2015/8/9  23:06 | 投稿者: おるん

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#この物語はフィクションであり、
登場する人物・施設・団体は実在のものとは何ら関係ありません。
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◆◇◆3.告白◆◇◆


焼き増しした写真を友達に配る。
あっちゃんとの写真も焼き増ししたから渡したいけど、渡すタイミングがない。

放課後、あっちゃんに渡そうと一人になるタイミングを狙うことにした。
廊下で掲示物を読んでいるふりをしながら、彼が通りかかるのを待つ。

彼が来たけれど友達と一緒だ。
流石に友達といる時に私と話すのはきっと嫌なんじゃなかろうか。

(だー!早く一人にならないかな?)

友達二人と一緒に校門に向かっている。
そのあとを少し離れて付いていく。
校門を出たところで一人と別れた。

(よし、あと一人!)

結局、家の前で友達と別れた。
その友達が離れていくのを見届けつつ、あっちゃんの家の門の前まで走る。

「津川!」

あっちゃんは振り向いたけど、そのまま家に入ってしまった。
もしかしたらまた出てくるかもと思って少し待ってみたけど出てこなかった。

◆◇◆

あれからもう一度声をかける勇気が出なくて、結局写真は渡せず終い。
彼への写真は机の引き出しの奥底に仕舞いこまれた。
まあいいか。
私の生徒手帳には二人で写った写真が挟んである。

家でゴロゴロしていると電話が鳴った。
電話に出ると、若い男の人だった。

「村井さんのお宅ですか?」
「はい。」
「圭子さんはいらっしゃいますか?」
「私ですが??」
「…」

電話の向こうで何やら話し声がする。
『ほら、本人出たぞ、代われよ。』

「??」
「もしもし。あの…俺…」
「!!」

もしかして、この声!あっちゃんじゃないの!?
マジで!?うわー!
一体どうしたっていうの?
あ、もしかして、振られるパターンか?

一瞬で頭の中でいろんなことがぐるぐる。目眩がしそう。

「村井?」
「は、はい!」
「俺、津川やけど…。」
「う、うん!」
「…」

また電話の向こうから声が聞こえる。
『ほら、早く言えって!』
ああ、引導渡されちゃうの?私。

「あの、俺、ずっと圭子のこと…」

あっちゃんの言葉の続きが怖い。コクリと生唾を飲んだ。

「す…好きやってん!だから、俺と付き合おう!」
「え?え?何かの罰ゲームとかなん?」
「あほか!冗談でこんな恥ずかしいこと言えるか!」
「だって…嘘やろ…信じられへん…。」

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涙が静かに溢れ出て、頬を伝う。
嬉しいとか悲しいとか悔しいとか驚いたとかいっぺんにやってきて、泣きたい訳でもないのに涙が止まらない。

「…泣いてんの?昔からすぐ泣くな、お前は…。」
「…っく。だって、あっちゃん…。」
「俺かて、泣きたいくらい緊張してるんやぞ!…で、返事は?」
「…私でいいのん?ぐずっ。」
「だから、圭子がいいねん、俺は!」
「ありがとおっ…っく。」

-続く-

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1.序章
2.接近
4.下校
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2015/8/9  23:02 | 投稿者: おるん

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#この物語はフィクションであり、
登場する人物・施設・団体は実在のものとは何ら関係ありません。
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◆◇◆2.接近◆◇◆

中学3年間で一番ビッグなイベント、修学旅行。
クラスが違うから、一緒に行動できるわけでもないけど、やっぱりちょっとウキウキする。
学ラン姿も好きだけど、私服姿もちょっと気になる。

新幹線で東京まで移動。
私が1組であっちゃんが2組。2クラスで1車両ということで、あっちゃんと同じ車両になった。

(ラッキー!!)

私の座席から、あっちゃんの座席は2列向こう。結構近い。
立ち上がって、背もたれ越しに覗き込んでみる。

(きゃーん。あっちゃん、メガネ姿もかっこいいなぁ〜///
これは写真に収めねば!!!)

堂々と隠し撮り?してたりでかなりの不審人物。

「どうせなら二人で一緒に撮れたらいいのなー…」

心の中でつぶやいたつもりが、思いっきり独り言になっていたらしく、
私の横の通路を通りかかった同じクラスの女子に腕を掴まれた。

「じゃあ、撮ればいいやん。行こう行こう!」
「えぇ?あっ、あれっ??」

あっという間にあっちゃんの席に連れてこられた。

「津川、むんちゃんが一緒に写真撮りたいって。」

その一言で辺りがわぁっと沸いた。
あっちゃんのとなりに座っていた男子が立ち上がり、私に席を譲ってくれる。
断ろうにも周りが既にそれを許してくれない。
皆の好奇の眼差しの中、彼の隣に座った。

(あっちゃん…。)

恐る恐る彼の顔色を伺う。
でも、あっちゃんは頬杖をついて窓の外を眺めたまま、こちらを向いてはくれなかった。

「ほら!津川、こっち向いて!!」

カメラを構えた女子がそう言ってシャッターを押した。

私は怖くてあっちゃんの顔を見れなかった。
お礼もそこそこにカメラを受け取ると自分の席に戻った。

◆◇◆

楽しかった修学旅行から戻り、撮った写真も焼き上がった。

(あ…。)

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ずっと窓の外を眺めていたあっちゃん。
なんだ、ちゃんと笑ってるじゃない。


-続く-

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