2008/2/14

リスク<上・下>  

・「リスク 神々への反逆」<上・下>
著者:ピーター・バーンスタイン 訳:青山護
出版:日経ビジネス人文庫
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少し前に評判になった本で、結構色んな人が「オススメ」にしている作品。そう言えば、この間読んだ勝間和代氏の本でも推薦図書の中に入っていた。
まあ確かに評判に違わぬ内容のある作品だと思う。作者の博識振りには驚かされるとともに、骨太な歴史物語の構築振りにはもっと感心させられた。

でも、個人的にはちょっと乗り切れない部分もあったナァ。
一つは著者の書き振りが格調高すぎて、今ひとつストレートに頭に入ってこないようなところがあったこと。
これは欧米のこういう作品には良くあるパターンで、言ってみれば僕のほうの教養の低さが問題なんだけど(笑)、正直ちょいと面倒な感じもあった。

もう一点は作品のテーマに深く関係する「数学」の部分が、数学嫌いの僕にはどーにも鬱陶しかったこと(笑)。
前半の「確率論」のあたりはさほど難しい数学問題が展開されるわけじゃないんだけど、中途半端に分かっちゃうだけに、ついそこで立ち止まってしまって、物語の流れが阻害されたようで苛立ってしまった。
後半になると、とてもじゃないが僕の数学能力では着いていけない話になってしまい、逆にソコを読み飛ばすことで、大きな物語の流れが楽しめるようになったのは、皮肉ではある。
ま、「ちゃんと読んでない」ってことでもあるんだけど(笑)。

物語のテーマは「不確定な未来(リスク)を人は予測し、管理することができるのか?」。

大きな流れとしては、「確率論」という純粋に数学的な世界(但しここには「ギャンブル」という俗な要素が大いに関係してるのだが)から始まり(変人パスカルが大いに活躍する)、自然科学で測定された理論を社会科学に当てはめようとする流れが「確率論」を大いに発展させ、未来予測に繋がる。(僕が関係している「保険」はここら辺に縁が深い)
しかし第一次世界大戦によって「自明」と思われていた多くのことが根本から変革するのを目の当たりにしたことから、不確実性・不合理性が未来を予測することの困難さを露にし、「現代」が幕を開ける。(ここでの「有名人」は、勿論ケインズだ)
第二次世界大戦後、「ゲーム理論」や「ポートフォリオ選択」が登場し、不確実性の測定・リスク管理技術の飛躍的な進化・高度化が進むが、一方で価格変動性が過去にないほどに大きくなる中で、理論と現実の乖離も露になり、価格変動性そのものを取り込んだデリバティブがコンピューターと言う新しい技術を背景に、リスク管理の主要手段として登場する。しかしこのデリバティブもまた、運用において巨額の損失を計上するような事件を喚起し、あらたなリスクを社会にもたらしたようにも思える。

「人間」を巡る「合理性」と「不合理性」の物語。
まあ目新しい話ではない。
しかしそれが「リスク」を巡って、かくも具体的に、そして壮大に描かれるとき、何らかの感銘を受けざるにはいられない。
(極めて文系的な人間の僕は「不合理頑張れ」みたいな感じで読んでたけど(笑))。

我々はおそらく完全に未来を予測することはできないであろう。
しかしながら
「彼らは皆、リスクの認識を変えることで、損失の可能性を利益機会へ、『運命』と『神による原構想』を洗練された確立に基づく将来の予測へ、そして手も足も出ない無力状態を選択可能な状態へ、と変えていった」。
確立法則や理論を機械的に応用してリスク回避が出来るというようなものではない。
ただ手探りではなく、「薄灯り」のようなものは、我々は過去の歴史の中から手にすることはできている。

・・・要はそういうことかなぁ。
今の「サブプライムローン問題」なんかを考えると、甚だ頼りない「灯り」のような気もするけどね。
使うのは所詮は「人間」というわけだ。

2008/2/14

さんまの哲学談義  雑感

「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載してた「さんまシステム」はすごく楽しく読ませてもらっていたんだけど、その最終回のこんな話が良かった。

弟子修行で掃除をしているさんまと師匠の松之助。

「師匠に、
『掃除はどうしたら楽しいか考えろ』
って言われたんですけど、そこでしたねぇ。
あの、掃除なんて、
楽しくなるわけがないんですよ。ところが、
『楽しくなることを考えてることは楽しい』。
っていうところにね、
18歳のときに気づかせていただいたのが
非常に助かりましたね」

若い社員が仕事で苦労してるときなんかは、ベタなんだけど、
「しんどいから給料が貰えるんだよ」
なんて声をかけたりしてるんだけど、ホントは松之助師匠が言ってる様にやんなきゃだめなんだよなぁ。
そしてそのことは今の自分自身の「気付き」にもなる。

う〜ん、この対談って、ホント哲学談義みたいになっちゃってたけど、面白かった。

でもさんまでも、ちゃんと弟子修行してたんだなぁ。



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