2008/5/14

FBIアカデミーで教える心理交渉術  

・「FBIアカデミーで教える心理交渉術 どこでも使える究極の技法」
著者:ハーブ・コーエン 訳:川勝久
出版:日本経済新聞社
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「FBI」なんて言葉が出てくるから、もっと「権謀術数」「魑魅魍魎」みたいな手法が紹介されているのかと思っていたら(笑)、かなりまとも。
本書を読んだからと言って、明日から「周りの人間は思うがまま」なんてことには全くならない。(当たり前か。笑)
まあ何でこんな題名になったんだか分かんないけど、正統派の「交渉術」の本だと思う。85年に発表されて以来、読み続けられ、全米で「140万部」と大ベストセラーになっているってのも良く分かる。

交渉の大きな要素は「情報」「時間」「力」であり、それらがどのように交渉に絡んでくるか。さらにそれらの要素に対してどのように対処することによって交渉を成功に導くか。

そういうことが非常に分かりやすい具体例を引きながら論じている。この具体例が結構面白くて、「読み物」としても退屈しないんだよね。


本書が目指す「交渉術」は、交渉そのものに「人間」的要素を見出しながら、交渉相手と自分が共に目標を達成できるような、「WIN-WIN」型の交渉。
人間の多様性を認めれば、交渉関係者の「真の目標」(標榜された目標ではなく)を全て満たすことも可能なはずだというスタンスである。(「ひとたび人間は同一であり得ないという認識に立てば、それぞれの目標が相容れないはずがないことに気付くだろう)

全てのケースにおいてそうかはちょっと分からないけど、自分の経験からも確かに作者の言うことは分かる。
「交渉」が「相手を倒す」「相手を言い負かす」といったものではないこと(あるいはそうした「交渉」は拙い手段であること)は確かだろう。


・・・と言いながら、本書で一番面白いところは、「相手を倒す」ための交渉術を分析しているところ(「ソビエト型交渉術」。今ならさしずめ「北朝鮮型交渉術」ってところかな)だったりするんだけど(笑)。
著者は「そういう手法を使え」と言ってるんじゃなくて、「そういう手法を知っていれば対処の仕方も分かる」と言ってるんだけど、ここはホント具体的で面白かったよ。

「北朝鮮」がモロにそんな感じだけど、こーゆー「交渉」をするヤツもいるからねぇ。
ま、自分じゃやる気になれないけど。


僕自身は「買い物」が苦手で、店に行く前に買いたいものの当たりはつけておいて、店頭では殆ど時間をかけない方なんだけど、そういうタイプが如何に「交渉ベタ」かというのが良く分かります(笑)。


「交渉とは何か」
その王道を押さえるために読むべき本だと思う。



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