春の訪れが近いと感じさせる陽気の中、pop popは江南市へと車を走らせていた。
窓の外に見えるおだやかな風景を時折ながめつつ、二人は今夜のライブにどんな人たちがやってくるだろうと考えていた。初めての場所でのライブで自分たちは果たしてどれだけ受けいけられるのだろうか?「数日前に席は予約で全部うまったらしいよ」とyasaka。「うん、そうらしいね。お店のブログで知った」とEmily。まどろむ夕日に軽い眠気を感じ始めた頃に車は今日のライブ会場のMecco Cafeに到着した。
差し出されたカプチーノを飲みながら、yasakaは今夜のセットリストを考え始めた。100曲以上のカバー曲と6曲のオリジナル曲の中から20曲近くを選びだし、頭の中でそれぞれの曲を思いうかべながらジグゾーパズルのピースを埋めていくようにセットリストを組んでいく。「ライブが始まる6時半頃って外はどれくらい日が暮れてますか?」とお店の人に尋ねるyasaka。ライブの1曲目を外の日暮れの様子をイメージして決めようというわけだ。約30分後、セットリストはとりあえずできあがった。
リハーサルを数曲演奏した頃に最初のお客さんがやってきた。それからそれほど間隔をあけずにお客さんたちがやってきて、ライブの始まる15分以上前には満席状態になっていた。初めて見る顔ぶれの中に何人かpop popのファンの顔が見える。
Mecco Cafeの店内が中国茶の香りとこれから始まるライブの期待で満たされた頃にライブがスタートした。
耳なじみのある親しみやすいカバー曲を中心に組まれた演奏と全くのフリートークで行われるMCをおりまぜながら、ライブはゆるやかに進行した。初めての場所でのライブにもかかわらず、pop popの二人はリラックスしていた。Mecco Cafeにやってきたこの日のお客さんのpop popを迎える空気がことのほか穏やかだったからだろう。
のびのびとした気分で演奏されるこの日のライブは後半に進むにしたがってダイナミクスの大きい演奏になっていき、最後はその余韻を包み込むように「In My Life」のカバーでしっとりと幕を閉じようとした。しかし、その余韻に包まれた会場のあたたかくも熱い気持ちのこもったアンコールの拍手に応えて二人は「Don't Know Why」のカバーを演奏した。
ライブが終了して、家路へとむかう人たちの顔はだれもが笑顔でいっぱいだった。「ほんとに今日は来てよかった。こんな素敵なカフェでとてもいい時間を過ごせました。」と言ってもらえた事が
pop popの二人には何より嬉しい言葉だった。
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-1stage-
1. Wonderful world
2. Dancing Queen
3. Hard to say I'm sorry
4. Close To You
5. Le chat noir
6. Kiss Of Life
7. Wonderful Tonight
8. Let's Stay Together
9. Breakout
-2stage-
1. Don't think twice It's alright
2. Manic Monday
3. Yesterday
4. Don't get me wrong
5. Take it to the limit
6. No Regret
7. Change the world
8. What's going on
9. In My Life
-encore-
Don't Know Why

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