2011/1/9  0:17 | 投稿者: おるん

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注)本文中にある名称は実在の物・人・団体とはなんら関係ありません。
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◇◆◇10.夜中に

「う…。」
頭痛い…。…ここ、どこ?私、何してたんだったっけ??
ベッドの横のテーブルにミネラルウォーターのペットボトルとガラスコップが置いてあって、書き置きしてあった。
『起きたら水を飲みなさい。』
あぁ、そうか、私、先生とお酒を飲んだんだった…。
ひとまずコップに水を注いで飲む。少しぬるくなった水でもひんやり喉を冷やした。
暖房の効いた部屋。照明は暗く落とされていて、サイドテーブルのスタンドだけがほんのり灯っている。
先生はどこに?
ベッドから下りて、ふかふかの絨毯の上を歩く。
部屋の奥にあるソファに先生が腕組みしながら腰掛けていて、別の椅子に脚を乗せて眠っていた。
ホテルの部屋着を着ているから、きっとシャワーを浴びたんだ。
ベッドで寝ればいいのに…。…ダブルベッド、そうか気を遣ってこんなところで。
「せんせ…。」
あ、そういえば、先生は止めろと言っていたっけ。
「司さん…。」
先生の顔を覗き込む。部屋が暗いけどわかる長い睫毛。見れば見るほど、やっぱり端整な顔立ち。
乾いた前髪がサラサラしてそうに見える。
そっと手を伸ばして、額に掛かった前髪を退ける。髪を耳に掛け、そのまま頬を触る。
男の人の顔…。駿以外で初めて触ったかも。駿はもう少し華奢でやわらかくて子供っぽいけど、先生はやっぱり大人だ。
「司さん、風邪引くよ…。」
耳元でそう囁いた。すぐに先生の頬に唇が触れそうな距離。そっと先生の唇に自分の唇を近づける。
先生が起きなかったら、キスしてやろう…。先生、起きないのかな…?
ドキドキしながら、先生の唇に自分の唇を付けた。
音もなく、ただ先生の吐息が私に掛かる。
先生は起きなかった。起きて、私をどうにかしてくれることを少し期待したのに。

先生が起きそうにないので、軽くシャワーを浴びることにした。
上がってきても先生はまだその姿勢のままだった。
もう一度先生の顔を覗き込んだ。
「…ん?」
先生が目を開けた。
「ひかり、ちゃんと髪を乾かさないと風邪引くよ。」
そう言って優しく微笑んだ。頭からバスタオルを被っているのに…。下を見ると私の髪から雫が落ちていた。
「はい…。司さんもそんなところで寝てたら風邪引くよ。ベッドで寝たらいいのに。」
「あなたと一緒のベッドに入って、間違いが起きてしまっては困りますから。」
「間違いって…。」
「俺も男だし、君は女だ。しかも魅力的なね。襲わない自信がないな。」
「間違いなんかじゃない…。私…。」
「いいの?そんなこと言って。」
「…。」
「俺が君のコトを好きとは限らないよ?」
「わ、私は、ホントは…、先生がずっと好きだった…。だから、いいの。」
「ふふ。ひかりはかわいいね。」
そう言って先生がくしゃくしゃっとタオルで私の髪を拭く。
「先生…。」
「先生は止めてって…。」
「つかささ…」
そのまま先生が私の頭を引き寄せてキスをした。
「ほら、髪を乾かしておいで。」

髪を乾かし終わって戻ってくると、先生がベッドの中に入っていた。
「さあ、おいで。」
そう言って私をベッドに促す。ドキドキしながらベッドに入った。
でも結局先生は何もせず、ただ私に腕枕をしてくれただけだった。

翌朝、一緒に朝食を食べ、電車に乗って家の近くまで送ってくれた。

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1.よく当たる占い
<9.ホテルバー 11.墓参り>
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2011/1/5  1:25 | 投稿者: おるん

