2005/10/29

熊から王へ カイエ・ソバージュU  

著者:中沢新一
出版:講談社選書メチエ
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僕が大学に入った頃はニュー・アカの全盛期で、その中で中沢新一の「チベットのモーツァルト」は必読本として確固たる地位を確立していた。
取りあえず「学問」をしてみたいという気分だけはあったので、早速読んでみたものの、「よく分からんなぁ」というのが正直なところ。でもって、「学問」への意欲が減退するとともに、中沢新一との付き合いも、順当にフェィドアウトしたわけである。

それが何で今更、というと、直接のキッカケは「ほぼ日刊イトイ新聞」に中沢新一が登場したこと。最近、「もう少し自分を広げるような読書もタマにはせんとなぁ」と思っていたので、若かりし日々への郷愁とともに、このシリーズに手を出す気になったのである。(「浅田彰」に行かないあたりは、「成長したかな」と思うのだが)

とは言え、「よう分からん」という感想は、実は今回も同様である(笑)。ただ、講義を本にしただけあって、語り口は取っ付き易く、色々な具体的題材も盛り込まれているので、退屈せずに読めるのは有難い。
本作には、「国家の誕生」を、神話的世界との対比の中からあぶり出し、現在の世界(=「国家」が覆う世界)が直面する危機(テロや狂牛病等)を乗り越える「知恵」を探ろうとする試みが(多分)記されているが、その実効性はともかく、大筋のラインはぼんやりと頭に入った気がする。
しかしそれを批評するだけの知識も見識も僕にはないし、体系的に自分の中に取り込み、位置づけることも全く出来ていない。従って本書を読んだことが、どう自分の中に活きてくるのかも「よう分からん」わけだ。

まあでも何か価値のある「講義」を聴いたような気分にはさせてもらった。それだけでも続きのシリーズを読む価値はあるんじゃないか、と自分を鼓舞しております。(いつになるかは不明だが)



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