「正坐」=きちんと座る ですよね
なんでこんな事を書くかと言うと
実は、前回のお題である「黙想」について調べている途中で
日本人の「座り方」について書かれている本を見つけて
読んでみました
すると 私の中にあった「正坐」の印象ががらりと変わってしまったからです
私は今まで「正坐」は古来日本人が伝承してきた坐り方だと思っていたんです
ところが、この本によると多くの人々が「正坐」で座るようになったのは
明治の後期から大正時代にかけてと書かれているではありませんか
じゃ!それ以前の時代ではどんな座り方をしていたのか
ヒントはNHKの大河ドラマの中にあります
今、放映されている「江」は、安土桃山時代から江戸の初期にかけてのお話
よーくドラマを見ていて下さい 位の高い武士は「正坐」してません
「胡坐」や「安坐」で畳に座っています
家来衆は、いっけん正坐に見えますがよく見ると足首をお尻の下で立てています
これは「踵坐」と言い 直ぐに立ち上がれるための座り方と思われます
武士が「正坐」(この頃は端正に座るから「端坐」と言われた)で坐るようになったのは
徳川二代将軍秀忠の頃らしい
(二代将軍が正坐を取り入れたのには理由が有るんですが長くなるので書きません)
秀忠と言えば今の大河ドラマの主役である「江」の夫
もしかしたら、途中から武士が「正坐」で座るようになるかもしれませんね
ただ、武士が正坐で座る様になっても
庶民がそうなるまでにはかなりの時間がかかったと本にありました
一般的ではなかったんですね
日本人が正坐をする様になったのはどうやら「明治政府」と「義務教育」と言うものが
深くかかわっているみたいです
我々も小学校で何かにつけ「これが正しい何々の仕方です」と教わった記憶があります
明治の後期に学校では正しい座り方=正坐とおしえていたらしいです
その教育方針が、明治以降の我々の先祖に受け継がれて
今の我々の中に有る「正坐」に対する印象を作り上げたんですね
正坐が一番新しい座り方だったなんて意外でした
本当はもっと色々な「へ〜え」が書かれていますが
これ以上は私も上手く書けないので興味がある方は
「日本人の坐り方」を読んでみては如何でしょうか
文庫本サイズで190頁くらいの本なので手軽に読めますから
追伸
剣道ではなぜ正坐なのか、剣道の黙想は「坐禅」から来ているのに
何故、坐禅の座り方ではないのか
その答えは、幕末の一刀流の先生方や小笠原流礼法がどうやら鍵を握っているらしい
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