この日は雨が降っていたが、カーネルズ・バーに機材を運びこむ時には雨は止んでいた。土曜日の夜の栄の街は結婚式の二次会だとわかる団体があちこちでみられ、賑わいを見せていた。予定よりすんなりとサウンドチェックが済んだ事もありpop popの二人は少し時間を持て余しながらライブのスタート時間を待っていた。
夜11時15分。外の天気はどしゃぶりに豹変し、街から人は消えたが、pop popのライブは始まった。お客さんの数は多くはなかったがyasakaは「今日ここに来てくれたみなさんが、他のお客さんに『なんで来なかったのー? すごく良かったんだよー』と自慢したくなるようないいライブにしたいと思います」と言った。
この日のライブのハイライトは、この日初めて演奏されたカバー曲だった。pop popはオーティス・レディングの「 I Can't Turn You Loose」を演奏した後、今をときめくUKブラックのアーティスト、エイミー・ワインハウスの「Rehab」をメドレーで繰り出したのだ。これにはそこにいたお客さんも、そして誰よりカーネルさんが驚いた。彼はこのライブの少し前、お店に遊びに来ていたyasakaにエイミー・ワインハウスの「Rehab」を聞かせて「これ、pop popでカバーしてほしいなぁ」と言っていたからだ。その「Rehab」がオーティス・レディングの曲とメドレーでつながって来るとは予想もしていなかった。
「ただそのままエイミーをやるんじゃなくて、オーティスの曲とメドレーでつなげる事で、過去から現在へのsoul musicのつながりみたいなものを伝えたかった。そして過去(オーティス)か現在(エイミー)のどちらかしか知らない人にもう片方を知ってもらえるきっかけになればいいなと思った」とyasakaはライブの後で話していた。そしてライブのアンコールでは(いつもはライブの本編でやった曲はやらないpop popだが)カーネルさんから「1stステージを見てなかった人にぜひ聞かせたい」とのリクエストで「 I Can't Turn You Loose〜Rehab」のメドレーが再演された。アンコールでのEmilyの歌はさらにテンションをあげ、客席の熱気との相乗効果でさらに熱い演奏になった。
アンコールの一番最後に「Yesterday」が演奏された後、店内はその余韻で静まりかえっていた。レコードをかけるはずのカーネルさんが一言「オレ、この後に何をかければいいの?」と言った。ひとりのお客さんが「しばらく無音でいさせて。この余韻に浸っていたい」と答えた。
[ setlist ]
-1stage-
1. Kiss Of Life
2. Just the two of us
3. Wonderful Tonight
4. Just as long as you are there
5. Wonderful world
6. You Send Me
7. De Do Do Do, De Da Da Da
8. I Can't Turn You Loose〜Rehab
9. Dancing Queen
-encore1-
Turn Me On
-2stage-
1. Lovely Day
2. You've Got A Friend
3. In My Life
4. Moon Over Bourbon Street
5. Get up, stand up
6. Breakout
7. What's going on
8. Message in a bottle
9. Let's Stay Together
-encore2-
1. I Can't Turn You Loose〜Rehab
2. To Zion
3. Yesterday

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