高野豆腐で善玉コレステロール増やし動脈硬化を抑制
長野県の普及委発表
植物性タンパク質やミネラルを多く含み、
健康食品として注目される高野豆腐(凍り豆腐)だが、
新たに動脈硬化を抑える善玉コレステロールの
高比重リポタンパク(HDL)を増やす作用があることが分かった。
県凍豆腐工業協同組合のこうや豆腐普及委員会(登内英雄委員長)が19日、
長野市内で記者会見し、発表した。
近く発売の学術研究雑誌「薬理と治療」に掲載される。
研究は、飯田市の食品メーカー「旭松食品」の研究所と
輝山会記念病院が共同で実施。
20代から60代の健康な男女40人の被験者に、
4週間にわたって毎日、18.5グラムの高野豆腐を食べてもらい、
血中脂質の変化を調べた。
それによると、血液1デシリットル中のHDLは
試験終了後、40人の平均で60.3ミリグラムを検出。
試験前に比べて3.0ミリグラム増えて、
悪玉コレステロールの低比重リポタンパク(LDL)と
HDLの比率である動脈硬化指数が低下した。
「これにより高野豆腐を食べることに、
動脈硬化を起こしにくくする効果があることが分かった」
と、同委員会の村沢久司技術部門長は話す。
これまでも高野豆腐には、
脂質などを吸着する不消化性タンパク質を増やして
コレステロールを調節する機能や、
食後の中性脂肪上昇を抑制する作用があることが、
研究者らの発表で分かっていた。
村沢技術部門長は
「高野豆腐は、凍らせて20日間ほど熟成させることが
こうした機能を生み出している」
と解説。
「ただHDL上昇のメカニズムは、
これまでの健康機能性の単純なメカニズムでは説明できず、
より詳細な試験を行ってメカニズムの解明を進めたい」
と意欲を示す。
国内生産量のほとんどを県内メーカーが占める高野豆腐は、
食生活の変化などもあって出荷量が漸減傾向をたどっているが、
登内委員長は
「健康機能をアピールし、これからのライフスタイルにあった
高野豆腐のあり方を探りたい」
と話している。
(産経新聞)

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