ようやく入手できたナックバギーですが、ご覧のとおりのボロボロベタベタガチガチ状態^^;
早速、レストア・リフレッシュに取り掛かり、再生させましょう^^/
ボディーは紙のデカール(昔、よくありました^^;)を貼ってあり、剥がすのは容易ですが、再生は無理。
オリジナルではなさそうので、再塗装後のデザインの参考に留めます。
紙と言えど、根気よく丁寧にはがして、タミヤのパーツクリーナーで拭くと・・・ボディーの塗装が取れてきます^^;。そう、アルコール系に耐性の塗装ではないようで、もちろん、グロー燃料にもダメなはずです。
シャーシの汚れ具合に比べて、ボディーがわりときれいだったので、もしかしたら走行時には外していたのかもしれません。
ボディーは入念にクリーナースプレーとサンドペーパーをかけて、不要な穴をパテ埋めして塞ぐことにします。
シャーシは、錆が方々に出てきていますが、大きなダメージや変形はなさそうです。しかし、錆と塗装が固着すると、塗装をはがすのに一苦労です。
エンジンと前後のギアユニットはご覧の通り。油でベトベトガチガチです。ギアユニットは動きは渋いですが、固着やギアの欠けによるゴロツキなどはなさそう^^。
タイヤは、ボロボロです。よく、後輪がダメになりやすいのですが、今回は逆。後輪はダメージはありますが、耐久性は別として十分にきれいになるレベルです。前輪の右側はアウト!裂けて欠けて、しかもベトベトと融けています。今でも、ベト〜とボンドみたいです^^;。他への影響が出そうですので、廃棄やむなしです。左側は、裂けていますが、右側の様な融解は起きていません。再生を試みてみましょう^^v。
では、まずはタイヤの再生から^^。
ホイールは、ゴムタイヤに経年でくっついていたり、ボンドを使っていたりしますので、注意して剥がしていきます。幸いボンドは使っていませんでしたが、経年でところどころ癒着しています。
まずは、中性洗剤できれいに水洗いして、泥や油を取り除きます。
裂けているところは、ニードルを手に、瞬間接着剤で継ぎ合わせていきます。同時に、ひび割れのところには低粘度の瞬間接着剤を流し込んでいきます。
欠けて穴があいた所はどうしようもありませんが、根気よく、シューグーで埋めていきます。メッシュを使って、片面全面を覆ってもいいと思いますが、ロゴが消えてしまうので、部分部分に留めました。
よく乾かしたとで、ゴムスプレーを数回重ねて吹いていきます。
潰れがひどい時は、内面にカッターで切りこみを入れ、中にインナーとしてウレタンスポンジなどを詰めていきます。梱包用のクッション材などが便利です。
今回は、潰れがひどくないので、そのまま、暑い西日の当るような倉庫に置いておけば、ご覧の通り、丸く戻ります^^。
(お湯に漬けたり茹でて形を整えるのは、ゴムによくないかもしれず、やったことはありません。)
ホイールは、適時、サンドブラストをかけたり、コンパウンドで磨いたりして、袋ナットなどともにきれいにして、組み付けます。

左上から、両前輪、左前輪、裂けている部分の縫合、両後輪
左下から、穴のあいた欠損部分の修復、仕上げ後の前輪表、仕上げ後の前輪裏、仕上げ後の両後輪
一応、後輪は復活。前輪も片側はディスプレイには使えそうです。前輪は、ナックバギーのサイズは、サハリーGTXもしくはラットバギーと同一ですので、ストックから貴重な1個を回すことにします^^v
組む時の向きなどを確認しながらばらしていきます。
実際には、こまめにデジカメで写真を撮りながら進めていきます。組む時も、この写真が大切な組立図になります。
余談になりますが、デジカメは一世代前の、画像の軽い、起動・動作の素早いものを使っています。高画質だと、記録動作が重くなったり、あとで画像を処理したりするのも大変だし、メディアの容量も多く必要とするので、150〜200万画素位が丁度いいです。
実は、SANYOの動画デジカメ〜DSC-SX550と言うやつを愛用しています。起動や動作が瞬時で、ストレスなく撮れますし、画像サイズもウェブに貼るには丁度いいですし、発色もきれいです。
1秒間に30枚の連写や30フレームの動画も撮れ、何かと便利なんです。
もう、10年以上愛用しています^^。

