2006/12/16

ブラッカムの爆撃機  

著者:ロバート・ウェストール、訳:金原瑞人、編:宮崎駿
出版:岩波書店
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宮崎駿が「編」と、紹介マンガ(「タインマスへの旅」)を書いている短編集。僕は「アニメーション作家」としての宮崎駿よりも、「漫画家」としての宮崎駿の方を高く評価しているので(「風の谷のナウシカ」はアニメより原作マンガの方がはるかに出来が良く、「深い」)、そのマンガに惹かれて購入した(そういう点では宮崎駿と岩波書店の思惑通り、というところ。笑)

しかしこれは「拾い物」。
宮崎駿のマンガも読ませるものがあるんだが、彼が惚れ込んでいる「ロバート・ウェストール」という作者が書く作品も素晴らしい。「児童文学」の範疇に入る作品なんだが、かなり骨のある内容になっている。特に表題作の「ブラッカムの爆撃機」はとても「子供向け」とは思えない内容だ。

本書に載せられている短編は3編だから(うち1編は「自伝」のようなもの)、それを以ってウェストールという作者全体を評することはできないんだが、それでも作者が「戦争」というものに重く影響されていることは良く分かる。その根本には「反戦(嫌戦)」と分類できるような気分があるんだろうが、一方で戦場における「勇気」や「友情」と言ったものも力強い筆致で描かれており、単純な反戦ものとして片付けるには抵抗もある。(あるいはこの「複雑さ」こそが描きたかったものなのかもしれない)

宮崎駿は「自分の前を歩いている人がいる」と書いているが、確かに似たところはあるね。作品としては「紅の豚」あたりにはその気分が強く出ている。(これは作品の出来不出来とは別に、宮崎作品の中ではかなり好きな映画だ)

結構、顔も似てて笑えるんだけどね(笑)。



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