先日の稽古後こんな質問を受けました
武士道48さんの竹刀袋に書いてある「守破離」ていう言葉
色々な試合場で見かけるけど、いったいどういう意味なの
あの時は、稽古後のアドレナリン全開状態でお答えしたため言葉が上手く思い浮かばず
どうも上手く伝えられなかった気がしたので調べてみました
ざっくり言えば、物事を修得するための稽古・修錬に関する教えで
私が、一番最初に教えられた言葉であり一生を通して守るべきとても重要な教えだと思います
ではもう少し詳しく
まずはこの言葉の語源をたどると
室町幕府の三代将軍足利義満の時代の能楽師の「世阿弥」が書いた能楽の指南書「風姿花伝」にある「序破急」に根底があるといわれています
ただこの「序破急」の中には明確に「守破離」の文字はないそうで
あくまで「守・破・離」の理念があると言われています。
その後、この書に感銘を受けた安土桃山時代の茶人である「千利休」が自身の茶道の修行に当てはめて歌を読みました
「規矩作法守り尽くして破るとも離るるとても本ぞ忘るな」
まだ続きます!
さらにその後
江戸時代の茶人である「川上不白」が「わび茶」を大成させた千利休の修行観を
自身の書である「茶話集」や「不白筆記」の中で「守・破・離」と書いて表現をしたと
いわれているみたいです
やっと出てきました!
剣道に関係が深そうな人物では、北辰一刀流の流祖である千葉周作が稽古とは何かを説いた「剣法秘訣」の中でこう書いています
守破離といふことあり。守はまもるをいふて、その流の趣意を守ることにて、一刀流なれば下段星眼、無念流なれば平星眼にてつかひ、その流派の構へを崩さず、敵を攻め打つをいうなり。
破はやぶるといふて、左様の趣意になじまず、その処を一段破り、修業すべきとのことなり。
離ははなるるといふて、右守破の意味も離れ、無念無想の場にて、一段も二段も立ちたる処にて、この上なき処なり。右守破離の字義、よくよく味はひ修業修業肝要なり。
そのままの言葉なので少し難しいです
以上色々と調べてみて私なりにまとめてみました
「守・破・離」とは物事を修錬するにあたっての修行の段階を表していてとても重要な教えである
守:ひたすら師の教えを守りよく師の話を聞き、師の行動を見習って、師の全てを自分のものとし習得できたと感じるまで、師の指導をただひたすら繰り返す
破:師に習い基本をしっかりと身につけた後、自分の考えや工夫を修行に取り入れて、師の教えから一歩進み、自身の個性を生かす段階
離:師のもとを離れ「破」をさらに前進させて独自の道を確立させる「道」を学ぶ者全ての理想の段階
今度は上手く伝わったでしょうか?