2007/6/11

生物と無生物のあいだ  

著者:福岡伸一
出版:講談社現代新書
クリックすると元のサイズで表示します

帯びには「茂木健一郎」と「内田樹」の推薦のことば。
この二人の「推薦」というのはちょっと微妙な感じだったが(笑)、内容にも興味があったので(「読み始めたら止まらない極上の科学ミステリー」というのがアオリ)読んでみることにした。

いや、これはかなり面白い本だった。
作者自身の経験を下敷きにしながら、
忘れられた「野口英世」の話から、DNAの螺旋構造発見に向けたドラマ、サーファー研究者の発見、螺旋構造発見の陰にある「疑惑」、「動的平衡」という生命の概念、
ときて、最後に自分自身の研究テーマを追いながら、細胞膜の振る舞いに見る「動的平衡」の実際について具体的かつ詳細に説明する。
その語り口はダイナミックで、確かに「読み始めたら止まらない」。

「生命とは、自己複製を行うシステムである」という生命の定義を、「生命とは動的平衡(ダイナミック・イクイリブリアム)にある流れである」という新しい生命観によって見直すというのが流れではあるのだが、そういう「概念」の説明を、発見をした研究者たちのドラマに重ねて行っているのが、作品としてのダイナミックさを生んでいるのだと思う。
ま、正直言うと、理論面では理解が追いつかない部分もあったんだけど(笑)、人間ドラマっちゅうのは、いつの世も、どの世界でも、そうそうは変わらないからね。

この作者は以前に狂牛病に関する本を書いていて(「もう牛を食べても安心か」「プリオン説はほんとうか?」)、評判になっているのは知っていながらも、「何か便乗っぽいなぁ」と思って、今まで読んでなかった。
確かに「便乗」かもしれないが(笑)、これだけの作品を書く作者だ。内容のない作品じゃないだろう。
「ちょっと読んでみようかナァ」
と今、思っているところである。



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