2015/10/12  5:24 | 投稿者: おるん

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#この物語はフィクションであり、
登場する人物・施設・団体は実在のものとは何ら関係ありません。
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◆◇◆9.受験◆◇◆

いよいよ2月14日。受験の日だ。
受験に向かう前に家の前であっちゃんに会う。

「あっちゃん、おはよ。」
「おはよ。」
「これ、あげる。帰ってから食べてな。」

握っている手を差し出したら、あっちゃんが手のひらを出したので、握った手から落とす。

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「…チロルチョコ?」
「だって、作る暇もなかったし、あんまり大きなチョコやったら持って行くのも大変やろ?」
「ははは、そやな。ちょっと運貰えた気がする。頑張るわ。」
「うん。私も頑張る。」
「じゃあな。」
「うん。」

◆◇◆

試験開始のチャイムが鳴る。
一斉にパラパラと問題用紙をひっくり返す音が響く。
最初の試験は国語。
黙々と問題を解く。古典のヤマも当たって順調だ。
試験終了の5分前には問題が解き終わった。
最後の確認を行う。
受験番号、名前。確認OK。

次の試験が数学で、最後が英語。

苦手な英語。ぎりぎりまで単語の暗記を頑張ったから、大丈夫なはず。
緊張しているのか、頭がボーっとする。
なんとなく、手に力が入らなくて、文字が書きづらい。
問題用紙が何枚もあって、問題を読むだけで一苦労だ。

なんとか最後まで問題を読んだけど、難しくて分からない。
もしかしたら当たるかもしれないと思って、とりあえず、どの解答欄も埋める。
最後の最後まで粘って、なんとか全部の欄を埋めることができた。
チャイムが鳴って、問題用紙と解答用紙が回収される。
受験番号と名前も忘れてない。

面接の頃には、体ががくがく震えだした。

(面接、緊張するなぁ。それにしてもこんなに体が震えるほど緊張するって初めてかも。)

震える体を抑えるのに必死で、聞かれている内容がよくわからない。なんとか受け答えして乗り切った。

面接が終わっても止まらない震え。
それもそのはず、帰宅して体温を計ると39.6℃の熱があった。

◆◇◆

あれから一週間。
三日三晩、高熱が続き、救急搬送されてそのまま入院した。
原因は結局わからず終いだったけど、普段しなかった勉強を頑張ったから知恵熱だったんだろうなんてことになっている。

やっと学校に復帰できる。
あっちゃんに会うのも一週間振り。
受験の結果はどうだっただろう?

少し早めに家を出ると、あっちゃんに会った。

「おはよう。」
「圭子!?おはよう。」

一緒に並んで歩き出して、妙な間ができる。

「圭子、体調大丈夫なん?
救急車で運ばれてそのまま入院したって聞いたからビックリしたわ。」
「あ、うん。ずっと寝てたから、まだフラフラするけど。親は知恵熱やって笑ってたわ。」
「…ふーん、そっか…。」

そしてまた妙な間ができる。

「あ、そうそう。寝てる間に通知来て、封筒がペラペラやったから落ちたーと思ってんけど、受かっててん。」
「受かった?」

あっちゃんが立ち止まって私を見た。

「え?当たり前やし?学校にも親が電話して報告してたで?」
「…圭子、学校ではお前が滑ったショックで寝込んでるってことになってるけど。」
「えー!?それであっちゃんもそう思って気ぃ遣ってた??」
「だって、何て言うたらいいかわからんし!」
「えー!専願では落ちんやろー。で、あっちゃんは?」
「落ちた……って言うたらどうすんねん!?受かったわ!」
「よかったー、おめでとう、あっちゃん!」
「圭子もおめでとう。お前のチロルチョコのお陰やな。」

照れくさそうにそう言って歩き出す。

「じゃあ、お返し、楽しみにしてるからね。」
「えー!30円のモンって難しいな。」
「えー!」
「あほ!3倍返しやぞ!」
「じゃあ30倍返しで。」
「はは、300円か。考えとくわ。」

二人で並んで歩く通学路。
まだ肌寒いけど、春はもうすぐ。

-続く-

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1.序章
8.佳境
10.卒業
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2015/10/12  5:19 | 投稿者: おるん

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#この物語はフィクションであり、
登場する人物・施設・団体は実在のものとは何ら関係ありません。
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◆◇◆8.佳境◆◇◆

あっという間に冬休みになった。
年が明けたら受験勉強もラストスパート。
お互いに志望校合格を目指して、塾に通ったり、模試を受けたり、赤本の問題を片っ端から解いたり。

冬が近付いて段々日が暮れるのが早くなって、学校では勉強しづらくなった。
その頃から、時々、親がいない時間を見計らってお互いの部屋で勉強するようになった。

冬休みは俺の部屋ではなかなか勉強できなくて、圭子の部屋かマクドや図書館に行くことが多くなった。

圭子の部屋で英語の問題を解いていて、ふと顔をあげると、圭子がうつらうつら居眠りをしていた。

「圭子?」

はっ!と体を震わせて目を覚ました。

「昨日、夜更かししすぎたみたい。英語、苦手やから問題見るだけで眠くなるわ…、ふあぁぁ…。」
「眠いん?」
「今めっちゃ眠い…。」
「寝たら犯す。」
「え!?…でも、あっちゃんやったらいいよ…。」

圭子は伏し目がちにそう言って、シャープペンシルを机の上に置いた。
俺は勉強していた机を端に退けて、圭子を押し倒した。

「圭子、ほんまにええの?」
「…うん。」

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キスしてもう一度聞く。

「なあ、避妊って知ってる?」
「ヒニン?」
「コンドームって知ってる?」
「??なにそれ?」

そのまま起き上がって机を元に戻す。

「あっちゃん…?」
「バカ!お前は結婚するまでセックスするなよ!」
「なんで?」
「お前なぁ!妊娠したり病気になったらどうすんねん!?」
「………。」
「ちょっとは目ぇ覚めたか。はよ英語の続きやるぞ。」

俺だって本当は興味津々でヤりたいことこの上ない。
避妊とかも詳しいことはあまり知らんけど、やっぱり何かあってからでは遅いし、圭子を傷つけたくない。
親が言うように中学生ではまだ早い。

くそー、もったいないなぁ。
胸だけでも揉めばよかった。
下半身がジンジンする。抜くだけ抜いてもよかったかもしれん。
あぁ、でも、そんなん、目の前に女が居って、入れずに我慢できるわけない。
圭子だって自分だけずるいって言うかもしれん。

ぐるぐるエロいことばっかり考えてしまって、英語の問題が解けない。
力余ってバキッとシャープペンシルの芯を折ってしまった。

「あっちゃん、この問題さぁ、関係代名詞?」
「え?あ、ああ…。」

圭子…。
既にさっきの襲われてもいいって言ってたムードはどこに?ってくらい普通に問題解いてる。

俺だけかー、こんなに悶々としてるのは!
くそー、女って案外アッサリしてるんやな、羨ましい。
治まれー、治まれー。

「関係代名詞…。繋いでる前半の文章はどうなってる?後ろの文章で修飾されてるのはモノか?人か?」

圭子の前ではええかっこしたい。
どうか、俺が悶々としてるのが悟られませんように。

-続く-

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1.序章
7.文化祭
9.受験
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