酒気帯び運転容疑の男逮捕 知恩院塔頭、重文の門に車衝突
21日午前2時10分ごろ、京都市東山区林下町の
知恩院塔頭「良正院」の境内に止まっていた乗用車とバイクに、
乗用車が衝突した。
衝突された乗用車が約5メートル飛ばされて
重要文化財の同院表門にぶつかり、
門扉1枚(高さ約2・5メートル、幅約1・5メートル)
が割れた。
衝突した車は、門近くの石碑にぶつかって止まった。
運転手の呼気から基準値を超えるアルコールが検出されたため、
東山署は、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、
大津市穴太、会社員森下雅樹容疑者(38)を逮捕した。
東山署によると、
森下容疑者は現場近くの神宮道を北行中に、
一方通行を逆走しかけていることに気付いてハンドルを切ったが、
曲がり切れずに道路沿いにある境内の2台に衝突した。
頭に軽傷を負っており、
「祇園のクラブで飲酒した後、帰宅する途中だった」
と供述しているという。
府教委文化財保護課や良正院の説明では、
表門は江戸時代前期の1624〜44年ごろに建てられた。
薬医門という形式で、1986年に重文に指定された。
同院は、徳川家康の二女督姫を追悼するために建立された。
車がぶつかって止まった石碑は、
福知山市出身の詩人真下飛泉が作詞した戦前戦中の流行歌
「戦友」の歌詞が刻まれていることで知られ、台座が一部壊れた。
細井宏俊住職(57)は
「最初は何が起こったのか意味が分からなかった。
(門は)お金に替えられない価値があるだけにショックだ」
とぼうぜんとしていた。
(京都新聞)

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