだよね。
「使う者によって、『善』にも『悪』にもなる」
っちゅうことですかいのぅ。

他にも行動経済学にも通じるものもあったり、「ハック」のことを考えさせられたり(「ハック」って、言ってみれば、「自動性」を作り込むってことでもあるからね)、広がりを持たせられる読書経験でもあった。
世の中に蔓延する「騙しのテクニック」に翻弄されないためにも、お薦めの本です。



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