2013/2/10  2:12 | 投稿者: おるん

---------------------------------------------
注)本文中にある名称は実在の物・人・団体とはなんら関係ありません。
 ウェブカレはリンクシンク社のSNSサービス名です。
 小説内の設定は必ずしもウェブカレ公式設定と同じではありません。
---------------------------------------------

◇◆◇薫君激怒<R18>

十年後のプロポーズの約束をしてから、早一ヶ月。
別々の大学に通い、新入生として慌しい毎日を過ごしていたが、それも段々慣れてきた。

とはいえ、俺と一緒に居ない時間、彼女が誰とどんなことをしているのかが少しは気になる。
変なオトコに掴まっていないかとか。

今日はサークルの新歓だと言っていた。
未成年なんだぞ、酒なんか飲むなよ、と釘は刺しておいたが、どうなることやら。

十時を過ぎたが、メールはまだない。
やきもきして仕方がない。早く帰って来い!!

◇◆◇

友達に誘われて入ったテニスサークル。
あんまり興味なかったんだけど、新歓コンパにもつき合わされちゃって。
薫君、機嫌悪そうだったしなー、早く帰りたいよ。

「谷本さん、飲んでる?」
「え?えぇ。ジンジャーエールを…。」
「そんなの飲んだうちに入らないって!ほらほら!」
「え、でも、困ります!」
「ジュースと変わらないから、大丈夫だよ!」

そういって、先輩が私にカクテルを持たせる。
渋々飲んでみたが、甘くて、ホントにジュースみたい。

そろそろ帰らなきゃ…と思って立ち上がろうとしたら、ふらふらして真っ直ぐ立てない。
「あれ??あれれ??」
「谷本さん、どうしたの?」
「い、いえ、思った以上にお酒が回っちゃって。」
「大丈夫?俺が車で家まで送ってあげようか?」
「え、でも、先輩も飲んでるんじゃ…?」
「ははっ。車で来てるんだから飲めないよ、安心して。」
「いや、でも、私、自分で帰れますから!」
「その状態じゃ帰れないと思うよ?」

そこに友達がやってきて、
「サクラ、送ってもらいなよ!私も別の先輩に送ってもらうから!」
「え?そうなの??」
「ほらほら、谷本さん、気にすることないから、俺の車に乗っていきなよ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて…」

居酒屋を先輩に支えられながら出て、彼の車の助手席に乗った。

「谷本さん、家はどの辺り?」
「板橋の方なんですけど…」
「ふぅん、実家なの?」
「いえ、今は一人暮らしです…」
「君、可愛いよね?彼氏とか居るのかな?」
「え?あ、その…居ますよ。高校の同級生なんです。」
「へぇ…でも大学は離れちゃったんだね。寂しいんじゃない?」
「そ、そんなことないですよ。彼も近くに住んでるんで。」

そんな押し問答の中、一向に車を出す気配がない。

「あ、あの、送ってもらえるんですか?」
「うん。送ってあげるよ?君の部屋に上げてくれるなら。」
「え?やだ、冗談ですよね?」
「いや、なんならホテルに直行でも良いんだけど?」
「先輩、私みたいなのを相手にするより、もっと可愛い人が居たじゃないですかー!あはははは…」
「冗談ではないんだけどなぁ」

先輩が私の手を握ってキスしてきた。

「!!! や、やめて!!」
「車に乗っといて、本気で何も起こらないと思ってたの?」
「は、はなして!!」

だ、だめだ!酔って力が入らない。
でもこのままだと、確実にヤられる。

「…いい加減にさらせやコラァ!おとなししとると思て、調子こくなや、このボケがぁ!!」
ゲンコツをコメカミに一発食らわせて、車から転げるようにして降りた。
早く逃げないと、追いつかれたら何されるか分からない。

酔ってヘロヘロになりながら、ヒールを手に持って走って逃げる。
しばらく走ったところで、どうにもこうにも気持ち悪くてへたり込んだ。

ブーンブーンと携帯のバイブ音がする。
電話に出ると、薫君だった。

「桜?もう家に帰ったか?今どこに居るんだ?」
「んー、まだ渋谷に居る…」
「え?何してるんだよ。もう終電なくなるぞ?」
「き、気持ち悪い…」
「えぇ?酒飲んだのか?バカだな!」
「バカバカ言わないでよ…分かってるから。」
「動けるか?とりあえず、電車に乗れ!」
「うーん、だめ、動けない。」
「あぁ!もう!仕方ないな!…何が見える?」
「場所?大学の近くの神社の影に居る」
「…なんでそんな所に?」
「あの…ちょっと襲われそうになっちゃって走って逃げてきたところなんだよね…」
「バカ!!絶対、そこ、動くなよ!!」

