2008/5/16

警察庁から来た男  

著者:佐々木譲
出版:ハルキ文庫

「笑う警官」に続く道警シリーズの第二弾。
前作で登場した佐伯、新宮、津久井らのメンバーに加え、警察庁から特別監察に来たキャリア監察官・藤川が、道警に蔓延る腐敗のネットワークに立ち向かう・・・というのが基本的なストーリー。
今野敏の「隠蔽捜査」シリーズの「竜崎」には及ばないが、この「藤川」というキャリアがナカナカいいキャラで、その人物像も大きな読みどころになっている。(だからこそこの題名、っていうのもあるんだろうけどね)

話としては前作に比べると、「敵」となる腐敗のネットワークが、ちょっと「創り込みすぎかな」って感じもしないではないかな。
前作の場合、「うたう警官」に対する組織人の反発があって、誰が敵で味方なのか判然としない、しかもその「敵」も明確に腐敗している者もいれば、寄って立つ「哲学」が異なるだけのものもいる・・・なかなか複雑な様相があって、そこが作品に深みもたらしていた。
本作ではその部分が薄れていて、対立の構図が明確なのが、ちょっと作品の構図を単純に見せちゃってるかナァって感じがする。
そこを新登場の藤川というキャラが補っているし、何より話は面白いんだから、どーこー言うのは野暮ではあるんだけどね(笑)。

現在、このシリーズの第三弾が執筆されているらしいから、それはそれで楽しみ。
でも出版されたら、我慢できなくてハードカバーで買っちゃいそうなのが、ちょっと怖い(笑)。



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