2007/4/10

十番斬り、波紋  

著者:池波正太郎
出版:新潮文庫
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シリーズも十二巻、十三巻。「先が見えてきた」トコだけど、妻子が戻ってきちゃったので、「帰省のお供」とはいかなくなっちゃうから、もしかしたらペースが落ちるかも。(いや、関係ないか(笑))

「波紋」で秋山小兵衛は65歳。
江戸時代の話だから、十分「老境」に入っているし、作者自身の年齢もあってか(60歳。池波正太郎は67歳で急逝するから、「晩年」と言っていいだろう)、あるいはこの作品が書かれた頃に秋山小兵衛の「若き日」を活写した番外編「黒白」が並行して書かれていたためか、小兵衛の回顧や「老い」を感じさせる作品が多くなっているような気がする。
同門の友が巻き込まれる事件とその中で露わになる「老い」を描いた「夕紅大川橋」(「波紋」所収)などはその典型だろう。

このシリーズ、小兵衛のほかに息子の秋山大治郎も主人公の一人と言って良いのだが、こうして読み直していくと、やはり小兵衛が主人公なんだなということを再確認させられる。それだけにその「老い」を感じることは、何とはなしに寂しい気分がするものだ。
もっとも設定上は小兵衛は90歳を越える長寿となるはずなので、まだまだ「老い先」は長いんだけどね(笑)。

今回読み直して、ふと思ったのは、小兵衛の孫「小太郎」の描写が少ないこと。この時点で小太郎は満一歳になっており、可愛い盛りの孫を小兵衛は猫可愛がりしている「設定」になっているのだが、あまりそういう様子が描かれていないのだ。
まあ「乳児はまだメインの物語に絡んでこないから」ということもあるだろうが、何となく不自然な感じもする(自分が同じ年頃の子供を持ったからかも知んないけど)。
池波正太郎には子供がおらず、したがって孫もいないはず。
そういうところが関係してンのかなぁ、などと思いながら、十三巻を閉じたところである。



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