昨日、小学校に行ってkentaが抱えている問題の根の深さについて、今までためていたものを全部出してきました。あー、すっきり。
まとめると、問題は3つある。
1.友達関係がうまくいっていない。
2.授業の進め方が「できる子供」に焦点が合っている。
3.保護者の考え方が、何かずれている。
1については、すごく悪い子がいて、いつも人のものを盗むのだ。
それでいて、人のうちに遊びに行って自分が忘れ物をすると電話をかけてきて「おい、おれの○○をお前盗んだだろ、返せよ」と問い詰める。
何度もそれをやられたので、親同士話し合って、その子を家には上げないことになっているのだが。
外で遊ぶようになれば、流行のトレーディングカードを
「お、これいいな。」といって取り上げ、自分のデッキに混ぜてしまい、「これは俺のだぜ、何で返さなきゃいけないんだ?」と堂々と盗んでしまう。
さすがにカードに関しては何十枚何百枚と持っているから親も管理ができず、「もって出るな」というしかない。
いじめもすごいしね。
1に関しては3の事も関係している。
kentaの通う学校は公立の小学校ではあるが、校長を公募して文科省からいろいろな教育関係の指定を受けている。だから、カリキュラムには特徴があって、そのカリキュラムの効果を見るために学区外から児童を受け入れている。
もともとは校区内の児童だけでは廃校になりそうだったのを盛り返すために取った方法なのだが、選ばれた校長が教育界では結構有名なため、入学や転校を希望する親が増えたのだ。
最初はその校長の進めるカリキュラムでどんなレベルの子供も勉強意欲がわき、基礎学力が上がるということだった。
それなのに、「あの先生がいる学校に行けば、有名私立に合格できる」というような「勘違い」をする親が子供を入れるから、もともと校区内の保護者や自分の出身小学校の卒業生にさせたいと入れた保護者との間でずれが生じてきた。
これが、ひいては校区外から抽選で入った子供たちが
「自分たちは選ばれた人間なんだ」という思いに変わっていき、例えば地元の中学にそのまま進学する子供たちに対する見下した態度へと変わっているのだ。
それが、いろいろな形で「いじめ」になり人間関係にひずみが生じている。
まぁ、その流れで行くと、2の授業の進め方にも関わってくる。
モデル学校であり、文科省の指定学校ということもあって、いわゆる教育産業が自分たちの新製品などを試してもらいたくて、無償でいろいろな教材を持ってくる。
確かに一時は子供たちの興味も引くが、うまく使っていかなければ「ついていけない子供」や、「アナログ傾向の子供」はついていけなくなるリスクも大きい。
kentaはおっとりしているので、機械やPCを駆使した授業ではついていけなくなる。よくパソコンで自分のペースで勉強できますなどというキャッチフレーズで売り込みにこられた教材でも、授業で一斉に使われては自分のペースもあったものではない。
こんなこともあって、本来ならば子供が楽しく学習をする習慣をつけ、基礎学力を上げることが目的だったはずなのに、取り残されたと感じたkentaは「俺は勉強ができないからバカだ」と頻繁に言うようになった。
それが、いわゆる勉強ができる受験組みの子供たちから「できない子」のレッテルを貼られ余計にバカにされているように感じ、自分を認めてもらえないと感じているようなのだ。
そのほかにも家庭の中での関係とかいろいろあるのだが、ひとつホッとしたのは「学校へ行けない子供」の為に教育委員会のほうで受け入れ体制があるということだ。asakoに関してもその受け入れてくれる「指導教室」への通室を勧められて実際に行ってみたが、子供を主体に考えてくれるのでいいなと思った。asakoもそこへなら通ってみたいというので自分のペースで通わせることにした。
その指導教室に出席すると自動的に在籍校の出席になるので、もし全然学校へは出なくてもその教室に通っていれば出席日数は足りているということになるのだ。それで、そこで卒業証書も受け取れるのだ。
とりあえずは二人をそこに通わせることにした。ただ、本人達が行きたいと思えば行けばいいし、行きたくない時は行かなくてもいいよとしてあげるつもりだ。
いい意味での「逃げ道」も必要なのだ。
それに加えて安心したのが、教育委員会に知り合いがいて、個人的にも相談に乗りますよといってもらえたことだ。
彼の父と私の父が仲良しなので、付き合いがあったし、それに彼も自分の子供の不登校でずいぶん悩んだから助けになると思うといってもらえたのだ。
やはり同じ痛みを感じた人の力添えはより力があるし、それだけでも安心できるなと思った。
あとは授業の進め方と保護者の考え方のずれについて、直接校長と話をする。
これができるのは私が教育現場にいるし、その学校の保護者でもあるし、卒業生でもあるからこそ言えるのだと思っている。
さぁ、またがんばるぞ。

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