「今日は誰が来るだろうねぇ?」
「あの人は来るかなぁ?○○さんは?」
そんな話しを交わしながらpop popの二人はcestaへと向かっていた。
12月10日。
日射しは少し暖かいものの風は冷たい冬の日に
pop popは今年100回目のライブを迎えようとしていた。
実は、100回目のライブをcestaで行う事が決まった時、pop popの二人は自分たちにとって結成当初からライブを続けてきた場所で迎えらえる事を嬉しく思いつつも、ひとつ心配な事があった。それは記念すべき100回目のライブだという事を告知してしまえば、もしかしたら大勢の人がcestaに詰めかけてしまうかも知れないという事だった。
しかし、だからと言って日頃自分たちになじみのない大きな会場を借りてまで100回目を祝う事を二人は考えなかった。むしろ100回目だからこそ、自分たちらしい場所でライブをしたかった。
そこで、Yasakaはひとつの決断を下した。
「100回目のライブだという事を告知しないでやろう。
その日、どんなお客さんと一緒に100回目のライブを迎えるかはお客さんに委ねよう」と。
こうして告知なしで(そして偶然にもそれを知ったファンもpop popから口外しない事をお願いされて)
100回目のライブは行われる事になった。
そして、12月10日。
偶然にも100回目だという事を知る事ができてかけつけたファンと
何も知らさせずに日曜日の午後をpop popの音楽で過ごそうと思ってきたファンでcestaの座席は程よくうまった。
普段からさまざまな曲をカバーしているpop popだが、
この日のライブはいつも以上にバラエティに富んだ選曲だった。
ブルースの古典、ロバートジョンソンの曲から映画「タイタニック」の主題歌、クリスマススタンダード、スペイン語で歌われたJuana Molinaの曲からトーキング・ヘッズの曲....それら全てがEmilyの声とYasakaのギターアレンジによってpop popナンバーとして演奏された。その振幅と表現は明らかにこの一年の100本のライブの中で進化していった成果だった。
この日のライブの最後の曲は「Wonderful World」だった。
「素晴らしい世界を手にいれるためには、まず自分を変えて行く事から始まるんだとこの曲から改めて教わった」とYasakaは言っていた。
pop popはこれからもライブを重ねていく度に変わっていくのかも知れない。二人にとっての素晴らしい世界(音楽)のために。
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-1stage-
1. Wonderful Tonight
2. Breaking up is hard to do
3. Big Yellow Taxi
4. Crossroad Blues
5. Long Black Veil
6. My heart will go on
7. Waiting on the world to change
8. Winter Wonderland
9. In My Life
-2stage-
1. Don't think twice It's alright
2. God Only Knows
3. Kiss Of Life
4. Quiero
5. Once in a Lifetime
6. Just the two of us
7. Message in a bottle
8. What's going on
9. Wonderful world

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