心臓マッサ−ジだけに集中で高救命率
突然心臓が止まった人に行う心肺蘇生について、
人工呼吸と心臓マッサージを併用するよりも、
心臓マッサージだけを行うほうが、
救命率が高くなるという分析結果を、
日本循環器学会がまとめました。
専門家が作った心肺蘇生のガイドラインでは、
胸の真ん中を強く押して、血液の循環を維持する
「心臓マッサージ」のほか、可能であれば、
口から空気を吹き込む「人工呼吸」を行うことが
求められています。
しかし、人工呼吸をしている間は心臓マッサージができず、
血液の循環が止まることから、
日本循環器学会は効果を検証するため、
平成21年までの5年間に、誰かの前で倒れて心肺蘇生が行われ、
さらに電気ショックで心臓の動きを元に戻すAEDが使われたケース、
1376例について詳しく分析しました。
その結果、
心肺蘇生で人工呼吸と心臓マッサージが併用されたケースは63%あり、
心臓マッサージだけが行われたケースは37%でした。
しかし、1か月後に社会復帰できた人の割合は、
人工呼吸と心臓マッサージが併用されたケースは33%だったのに対し、
心臓マッサージだけが行われたケースは41%で、
心臓マッサージだけのほうが救命率が高いことが分かりました。
これについて、分析を行った京都大学健康科学センターの石見拓講師は、
「人工呼吸を行わない、心臓マッサージだけの心肺蘇生と
AEDの電気ショックという組み合わせが、
最も心停止になった人を救える可能性が高い。
心臓マッサージとAEDを使った措置を行う人が増えれば、
救命率はもっと上がると思う」
と話しています。
(NHK)

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