2011/2/15  0:46 | 投稿者: おるん

---------------------------------------------
注)本文中にある名称は実在の物・人・団体とはなんら関係ありません。
 ウェブカレはリンクシンク社のSNSサービス名です。
 小説内の設定は必ずしもウェブカレ公式設定と同じではありません。
---------------------------------------------

◇◆◇7.嫉妬の果て

冬休みが終わる。
始業式の後、部員たちが部室に集まる。
当然のことながら、プリントした二人の写真が目に入るわけで。
「きゃー!!なにこれー!!」
先輩の一人が悲鳴をあげた。
みんなでその写真を囲む。
「誰が撮ったの?」
みんなが首を横に振ったので、自分が認めることとなった。
「私、クリパに行ってて、イルミネーション撮ってたら、たまたま出くわしちゃって。」
「これ、あの子じゃない?許せない!!」
「会長もなんでこんな子と!」
ほらほら、みんなもっと怒っていいよ。そしてあの二人を離れさせて。
「この後、キスしそうな感じだったんですけど、流石に見ていられなくて。
会長に限ってそんなことしそうにないと思いますけど。」
「えぇ!?キス!?そんな訳あるはずない!」
「そうですよね!でもクリスマスだったし…。」
「許せない!!谷本桜!ちょっと締めてやろう!!」
はい、一丁上がり。
さて、サクラがどうなるのか見モノよね。あの人達のことだから一人では行かない。リンチだな。

翌日、先輩達が会長のスキャンダルを広めて回っている。
キスしたとは言わなかったけど、尾ひれが付いてそれ以上に楽しいことになっている。
昼休みに先輩達が来て、サクラを連れていったけど、大したことはなかったらしい。
なんだつまんない。
まあ、サクラがちょっと困っていたみたいだから、いい気味。
放課後になって、サクラがそそくさと帰るのを追いかける。
昇降口には草間君が居た。
なに?まぁ、これくらいじゃまだ離れないか。
サクラが帰っていったのを見届けて部室に行く。
「今日は谷本、生徒会室に来てないみたい!」
「よかったー。これでちょっとは懲りたんじゃないの?」
部室前の廊下で先輩たちが話していた。
「さっき、帰りましたよ。会長と昇降口で一緒だったみたいですけど。」
小声で先輩達にそう囁く。
「え!?なんか腹立つ。」
「まぁ、今日は帰ったんだからいいじゃない。」
「それもそっか。そのうち会長が相手しなくなるよ。」
あーあ、先輩達、甘いなぁ。
アレは、サクラもだけど、草間君がゾッコンだからそう簡単には離れないと思うよ。
人気がなくなる頃を見計らって、教室に戻る。
「先輩達、甘いのよ。アレくらいじゃ何の効果もありゃしない。」
サクラの机の中を覗く。副読本が数冊入っていた。
新品のコンパス。針のカバーを外して、副読本の間に差し込んだ。
そのままさっさと下校した。

次の朝、早速あのコンパスで手を引っ掻いたらしい。
気味悪そうにしているサクラ。
ほら、誰がしてるか分からないって気持ち悪いわよね。
でも、あなたには心当たりがあるでしょ?
ほらほら、早く草間君と別れてね。
案外気丈なサクラ。
私達には何も言わない。後で草間君に言うつもりなのかしら。
移動教室で廊下を歩いていると、サクラの少し斜め後辺りに草間君がやってきた。
小声で何か言っている。
「谷本、顔色が優れないぞ?」
「ううん、平気だから。じゃあね。」
あら、強がっちゃうんだ。これは彼にも相談しない気だな。
それは好都合。頑張ってね。じわじわ追い込んであげるから。
今日もまた、放課後、人気がなくなった頃に教室に行く。
今日はサクラが気に入っているコンパクト。
早く別れないと、あなたがこうなるわよ。
手にした定規で鏡を叩き割った。

その次の日。
いよいよ悲惨ね。私が登校した時には机の上のコンパクトがもうなかったけど、サクラを見れば一目瞭然。
顔面蒼白で、自席で小さくなって座っていた。
休み時間も席から立たず、ずっと机に突っ伏したままだった。
昼休みに草間君が珍しく2-Bの教室のサクラの席までわざわざやってきた。
彼もここ数日、サクラの様子がおかしいことに気が付いたらしい。
「谷本、ちょっといいか。」
「あ、今からちょっと当番で、先生のところにね、行かないと…。ごめんねっ。」
サクラは草間君を避けて教室から出て行ってしまった。
残された草間君は呆然とその後姿を眺めていた。
「…。」
草間君が私を見た。
「…山本、谷本のヤツ、何かあったのか?」
「さぁ…。」
「…そうか。今のは気にしないでくれ。」
そう言うと彼は自分の教室に戻っていった。
五時限目が始まる。体育の授業で体育館だ。サクラが当番で先に着替えて教室を出て行った。
その隙に昇降口に行く。体育館シューズと一緒にシューズバッグにサクラの革靴を入れた。
走って体育館に向かう。
そ知らぬ顔で授業を受けた後、落し物をしたと言って一人体育館に戻り、
裏の焼却炉に寄って革靴をごみの山の上に置いてきた。
焼却炉には誰も居なかったから分からないだろう。

---------------------------------------------
1.図書館の君
<6.恋人達のクリスマス 8.雨降って地固まる(前編)>
---------------------------------------------
0




AutoPage最新お知らせ