2008/2/19

妙な味わいだけど、悪くない。  映画

なかなか映画館にも行けないし、レンタルDVDを観る時間も取れないので、映画を観る本数はここ数年、激減している。
「これじゃあ、いくらなんでも寂しすぎる」
と思って、無理やりにでも観る習慣をつけようと、TSUTAYAのネット・レンタルを利用することにした。
早めに帰ったときには時間をやりくりして観よう、と。(さて、思惑通りに行くかなぁ)
その一本目がコレ。
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ヒストリー・オブ・バイオレンス

まあ「妙な感じの映画だったなぁ」と言うのが感想。
同じ設定、同じストーリーで、少し軸をずらせば、「爽快なアクション映画」や「愛の物語」に仕立て上げることも可能だと思うのだが、そこのところを微妙な匙加減で避けながら、それでも興味深い物語を創り上げている。
アクションシーンなんかはクローネンバーグからすれば、もっと「グロ」(笑)にすることもできたろうに、そこを抑えることで、逆に作品全体に暴力的な気配が満ちた雰囲気になってるあたり、ナカナカのものだ。
単純なアクション映画ではなく、かといって「非暴力主義」というにはアクションシーンに「力」がありすぎ、それでいて「暴力礼賛」にはならない。
何なんだろーなぁ、これは。
ラストも爽快なんかじゃ全然ないんだけど、かといって絶望的なわけでもなく、何とも表現しづらいオチだ。
僕は嫌いじゃないけどね。

こういう映画にはありがちだけど、「悪役」を演ってるエド・ハリスとウィリアム・ハート(太りすぎだよ!)が楽しそう(笑)。
主人公のヴィゴ・モーターセンは地味なキャラクターから暴力に裏打ちされた狂気が滲み出る複雑な人物を演じているが、それに比べりゃ、エド・ハリスやウィリアム・ハートは劇画的で分かりやすいキャラだからね。
ま、「おいしい役」である。タランティーノあたりが好きそうなキャラではあるね。

そういう意味じゃ、「ちょっと重いタランティーノ」って感じか?
いや、もうちょっと「深み」があるかな?

2008/2/19

道路工事の季節  雑感

昨日は「東京マラソン」だったので、都心に行くのは避け、環八を通って、二子玉川の高島屋に行った。
環八はいつも渋滞する厄介な道だが、日曜は比較的空いている。ところが昨日は、いつもならさほど混まない辺りが渋滞していて、思っている以上に時間が掛かってしまった。
原因は「工事渋滞」。
陸橋を「水はねや騒音を抑えるため」に改修工事するため、「片側2車線」を「1車線」にしたことによる影響だった。

こういうのに遭遇すると、「『道路特定財源』てなぁ、何だろう」と思うね。
どの程度効果があるか分からないけど、「水はねや騒音を抑える」なんて、何か検証が難しそうだし、第一、環状八号線のあんな辺りでそんな工事をして、どの程度の人が助かるのやら・・・。
「年度末が近づいている」という点も考えると、何やら「怪しい」気配を感じてしまう。

個人的に道路整備は必要だと思っている。
都心には「開かずの踏み切り」が沢山あるし、歩道も交通量に比して整備されていないところも少なくない。(僕が今住んでいるところは結構環境がいいところだが、歩道の整備が十分じゃないところがある)
だから「道路財源は不要だ」なんて言うつもりは全然ないんだけど、「特定」にすぐ必要はないんじゃないかね。「一般財源」にして、利用方法を公開で議論しつつ、決定していくことが「本道」のような気がする。マッサージチェアや過大な社宅建築に使われるくらいなら、その方がズッといい。

・・・と工事を横目で見ながら思ってたんだけど、そんな風に考える人は少なくないんじゃないかな。
となると、この工事、自民党(道路族)にとっては大きなマイナスかも。

何かの陰謀か(笑)。

2008/2/19

21世紀の国富論  

著者:原丈人
出版:平凡社
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現在の先進国の産業構造から将来を見据え、アメリカ型の資本主義の問題点を指摘するとともに、日本が今後進むべき方向性を提言した一冊。
アメリカ型資本主義に対する否定的評価がなされているが、変にナショナリズムに寄らず、産業構造や会計主義などの現状・問題点を指摘しながら評価するあたり、論理的な態度が、読んでいて好ましい。

従来の製造業を、「物的製造業」と捉え、現在「IT産業」や「ITサービス」と言われている先端的産業を「知的製造業」と定義することで、その性質は違いながらも、基本的には「製造業」であること、従ってそこで問題になるのは「製造品」や「サービス」の質なのであり、決してROEのような会計指標が重要なのではない等が指摘されている。(現在の「ROE」偏重は、資産を殆ど持たない「ソフトウェア産業」「サービス産業」礼賛に繋がっているが、全ての産業がその方向を目指すことの「怪しさ」についても端的に述べられている)
「製造業」である以上、「研究開発」が重要な位置づけにあるべきであり、そのためには「内部留保」が重要な意味を持つとの指摘もされ、「会社」というものの「あり方」についても多くの論が展開されている。
研究開発を効率的にかつ有効に行うためには小さくてフラットな組織がいいとか、研究開発を外部会社を設立して行わせ、そこと提携して事業展開していくとか、新しい産業を育てるためのリスクキャピタルと言う仕組みとか、具体的な提言も多く含まれている。
現在の株式市場におけるヘッジファンドの位置づけなどにも触れられており、かなり幅広い視野を持った作品と言えると思う。

ま、正直言って、作者が「将来の産業」として推している「PUC(パーベイシブ・ユビキタス・コミュニケーションズ)」なんかは、ちょっとイメージしづらいんだけど(笑)、「人が機械にあわせる」のではなく、「機械が人に合わせる」というコンセプトは、漠然とは「正しい」気がする。
そこに日本の強みがあるというのも、携帯電話の機能の充実振りなんかを考えると、「そーかなー」と思わないでもないかな。(もっとも僕は大半の機能は使ってないが)

本書には作者のコレまでの経験に触れられている部分がある。ここで作者はベンチャーキャピタリストとして関わってきたベンチャー企業への想いや、取り組んでいる発展途上国の工場のための取り組みへの熱意が語られている。
それぞれの取り組みは決して「理想論」だけに終わらず、具体的・戦略的な視点に立ったアクション・プランに裏付けられているのだが、その根本にある高い志が作者の行動の方向付けにあることが覗える。
本書の内容は単なる「机上の理想論」ではなく、かなり具体的で現実的な側面が強いのだが、それがノウハウ本や経済談義本になっていないのは、この「志」が底流に流れているからではないかと思う。

非常に視野の広い本で、僕自身、未だに自分の中でどういう風に位置づけたらいいのか、まだちょっと考え続けていることろだ。
刺激的な一冊です。



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