2007/6/14

見舞い  雑感

昨日は東大病院に入院している友人を、名古屋から上京してきた友人と一緒に見舞ってきた。
3人が顔をあわせるのは僕の結婚式以来だから、3年以上経つね。
それでもすぐに昔の雰囲気になって、バカ話を繰り広げれるようになるのは、若い頃からの友人ならでは。
30分ほど話をして、名古屋に帰る新幹線の時間もあって、病院を出た。

入院している友人は来週には手術だ。
術後、自宅療養の期間が少し長いようなので、復帰は少し先になるという話をしていた。
頑張って欲しい。

早く一緒に飲めるようになるといいな。

2007/6/14

新自由主義  

・「新自由主義 その歴史的展開と現在」
著者:デヴィッド・ハーヴェイ  監訳:渡辺治
出版:作品社
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現在の世界情勢について、気鬱になりたいなら最適の一冊(笑)。
字もタップリ詰まっているしね。
「新自由主義」が現在の社会を実際に動かす経済理論として最大勢力であることは間違いないであろう。本書はその理論背景から、現実政治における「実行」までを歴史的に解説しながら、国際社会における地域的な展開にも目配りし、具体的事例を多く取り入れながら体系的に著述した、なかなかの力作だと思う。(少なくともそうでも思わなきゃ、読み通すことができない(笑))
その基本的スタンスは
「『新自由主義』には『市場が全てを決定することが善である』という理念があるが、その実行においてはこの理念を裏切ることも少なくない。これは『新自由主義』が裏に『権力階級の回復(創造)』(支配層に資本を集中させる)という目的を持っているためであり、経済成長の面ではしばしば失敗している『新自由主義』も、この面では(格差の極端な拡大という点で)成功を収めている」
というものである。

まあ言い換えれば「金持ちが自分たちの資産を増やすために、おもて面として掲げているのが『新自由主義』だ」という、何だか「陰謀史観」めいた話になる。ただ取り上げられている「事例」は作者の主張を裏付けているように見えるし、何より日本における「勝ち組」「負け組」の格差拡大は自身としても実感できるところだ。
本書には監訳者による「日本の新自由主義」という小論が収められていて、日本における「新自由主義」の展開について論じられているが、ここに指摘される日本の例外的なあり方が、「権力階級の回復」のような「持てる者の陰謀」という考えに対する違和感の原因かもしれない。
(この「日本の新自由主義」は非常に良くまとまっていて、中曽根内閣以降、「新自由主義」を強力に推進した小泉内閣を経て、「新保守主義」に分類される安倍内閣まで、日本の現代政治の流れが、「経済」という側面から整理されている。この間の「経済政策のブレ」を説明するのには、ここに指摘された視点は確かに有効だろう。
「スキャンダル」や「人間ドラマ」で見る政治も楽しいものだが、こういうシャープな切り口での政治・経済論というのは気持ちいいものである)

僕自身はここまで「新自由主義」に対して否定的にはなれない。本書でもコメントされているが、「新自由主義」(あるいは「グローバリズム」)が中国・インドにおける最貧困層の生活水準向上(わずかではあれ)に寄与している面は確かにあり、そのことを全面否認するのは「行き過ぎ」なんじゃないかな、とも思うのだ。
そういう意味では僕自身のスタンスは「新自由主義の基本的理念には賛同するが、その実行においてはセイフティネットの確保が極めて重要」というものになる。
ただ一方で「果たしてこのような『新自由主義』の修正はありえるのか?」という疑念がなくもない。
本書で安倍政権は「新自由主義」を補正する「新保守主義」政権と規定されており、事実「再チャレンジ」を掲げて、セイフティネットの構築を政権の一つの柱としている。しかしながらその実効性に疑念がもたれること、そのようなセイフティネットが「55年体制」が体現していた「埋め込まれた自由主義」(ケインズ主義)とどのように違うのか明確ではないこと等を考えると、そもそも「『新自由主義』におけるセイフティネットの重要性」などというのは理論矛盾した話でしかないの
かもしれない。
(僕は安倍政権を評価していないが、それは「戦後レジームの解体」等に代表される「新保守」の部分に対してであり、セイフティネットを重視する姿勢は悪くないと思っている。社保庁の「年金問題」だって、慌ててであれ、何であれ、「対処する」という姿勢を早期に打ち出したことは一定の評価をしてもいいんじゃないかね)

ちなみに本書では「労働勢力」(つまり「労組」ね)が肯定的に捉えられている。作者はマルクス主義者らしいから当然かもしれないが、「新自由主義」「新保守主義」に対抗する勢力として「労働者諸機関」の役割を重視しているように見えるのだ。
実際、「新自由主義」の進展の過程では「労組」を中心とする労働勢力を徹底的に攻撃し、弱体化させる側面があり、このことが対抗勢力としての「労組」のポジションを浮き彫りにしていると言えるかもしれない。(企業別労組という形態で組織化された日本の労働組織の場合、こうした「新自由主義」勢力からの攻撃を受けることはあまりない。それだけに、現在の「自治労」「日教組」攻撃は日本における「新自由主義」の伸張の証明と言えるかもしれない)
そういう意味では労組関係者には本書の「新自由主義批判」は受け入れやすいかもネ(笑)。



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