久々にssです。といっても、前回のと次のとの、つなぎのお話という感じ。
観光列車が終点に着きました。お客さんたちが降りていきます。これから温泉に浸かってゆっくりしてくるのでしょう。
ジャンと、その弟子になった青年と、ロバさんも、列車から降りました。興行主さんがやってきて、ごくろうさまと言いました。
ジャンはロバさんに言いました。
「ロバさん、よい仕事をしてくれてありがとうございました。私たちはここで一晩泊まって、町にもどる列車に乗ろうと思うんですが、ロバさんはどうしますか? いっしょに町に戻ってもいいし、ここでお別れして、旅を続けてもいいし……」
ロバさんは、少し考えて答えました。
「では、私はここからまた旅をつづけようと思います。たのしい仕事をさせてくださって、どうもありがとうございました」
「そうですか。それじゃ、これがバイト代です。どうか気をつけて、よい旅を……」
ジャンからお金をもらったロバさんは、3人に別れを告げ、道を探そうと歩き出しました。するとうしろから声をかけられました。
「ロバさん、仕事はもう終わったのですか?」

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