オークションで程度のいいものを別に入手し、既存のものと一緒に先日メーカーにオーバーホールに出しました。電池蓋が割れていたので、交換してもらいましたが、この機種は、メーカー修理はもう最後になるとのことでした。これもビンテージ^^。
エンジンやギアケースをばらして、洗浄・クリーニングして、油や錆を落としていきます。
金属の油よごれは、メタルクリンαが重宝します。
エンジンは、ガチガチ固着かと思いきや、CRCを吹いてから「回れ〜」と念じつつフライホイールをじわ〜っと回すと、回っていきます。これはラッキーと、CRCを吹いてしばらくすると、無理なく回りました^^v
これだけでも、大分労力が軽減されます。
ENYA19Vですから、ベアリングが使われていないので、容易にばらせました^^。
ギアケース内のグリスは酸化して異臭がします。2次ケースにはデルリン製のギアが入っていましたが、欠けなどはなくきれいです。
錆は、CRCや真鍮ブラシ、サンドブラスト、コンパウンドなどで落としていきます。
シャーシの塗装の剥離は、困難でした。
錆で、塗装が融着していて、サンドブラストでは剥がれません。剥離剤スプレーで採れるだけ取って、後は、サンドペーパーや真鍮ブラシで根気よく剥がしていき、最後にサンドブラストで仕上げます。これに貴重なお盆のお休みを費やすこと、数日^^;
今回のレストアの山場中の山場でした^^;
サーフェーサーを吹いてから、耐グローのエンジンカラーで仕上げます。
ボディーは、できるだけ古い塗装面を剥がし、裏から全面にシューグー+グラスメッシュで補強しておきます。余分な穴をパテで埋めて処理をしてから、最後はサーフェーサーを吹いて下地を仕上げます。
シートは、デッドストックのパーツを持っていますが、カットするのがもったいない感じもして、、、。ボディーを仕上げた最後に考えます^^。
ネジはオリジナルを使えるところは使用し、痛んでいるところは、新調します。
ピッチは、0.5oです。
クラッチは、べスペルタイプですが、スプリングを使わずに、ウレタンベルトです。
さすがに、劣化していたので、製作します。2mmのウレタンベルトです。
2本の排気管を2次ギアボックスに通して、後方から排気しますが、丁度ジャストフィットの内径のアルミ管とアルミPOPナットが余っていたので、洒落っ気でマフラーカッターを作ってみました^^v
仕上がったパーツや各アッセンブリーをくみあげていきます。
一応、シャーシは出来上がりです。
新品ピカピカです^^v
もちろん、エンジンも生きています^^v
最後は、ボディーの塗装仕上げです。
ポリカではなく樹脂なので、上塗りです。厚く吹かないように注意しながら、均一に薄く塗り重ねていきます。
ボディーができたら、タイヤや、ハンドル、シフトレバー等を付けていきます。
貴重なシートも^^。
ボディーは、ウレタン塗装が強度も光沢もあっていいのですが、アサヒペン等から出ている変性シリコン式のスプレーも手軽で、強度と光沢のある塗装ができます。
数回重ね塗りをして、その後、液だれに気をつけながら、仕上げは少し厚めに吹くと、ご覧の通り、素晴らしいツヤツヤに仕上がります。
しかし、1日くらいではせっかくの光沢面に、まだ指紋がつくことがあるので、十分に乾燥させます。数日〜1週間位。
今3日目位で、ほとんどOKですが、念のため来週の週末までこのまま放置です^^。
タイヤは、まあまあ、きれいに仕上がりました。
個別に袋に入れて、乾燥しないように保存しておきます。
ボディーの塗装もしっかり乾いたので、外装品を取り付けます。
ヘッドライトとハンドルは、三共バギーのものを流用。
ダッシュボードのデカールは、ラットバギーの複製を一部流用。
ウィンドフレームは、自作です^^。四角い缶の蓋の縁を金切りばさみで5mm幅くらいに切って、形を整え、塗装します。そして、寸法に合わせたアクリル板をはめて、裏から2mm位の太さのアルミ棒をあてがい、瞬間接着剤を流して完了です^^v
やっぱり、最後までシート(ナックバギーの後ろにある袋入り)を悩みましたが、とりあえず、シートはカットと塗装をせず、今後のおまけにしておくことにしました^^;。ちょっともったいなくて・・・^^;
近々型取りして、複製品を使おうと思います。
そして、ようやく完成です^^/
いかがでしょう?
フタバ産業と実車バギーの技術者(企画技術の(株)NAC)との共同開発で、製作された、タフなバギー、Nac Buggy。販売期間も、数量も限られ、大変貴重希少な70年代のエンジンバギーの一台です。


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