2006/10/9

狼花 新宿鮫\  

著者:大沢在昌
出版:光文社
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大沢在昌の看板シリーズ「新宿鮫」も9作目。前作から5年以上が経っているが、それだけの時間がかかったのも納得できる出来になっている。
シリーズの中で長らく鮫島の敵対者であった公安の香田と、犯罪者・仙田との決着が一気に着く作品というだけで、それなりの重みがある。
(とは言え、「毒猿」や一作目の域には達していない。残念ながら)

物語としては幾つかの不満はある。
後半の展開はやや急ぎ過ぎの感がある。ストーリーの中核となる中国人女性とやくざモノの恋愛も、ちょっとやくざのほうが「それらし過ぎ」て、安っぽい感じがする(女性が強く自立を見せる構図は好きなんだけど)。仙田の最後の行動を裏付ける「理想主義」も臭いと言えば、クサイ。
ただこのシリーズの持つ特徴、「個人の正義と、組織・社会との対立だけではなく、『警察』という組織の持つ『正義』を巡る葛藤を描く」という点は強く出ており、読ませる内容にもなっていると思う。(そういうトコが「体制派」と言われるのだが(笑))
背景となる外国人犯罪者と警察、暴力団なんかとの関係にも「絵空事」とは思えないリアリティを感じた。

本に挟み込まれていた広告のインタビューで作者は「恋人の晶の比重は薄めている」と明言している。
まあそうだろうな。
恐らく作者自身の意図を超えてこのシリーズは深みを持ってきており、その中でリアリティを増す分だけ、「ロックシンガー」という晶の存在は浮いて来ざるを得ない。
本作での晶の取り扱いは、リアリティとの関係ではギリギリのところという感じだ。

まあでも難しいのは分かるけど、何とかココを突破して欲しいなとも思う。このシリーズの1作目、確かに鮫島のキャラクターが際立っていたが、その一端には晶の存在もあったからね。晶の存在がリアリティを揺るがしているのは、厳しく言えば作者自身の力量不足だ。

「逃げるな、大沢在昌」
ってトコでしょうかね(笑)。

2006/10/9

大人の味  雑感

3連休。
初日はショッピング、二日目は上野動物園に行ったのだが、三日目は行くトコに窮して、「日比谷公園」に出かけた。

11時過ぎについて、まずは昼食ということで、久しぶりの「松本楼」へ。
「息子の食べるものがないかなぁ」とも思ったのだが(その場合はクロックムッシュでも頼むつもりだった)、案ずるより産むが易し。妻が注文した「名物」ハヤシライスを食べる、食べる(笑)。
季節メニューの「かぼちゃのクリームスープ」の方も、「早くクレ」とせがむ位だった。
決して子供向けの味付けじゃないんだが、美味しいものはオイシイっちゅうことかね。

店内は割りと小洒落た格好をした老夫婦が多く、その中で、バコバコ食べる2歳児の姿は、「罰当たり」とまでは行かなくても、生意気そのもの。
そんな高級ではないものの、場の雰囲気にはそぐわなかったかなぁ。

でも、偶には親のほうも、こういうとトコで食べたかったんだよ。



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