2007/12/27

雪沼とその周辺  

著者:堀江敏幸
出版:新潮文庫
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川端康成文学賞受賞!
谷崎潤一郎賞受賞!
木山捷平賞受賞!
でもって「本の雑誌が選ぶ2007年度『文庫部門』第3位」(笑)!

・・・なんだけど殆ど知らなかったナァ、「堀江敏幸」。
「どっかで聞いたことがあるんだけど」
くらいの引っ掛かりはあったんだけど、作品を読むのは初体験。
で、読後は、
「もっと早く読んどきゃ良かった」。
かなり気に入りました。

短編集なんだけど、物語としてはさほどドラマチックなものはない。
登場人物を訪れる「ある瞬間」を描きながら、その「瞬間」が何か「決定的」であるというわけではなく、またその描き方も「暗示的」な感じもあって、全てが伝わってくるわけではない。
「それでどーなるんだよ!」って思わないでもない作品もあったんだけど(笑)、全体としての世界観がいいんだよね。それに文章が静謐な感じがあって、味わい深い。
舞台は「雪沼」という架空の田舎町に設定されているけど、作品のイメージはすごく「都会的」だ。
好き嫌いはあると思うけど、(「キングとジョーカー」とは逆に)僕とは相性がいいんだろうな。

作者紹介を見ると「64年生まれ」。僕とは同世代。
「それにしちゃ、ちょっとおさまり過ぎじゃないか」
という印象もあんだけど、一方で「村上春樹」や80年代のアメリカ文学ブーム(というほどだったかどうかは分かんないけど)の影響を受けて、と考えると割と納得感がある。
逆に言うと、そこが「弱点」かもしんないな。でも読んで楽しむにはそんなことは関係ないしね。

「他の作品も読んでみたいな」と思っているところです。



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