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◇◆◇9.ホテルバー

彼女を連れて駅まで歩き、電車に乗ってターミナル駅に出た。
日が暮れるまで駅前のカフェで時間をつぶした後、行きつけのバーまで行く。
繁華街の少し奥まったところにあるビルの地下に入っている。
「あ、なんだよ、臨時休業って…。」
しまったと前髪を掻き上げてくしゃっとした。
そんな俺を見て、彼女が笑う。
「先生の地の話し方、初めて聞いたかも。」
「ん?ああ、そうですね。学校では丁寧に話すように心掛けていますから。」
「どうするの?」
「仕方ありませんね。行きつけというほどではないですが、夜景が綺麗なバーに行きますか…。」
彼女の服装はそれほどドレスアップしたものではなかったけれど、カジュアルすぎるわけでもないし大丈夫だろう。

近くのホテルの最上階。
「こちらでいかがですか?お姫様。」
彼女をエスコートしながらおどけて言った。
「ぷっ、あはは、先生ってば。…でも、ステキ…。」
「でしょう?」
「学生ではまず来ないもんね、こんなところ。先生、いろんな人を連れてきてるでしょ?」
「…まぁ、ご想像にお任せしますよ。」
「高いんだろうなぁ…。」
「それなりにはね。相葉さんが酒豪なら困りますが、普通に飲む分くらいは持ってますから。」

カウンターに二人並んで座る。ピアノの生演奏が心地良い。
つまみを少し頼み、お酒を選ぶ。
「相葉さんは、ワインは平気ですか?」
「はい。」
「そうですか。じゃあ、まずはシャンパンから行きましょうか。」
シャンパンが注がれたグラスを持った。
乾杯とグラスをそっと合わせる。ガラスの透き通った音がした。
「あ。」
彼女はグラスに入ったシャンパンを一気に飲み干した。
「先生、これ、凄く美味しい。」
「相葉さん、そんなに一気に飲んだら、酔いが回ってしまいますよ。」
「多分、大丈夫!」
「それに、バーテンさんに変な目で見られてしまいますから、ここでは先生は止めてください。」
「なんて呼べばいいのよ?」
「…綾川さんとか…司さんとか…。」
「じゃあ、司さんね。…私のコトを相葉さんと呼ぶのも止めてよ。」
「なんと呼べばいいですか?」
「ひかりって呼んで。」
「呼び捨てですか?」
「年下にさん付けもおかしいでしょ?ちゃん付けは子供っぽくてイヤ。」
いざ、教え子を名前で呼ぶとなると流石に照れる。
それなりにこういう所に来る経験は積んできたと思うけれど、教え子とは初めてだ。
まぁ、今日だけは恋人気分かな…。

初めてのバーでお酒が入って気分が良くなっているのか、彼女は大学の事や弟の事などを話してくれた。
大学では、周りの女友達にはみんな彼氏が居るけれど、自分はモテないから居ないんだと言っていた。
なんだかわかるような気がする。
彼女は元気で可愛らしい女の子だけど、男子学生には多分君は強すぎるんだろう。
きっと、内側は普通の女の子なのに、しっかりしすぎていて、なんでもこなしてしまうから。
弟もあんなに可愛らしいのに、なぜ彼女が居ないのか不思議だと。
転校生の女の子が好きだったけれど、気が付いたら他の男子に取られていたと。
多分、谷本さんのことだ。確かに彼女は可愛いけれど、ここまでモテるとは思っていなかったので驚いた。

「ひかり、ちょっとペースが速すぎですよ。歩けなくなりますよ。」
「大丈夫だって…。」
既にフラフラしているようで、しまったと思う。本当にこういう場所に慣れていないんだ。
雰囲気に飲まれて、飲みすぎている。
そのうち、空になったグラスをそのままに、俺に寄り掛かって眠ってしまった。
「ひかり、起きて…。ほら、家に帰らないと叱られますよ。」
「いい…。今日は帰らない。先生と一緒に居る…。」
先生って呼ぶなって言ったのに、仕方がないコだ。
「俺だって男なんだぞ…。」

結局階下に部屋を取り、彼女を支えながらなんとか歩かせて部屋に入る。
ダブルベッドの上に彼女を寝かせる。
「はぁ。」
あどけない寝顔で寝息を立てている。
最初からそのつもりで来ていたのなら遠慮なく、というところだが、そういう訳にもいかない。
彼女の傍らに腰掛けて、彼女の寝顔を覘く。
「かわいいなぁ、もう。」
頬をつついたけれど、彼女は一向に起きる気配がない。

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1.よく当たる占い
<8.新しいスタート 10.夜中に>
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