2011/8/1  4:02 | 投稿者: おるん

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注)本文中にある名称は実在の物・人・団体とはなんら関係ありません。
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◇◆◇そのほかの人たち3

翌週、また白薔薇学園高校に赴く。
但し、今回は桜は居ない。毎度毎度彼女をネタに弄られるのは敵わない。
今も昔も相変わらず、桜が俺の弱点なんだから。

「おや、今日は草間君だけですか?」
「ええ。桜は今日は別の用事があるとかで。」
「残念です…。でも、これで心置きなく男子トークが出来ますね!」
「…何なんですか、男子トークって…。俺はそんなつもりありませんよ。」
「まぁ、そう言わずに。今日は案内状のテンプレートを持ってきましたから、内容を決めて印刷してしまいましょう。」
「はぁ…。」
「会費、決めましたか?この近辺の仕出屋のメニューもありますよ。」
「至れり尽くせりですね。」
「まぁ、こんなことでもないと、張り切るところがないのですよ。」
「先生も色々とお忙しいでしょうにすみませんね。」
そしてまたあの国語準備室に入る。
仕出屋のメニューを吟味して、電話を掛け、問い合わせて候補を絞り込んだ。
テンプレートの文言を数箇所書き換えて版下を作る。
国語準備室のレーザープリンタで葉書を印刷する。

コーヒーを飲みながら、プリントし終わるのを待つ。
「で、男子トークなんですが。」
「は、はぁ。お手柔らかに。」
「おや、今日は素直ですね。」
「桜が居ないのでね。」
「ふーん。下ネタも?」
「う、ま、まぁ…、人並みには…。」
「じゃあ…、どの体位が好き?」
ぶはっとコーヒーを吹き出しそうになった。
「げほっげほっ!ストレートですね!…そりゃまぁ、正常位…か騎乗位でしょう。」
「ほほう。なるほど、気が合いますねぇ。彼女の顔が見れないと楽しさ半減ですからねぇ。」
「彼女は後背位が好きだと言いますけど…。」
「それはそれでそそりますねぇ。胸の大きな人だと更にねぇ。」
まだ日が高い真昼間にする話ではないだろう。しかも素面で。
「先生もお盛んなんですか?」
「ええ、まぁ、お陰様で。お相手には困らないのですよ。」
「先生も早く結婚なさればいいのに。子供もそろそろ考えたいお年頃でしょう?」
「そうですねぇ。それが結婚する相手となると…。」
「…複数の方とお付き合いしてるんですか?いい加減、落ち着いたらどうです?弟に笑われますよ。」
「ははは、竜士君もまだ独身なんですよ。誰か良い人を紹介してあげてくださいよ。」
「…俺の知り合いなんかで社長夫人に相応しい人なんか居ませんよ。」
「ふふ、竜士君はそういうのは気にしないと思いますがね。」
「同窓会で見つけるように言っておいたらどうです?」
「そうですね。そうしましょう。」

葉書の印刷をした後は、名簿から宛名シールを印刷する。
印刷していると、国語準備室に誰かがやってきた。
「失礼します。…草間君!久しぶり!!」
振り向くと、白衣姿の女性。
「やだ、分からないかな?安田晶です!」
「安田?どうしてここに?」
「さっき、山中先生が草間君と綾川先生が一緒に居るのを見たって言うから!」
「あ、いや、どうして白薔薇高校に居るのかって…。」
「私、ここの理科教師になったのよ。知らなかった?」
「高校卒業以来、近寄らなかったから知らなかった。」
「草間君、変わらないね?」
「そうだな…。あんまり変わってないかもな。安田は…綺麗になったな。」
「わぁ!草間君がそんな事言えるようになっただなんて!」
「あのなぁ…。」
印刷し終わったシールを持った先生が割り込んでくる。
「ほらほら、ちょうど良いところに来ましたね。安田先生もシールを貼るのを手伝ってください。」
そういって、机の上に葉書とシールを置いた。
「え?何ですか?これ?」
「今年の盆に110期生の同窓会をやるんだよ。」
「そうなの!?」
「ああ。何故か俺が幹事に抜擢された。」
「会長だもの、そういうの段取り上手いじゃない。」
「俺達の代の最後の会長は中手川だろ?」
「中手川君はそういうタイプじゃないわよ。」
「まぁ、それもそうか…。」
三人それぞれ、葉書とシールを適当に取り、貼り始める。
「安田先生、彼、夏に結婚するらしいですよ?」
また綾川がニヤニヤとしながらそんなことを安田に言う。それを聞いた安田は手を止め、目を輝かせながらこちらを向いた。
「あら!おめでとうございます。」
「…ありがとう。」
「お相手は…?」
「…君が知っているヤツだよ。」
「え?結城さん?」
思わず持っていたシールを破りそうになる。
「な!何でそうなるんだ!谷本だ!谷本!!」
「ええー!!桜ちゃんと!?」
「おかしくないだろう?高校の時から付き合ってたんだ。」
「うーん。結城さんの方が幼馴染だし、年季入ってるから、結局はそっちに落ち着くのかなーなんて思ってた。」
「綾乃は榎本さんと結婚して、もうすぐ子供が生まれる。」
「ええー!!それも知らなかった!!」
「ま、そういうことだ。もし桜と別れていても綾乃とは結婚できてない。」
「あぁ、でもいいなぁ、結婚。羨ましい。」
安田の手は止まったままで、宙を眺めて惚けていた。
「ここの高校教師はこんなのばかりなのか?綾川先生と言い、安田と言い…。」
「理系オタク女子なんてモテないのよ。仕方ないわよ。」
「理系女子の方が話がテンポよく進みそうだがな。」
「そんなこと言うけど、結城さんも桜ちゃんも思いっきり文系女子じゃない。」
「桜は理系はまるっきりダメだが、綾乃は理科や数学も出来たと思うぞ。英語がズバ抜けていたから文系に進んだだけだ。」
「でも、桜ちゃんがかわいいわけでしょ?」
「う…、まぁ。話が噛み合わない時もあるが、それはそれで許せているからな…。許せなかったら結婚なんてしない。」
こんなこと、高校時代の俺なら絶対に他人に言わなかっただろう。
「ほらぁ。やっぱり、男ってカワイイ文系女子が良いんだって!!」
自分は結婚相手が決まっているから、何の慰めにもならない。…が、独身男が目の前に居る。
「うーん。…安田、綾川先生と付き合ってみれば?」
「先生と!?」
「安田はかわいいですよ。ね?先生?」
「え?ええ。安田先生はとてもキュートですよ。でも、職場恋愛というのも…。」
「あれ?綾川先生からそんな言葉が出るとは思いもしませんでしたが?」
流石の俺も、困った顔の綾川を見てニヤニヤしてしまう。
「あぁ、もう…。草間君にやられましたね。」
「綾川先生は格好良いですけど、歳も離れてますし、遊び慣れていそうじゃないですか!」
「えぇ!?私はそんな風に思われていたんですか!?」
思いがけない安田の攻撃に、先生が素っ頓狂な声を上げた。
「違うんですか?絶対女の人を泣かしそう!」
「ぶっ!あはははは!先生、安田の方が俺より更にウワテです!!」
更に痛烈なコンボが決まり、堪えきれなくなって吹き出した。
「これは参りましたね…。そんなイメージ持たれ続けるのも困りますし、いい加減身を固めますかね…。」
「そうですよ。…ほら、宛名貼りも早く終わらせてしまいましょう。」
安田が来たお陰で、中断もしたが早く片付いた。

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十年後1.約束の日
十年後そのほかの人たち
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