うちの中2のkotaが女の子と言い争いをしてきた。
原因は過日のネチケット問題だ。
事の始まりは、その女の子(A子さん)が欠席した日に、kotaが言った一言だった。
A子はあまり学校に来ていない。不登校というより「さぼり」なのだ。彼女が言うには不良グループと仲良くしていて、スナックでも働いたことがあるし、男はいっぱいいるし、「あたしにはむかったら、3倍返しになると思っときな!!」といえるだけのバックがあるんだそうな。
まぁ、そんな彼女のことをkotaはよく思っていなかった。
それで、ネチケット問題がホームルームにかけられ、一段落した後日のホームルームでのこと、kotaが友達とこんな会話を交わした。
kota「おい、A子今日いないな。」
B君「休みらしいぞ、例のごとく」
kota「どうせまた男と遊び歩いてるんだろうよ」
これがいけなかった。おまけにその言い方がはき捨てるように虚勢を張っていったから、なおのこといけなかった。 まったく、バカ息子。
それを誰かがA子に伝えたのだろう。
彼女がこう言って来たそうだ。
「あんたさぁ、匿名で悪口メール送られたとか、チャットで悪口言われたから、へこんでて、そんなことするのは卑怯だとか行ってるくせに、あたしがいない時に、あたしの悪口言うなんて矛盾してんだよ!馬鹿野郎!」
kotaはこれでまた「敵」が増えたと思ったそうだ。
でも、ここまでのことは正直に私に話してくれたから、二人で話し合った。そして、「それは、欠席裁判のように休んでいる人の悪口をそれも憶測で言ったあんたが悪い。A子にちゃんと謝んなさい。ただ、当人同士だとまた売り言葉に買い言葉になるから、先生に間に立ってもらうよう頼むからね。ちゃんと謝るんだよ。」
kotaは勢い余っていってしまった事を反省して謝る決心をした。
次の日、担任の先生と連絡を取った。
事のいきさつを話して、本人が謝るつもりなので、よろしくお願いしますと頼むと、こんなことを先生が話してくれた。
「いやぁ、実はね、あのメールとチャットの事件をクラスで話し合った時、kotaがへこんで休んだことを一番心配したのはA子だったんですよ。話し合いが終わった後もね、「先生、kota大丈夫かなぁ、明日は学校に来るかなぁ。」とわざわざ私のところに来たんですよ。あの子も不良がバックにいるなど強がる悪いところがあるんですけど、いつも自分が悪口を言われて腹立てていることを、kotaがされたということで、悔しさが分かるんでしょうな。ずいぶん心配してくれたんですよ。
ま、A子に謝れるよう私が間に立ちますんで、ご心配なく。」
このことをkotaに伝えた。かなり驚いていた。いままで、「不良」と思っていたクラスメイトが自分を心配していたことに。それを知って、「矛盾してる!」と責められた訳に納得した。
過日のネチケット問題で相手の顔が見えないことの不安を感じた。そして人間同士相対することの大切さを痛感した。その大切さを、またA子の「心配してくれた心遣い」でまたまた感じた。
見かけや、切り取られたある一部分の時間や発言だけでは、その人の思いは決して正しく伝わらないのだと。
メールやチャット、ホームページやブログ、色々便利にはなってきているけれど、やはり人間同士、暖かなつながりが必要なのだ。上手にコミュニケーションが取れるように上手に利用し、大切にしていこう。もちろん、生身の人間とのコミュニケーションは大切に大切にしていきたい。
A子さん(きっと、根っこは優しくていい子なんだよ)が見せてくれた「不良少女の良心」(こんな言い方変かもしれないけど)に、感謝しよう。


0