2015/8/9  23:38 | 投稿者: おるん

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#この物語はフィクションであり、
登場する人物・施設・団体は実在のものとは何ら関係ありません。
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◆◇◆5.テスト勉強◆◇◆

模擬試験を目前にして、テスト勉強をすることにした。
私は数学と理科、あっちゃんは社会科と英語を教えることになった。

まずは数学。

「数学は、公式と当てはめ方を覚えたら楽勝。当てはめ方はパターンがあるから、問題をそこそこの数解けば大丈夫。」
「…そのパターンってのがわからんのやって。」
「んー、中学でやる数学のパターンなんか知れてるねんけどなぁ。この問題集だと、これと、これと、これと、…このへんやっとけば応用できる。」
「ふむ。」
「例えばこの問題だと、こっちの問題のパターンと一緒。こうやって、こうやって…」
「あーなるほど。」

次は社会。

「歴史が覚えられへん?あんなん、覚えるもんとちゃうって。」
「えー!じゃあどうやって問題解くん?」
「歴史は物語やから、突然戦争が起きたりする訳ちゃうねん。絶対背景があるから。」
「そりゃそうやねんけど、教科書に載ってないやん?」
「それを調べるんが楽しいんやん…、そやな、後で本貸したるわ。ちょっと読んでみ?漫画やからすぐ読める。」
「うーん、それでも年号まで覚えられへんと思う…。」
「そのへんは…語呂合わせやからなぁ。俺が覚えてるやつ教えたるわ。」
「わーい!」
「つーか、社会の暗記より数学とか理科の暗記の方がよっぽど大変やと思うねんけど。」
「そうかなぁ…、覚える数は少ないと思うで。理科や数学にも流れがあるから順番に覚えたらそんなに辛くないと思うけど。一番面倒なんは英単語やな…、教科書に出てくる順番なんか何の体系にもなってへんから関連させて覚えにくい。」
「あぁ、確かに。」

こんな感じで延々と勉強してる感じ。
二人で一緒の趣味がないから、勉強するのが一番の共同作業となっている。
成果も分かりやすいから達成感がある。

◆◇◆

勉強した後、あっちゃんの家の前で待つ。
ドアが開いてあっちゃんが出てきた。

「ほら、これ、さっき言ってた本。読み終わったら次のん貸したるから。」
「ありがとう。」

手渡された本を受け取ったものの、あっちゃんが本から手を離さない。
「??」
顔をあげてあっちゃんの顔を見る。
あっちゃんも私の顔をまっすぐ見ていた。
「あっちゃん?」
「…」

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目をそらさないあっちゃん。
私も見つめてみるけど、にらめっこみたいだとか思ったりして、なんか急激に照れてきた。
視線をそらして、恥ずかしいよって言おうとしたその時。

「!!」

わわっ!これって所謂ファーストキスってヤツですか!!
微妙に目測誤った感じ。ちょっとした衝突だ。

「いたた…」
「ご、ごめん…」
「あっちゃん、もう一回…」
「も、もう一回?」

驚いたあっちゃんは顔を真っ赤にしてる。
自分でキスしてきたくせに今ごろ照れるなんて。

「圭子、目ぇつぶって。」

-続く-

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1.序章
4.下校
6.進路
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2015/8/9  23:24 | 投稿者: おるん

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#この物語はフィクションであり、
登場する人物・施設・団体は実在のものとは何ら関係ありません。
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◆◇◆4.下校◆◇◆

付き合おうと言われたものの、付き合うって何したら良いんだろう?

キスとかエッチとか??
いやいや、そんなんいきなりはないよねぇ。
デート?
うーん、遊園地とか?
そんなん中学生じゃお金ないし…。
動物園とか植物園?
いくらなんでも毎日は行かないよねぇ。
うーん。
電話もなぁ、毎日したらきっと怒られるだろうしなぁ…。

体育の授業が終わって、教室に戻る。
席につくと、折り畳んだメモが置いてあった。
『今日、一緒に帰ろう』
この字、あっちゃんだ!
体育の時、男子は1組の、女子は2組の教室で更衣する。
あっちゃん、着替えるときに私の席を使ったのかな?
色々想像すると鼻血出そう…。

そのメモを他の人に見られないように筆箱に隠す。
にやけそうになるのを必死でこらえる。

そっか、一緒に下校か、思い付かなかった。
私と一緒にいるの、見られたくないんじゃないかって思ってたけど…。
手、繋いだりするのかな?ドキドキする。

◆◇◆

放課後、2組の前まで行ってみる。
人がまだいっぱいで、あっちゃんに声をかけづらい。

「どうした?むんちゃん?津川?」
男子が私に声をかけてきた。
「違っ!…森たん待ってるねん。あっ!森たん!!」
教室の出口に通りかかった女友達を呼び止める。
「むんちゃん、どうしたん?」
「いや、あの…、元気?久しぶりやんな…。」
「ははーん、また私をダシに使いよって…。津川、掃除当番やし。」
よくわかっていらっしゃる。流石、小学校からの付き合い。
「あのさ、森たん、ちょっと!」
森たんの耳元でこそこそ話す。
「えっ!そうなん!?一緒に…、待ち合わせ場所決まってないの?ふむ。」
顔をあげた森たんが、大袈裟に、あっちゃんに聞こえるようにこう言った。
「むんちゃん真面目やなあ!放課後、教室に残って勉強するって!」
「も、森たん!」
「それじゃあ、頑張ってねー。バイバイ!」
森たんは私の肩を叩くと、手を振って帰っていった。

向こうで掃除しているあっちゃんと目があった。
ちょっと微笑んでくれた。小さく手を振って1組に戻った。

◆◇◆

掃除当番を手伝って、日直からも鍵を預かって、一人、教室に残って席につく。
自分の机に鞄を置いてその上に頬を乗せた。
廊下に面する窓を眺める。誰も通らない。

あっちゃんが迎えに来てくれなかったらどうしよう。
日が当たらないからまだマシだけど暑いなあ。
あ、今日、塾あるんだった。いつも昼寝してから行くのに、昼寝できないかもな…。
せいぜい30分くらいのはずなのに、すごく長く感じる。

コツンと私の頭が小突かれた。
「村井、帰るぞ。」
「ふぇ?…っ、津川!」
「半目開けて寝るなよ、怖いから。」
「!!」
「それに、頬に跡付いてる。」
「!!!」
ワタワタする私を尻目に、あっちゃんが笑いをこらえている。
「ははは!お前、もうちょっと色気とか要るやろ!」
「すみませんねぇ!色気も可愛げもなくて!」
ガタンと立ち上がり鞄を持った。
歩き出した私の後ろについて歩くあっちゃんが言う。
「ほんまやな、なんでお前みたいなんがええんやろな、俺は。」
「ほんま、趣味悪いわ…。」
教室を出て鍵をかけながら、小さく呟いた。

校門を出て歩き出したら、あっちゃんの方が歩く速さが速くて、何歩かに一回は小走りになる。

気付いたあっちゃんが私の手を握った。
「しゃーないな、トロい村井に合わせたるわ。」
「津川、憎まれ口ばっか。でも、いいや。ありがとう。」

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学校から家までは5分。
たいした距離ではないけど、それでも嬉しかった。

-続く-

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1.序章
3.告白
5.テスト勉強
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