地球堂模型(KNK)のジープ(Jeep)です。
発売時期は、1960年の後半で、おそらく、ラジコンカーの始まりの頃のものです。
サイズは、全長55x全幅25x全高30cmくらい。1/8位のスケールでしょうか。
未走行で展示されていただけの物のようで、40年以上という経年の重みは随所に見られますが、おそらく、このコンディションのものは、日本にも数少ないと思います。
とても希少で、日本のラジコンカーの歴史を紐解く上でも、ヒロボーのGS1/GS2とともに、すこぶる貴重なラジコン模型です。
以前より、是非コレクションに加えたく、捜し求めておりましたが、ようやく、このコーナーで紹介することが出来ました。
40年以上前のラジコンカーの始まり的存在とはいえ、構造は決してチャチなものではなく、ほぼ全て金属でできています。
ハシゴフレームにサスは板バネを設け、リアにはデフ、フロントに水冷エンジンをマウントし、ファンを内蔵した実車そのもののラジエーターを装備します。
エンジンから動力を導き、エンジンルーム後方のギアボックス内に、クラッチとブレーキを内蔵しています。クラッチは、3本の太い爪が遠心力で広がって2次フライホイールに回転を伝達するようになっています。
付属していたエンジンはENYA29の水冷式でした。
ボディーももちろんしっかりした金属製で、ボンネットはヒンジで開閉できます。
ライト点灯のギミックもあります。
幌がついていますが、生地は本物の幌用か、あるいは軍用のバッグなどに使われる、厚手のデニム素材でしょうか。さすがに糸のほころびはありますが、生地は40年以上たった今でも傷みはありません。
タイヤは、100x36という大きなサイズのバルーンタイヤ。KM製の大型スケール飛行機用のものを流用しています。表面に小さなヒビは見られますが、潰れも無く、弾力もしっかりしていて、頑強です。
付属のサーボ(スロットル・ブレーキ用とステアリング用)は、ボタン打ち式のプロポ用でしょうか、大きな機械式のものです。
残念かな、1次フライホイールと、その回転をギアボックスへ伝える為の1次ギアが欠品です。フライホイールはKNK製の50mmくらいの多きな物のようですが、1次ギアをどうするか・・・。思案のしどころです。
また、全体にサビが出ていて、こちらも含め、早急にクリーニングとレストアが必要です。
レストア日記の方でアップしてまいりますので、構造の詳細と共に、お楽しみください。
ラジコン技術 2008年12月号から新連載の、『馬庭貴彦コレクション ノスタルジック・シリーズ』の記念すべき第一話に、この地球堂模型店「R.C.JEEP」が特集されています。
上の車体構造図は、同誌からの抜粋です。
当時のラジコン技術の1972年4月号の臨時増刊号「ラジコン・カーの作り方」に、クラッチ機構などを中心に詳しく掲載されています。
また、モデルジャーナルの1978年3月号には、マニアの方の4駆への改造の紹介記事が、カラー写真で掲載紹介されています。

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