◇◆◇

かれこれ三十分くらい経っただろうか?
先輩らしき人も見かけないし、酔いも醒めてきた。
ただ、もう確実に終電の時間は過ぎたけど。
薫君…。

「こらっ!」
「わっ!!!」

肩を叩かれて心臓が跳ね上がった。
顔をあげると、息を切らした薫君が立っていた。

「か、薫君!」
「君ってヤツは…頼むから、心配させないでくれ。」
「ご、ごめんなさい。」
「謝って済むか!…ほら、帰るぞ。」

そういって、私の手を引いて、大通りに出て、タクシーを拾った。

「薫君、ありがとう。」
「……」

部屋の鍵を解いてドアを開ける。
私の背後に居る薫君がドアの端を掴んだ。

「え?」
「今日は帰らないからな。俺の気がすまない。」

そのまま私の背中を押して、部屋の中になだれ込んだ。

「薫君、頭痛い…」
「水を飲んでないのか?アルコールというものはだな、加水分解するんだ。それを水を飲まないなんて。
今まで何のために化学の勉強をしていたんだ?」
「あぁ、もう、そんなの覚えてないよ!」

部屋の椅子に鞄を置いてベッドに転がる。
薫君がキッチンでコップに水を汲んで持ってきた。

「ほら。」
「ありがとう。」

薫君は飲み終えたコップを私から受け取ると、背後のテーブルの上に置いた。
そして私の肩を掴むと、ベッドの上に押し倒す。

「薫君…?」

彼は無言で私にキスをし、首筋に唇を這わしたが、ピタと動きが止まる。

「お前、酒臭いしタバコ臭い。シャワー浴びてこい。」

ムスっとした顔でそういうと、起き上がってテーブルのコップを持ってキッチンへ行ってしまった。

…薫君が私のことを『お前』って言った。

彼の背後をすり抜けて浴室に入る。
やっぱり、お風呂から上がったら、そういうつもりなのかな…?
いやいや、案外、ベッドで寝ているかもしれないし。
そうだよ、添い寝するだけだよ。うん。

浴室から出て部屋着を着る。
疲れて眠くなってきたし、早く眠りたい。
部屋の明かりも暗くなっていて、静かだ。
薫君も寝ちゃったんだろう。

そっとベッドに近づくと、急に手を引かれた。
「きゃっ」
「なんだ、裸のままでよかったのに。」
「やだもう!」

ベッドの上に座っている薫君に抱きつく格好になった。
私のコトなんかお構いなしで部屋着を脱がしにかかる。

「ちょっと、やめてよ!」

その言葉を言い終わるよりも前に薫君が私をベッドの上に倒して腕を押さえつける。

「お前が、ノコノコと他の男の車になんか乗るからだ。
どういう目に遭うか教えてやる。」

薫君…!!
痛い、やめて!

言いたくても言えなくて、ひたすら我慢する。

薫君が怒ってる。
いつもは私のコトを『桜』って名前で呼ぶか、『君』って呼ぶのに。
今日は『お前』って呼ぶ。

いつもは私に優しく触るのに、今日はちょっと乱暴だ。
貪るようにして私の体を弄る。

彼の荒い息遣いだけが部屋に響く。
私は歯を食いしばりながら泣くのを我慢していた。

おもむろに私の脚を広げて入ってくる。

「いっ!」

余りの痛さに堪えきれず声をあげてしまった。

「…やはり多少は濡らさないと痛いか。まあいい。しばらく我慢すれば濡れてくるだろう。」

更に強く腰を打ち付けてくる。
揺れに呼応して声が漏れる。

「はっ…あっ…ん……」
「なんだ?無理矢理犯られて感じるのか?
お前、他の男ともこうやって簡単に繋がって、良がってるんじゃないだろうな?」
「違う…、私、そんなことしないよ……」

涙が溢れる。
そんな私に嫌気が差したのか、薫君はさっさと自分だけ果てて、ベッドから立ち上がった。

「男なんか皆、女とヤるコトしか考えてないんだから、気を付けろ。」
「………」
「痛くしてすまない。」

服を手早く着たと思ったら、放心状態の私の頬にそっとキスを落として部屋から出ていった。

「桜、おやすみ。」


-終-
1




AutoPage最新お知らせ