SU-122 の1/16サイズの模型ですが、ビンテージものではありません。
しかしながら、あえて、ビンテージコレクションでご紹介いたします。
この模型は、アルミ合金と真鍮、ステンレス、ゴムなどからなる、個人の製作した完全なフルスクラッチモデルです。
ビンテージ模型のレストアは、オリジナルパーツにこだわりますが、やむなき時は自作や流用も必要です。
パーツの自作には、金属加工やプラスチック複製など駆使します。
そういった意味で、フルスクラッチで模型を製作することは憧れでもあります。
SU-122は、旧ソ連軍でT-34をベースに開発され、1942年末より国営第9ウラル重機械工具製造所で生産開始された自走砲です。SU-122のプラモデルは以前タミヤさんから1/35が出ていましたが、スポット再販以降は販売されていません。
ウィキペディアの資料を要約しますと、第二次世界大戦以前のソ連軍には、機甲総局が開発担当するAT(砲兵戦車)と、砲兵総局の担当するSU(自走砲)という、二種類の火力支援用戦闘車輌の分類が存在したそうです。前者としてはT-26やBT-7の主砲を76.2mm連隊砲(榴弾砲)に換装したものが作られ、後者としてはT-26の足回りを用い、各種の大砲を搭載したSU-5やSU-6などが開発されましたが、いずれも生産数は限定的なものであったそうです。
独ソ戦の最中である1942年10月、砲兵総局は37mm高射機関砲を搭載した対空自走砲(後のZSU-37)、76.2 mm野砲を搭載した軽自走砲、中戦車ベースの122 mm榴弾砲を搭載した自走砲(後のSU-122)の開発を命じ、これに従いウラル重機械製作工場(UTMZ)と第592工場は、122 mm榴弾砲を搭載した中型自走砲の開発を始めました。そして発注以前から研究されていたため、翌11月中には早くもUTMZで試作車U-35が完成し、後にSU-122として採用されるはこびとなりました。
SU-122はその名のとおり、122mm榴弾砲M-30を搭載した自走榴弾砲です。この砲は、発射速度や砲弾初速の遅さゆえに対戦車用としてはあまり向いていないそうです。SU-122は大半がT-34シャーシから作られていますが、1944年中に作られた一部の物にはSU-100用に作られたシャーシを使った物もあるそうです。近年のロシアからの資料では最終的には1100輌ほどが製作されたといわれています(1943年8月に生産を終え、637輌の生産に留まったとする説もあるとのことです)。
さて、このフルスクラッチのSU-122は、Pipo Laboにご好意のAroma Orangeさんからお譲りいただいたものです。
実車にはその外装に色々なバリエーションもあったようですが、このモデルは、1/16のビッグスケールになります。資料をもとに、真鍮やアルミ合金を削り出し、極小のヒンジにいたるまで、一つ一つのパーツ(58ユニットのパーツ構成、パーツ総数350以上)が正確にそして丹念に作られ、SU-122の特徴やディテールを素晴しく再現しています。
製作者のAroma Orangeさんは、海外の1/6や1/8クラスの大型RCモデルも多数御所有されていますが、自ら製作したいという夢を実現された、まさに匠の粋と根気の大作です。
それゆえ、日々眺めつつも、模型を愛する心と造る喜びを分かち合えるべく、Pipo Labo の貴重なお宝でもあります。
このフルスクラッチモデルは、もちろんRC化もそのコンセプトに織り込んで造られていますので、ぜひともRC化にこだわりたい模型です。
RC化に大切な、ギアボックスを用意しました。
本体に勝るとも劣らず、素晴らしい精度とクオリティーのワンメイクものです。
さすがです。
このギアユニットは、実車の駆動能力のスケールも考慮したもので、平地速度(室内)2km/h、登坂37度、登坂速度1.4km/h、登坂静止限界角度22度(車重5.7kg)というデータだそうです。
ギアードモーターは工業用12Vですので、おいおい、流用できるスピコンを調達ましょう。
できれば、サウンドユニットも探してみましょう。
Aroma Orangeさんのホームページ(金属製 戦車模型をつくろう。
http://aromaorange.web.fc2.com/index.html )とはリンクを貼っております。
さらに詳しく紹介されておりますので、ぜひご覧の上、応援して頂きますよう、よろしくお願いいたします。

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