〜コネタ 697〜
日本の統計データ集で楽しんでみる
『日本国勢図会』という統計データ集がある(矢野恒太記念会刊)。
産業や経済を中心に、
日本や世界の様々なデータが収録されている資料集で、
1927年の創刊から実に84年。
最新の2011/12年版が第69版にあたるわけだが、
このデータ集、あらためて見てみると、
無味乾燥な数字や表がただただ並んでいるわけではなく、
実は見所たっぷりの本のような気がしてきた。
そのデータを必要している人は全く別だが、
適当に開いたところにある表と解説文を見る。
それだけで「へぇ」とか「ふ〜ん」とかが、けっこうある。
難しそうなところや興味なさそうな項目を開いちゃったと思ったら、
また別のページへ。
これだけのことだけど、意外にコレ、楽しい気がします。
たとえば「枝豆の一番の産地は?」。
知ってますか?
答えは千葉だそうで。2番目が山形で、3番目が埼玉。へぇ。
次、
「2010年現在、郵便局とポストの数はどのぐらい?」。
正解は
郵便局が2万4531局あって、ポストが18万8326あるんだそう。
数字を知っても多いんだか少ないんだか
いまいちピンとこないが、ふ〜んとは思う。
じゃあ、
「テレビ番組のジャンル、放映時間を
一番多く占めているのは報道? 娯楽? CM?」
「日本にいる外国人、一番多いのはどこの国の人?」
「インターネット利用者数、日本は世界第何位? 1位の国は?」……。
他にも、いぐさやこんにゃくいもの産地
(これらは「工芸農作物」というらしいです)や、
「世界のゴム消費量」や「世界の家畜頭数」も知れたり、
どっかで何かの役にたつかもしれないし、
知ってるからなんだというような役にたたないものもあるかもしれない。
ちょっと懐かしい「トリビア」的でもあるけれど、
そんな話の種本として、
何かしらの(たぶんそこまでムダではない)知識はつくのかと。
とりあえず暇つぶしにはもってこいな気がします。
そんなわけで、
1ページ目から順を追ってがっつり読む本でもないわけなので、
実は結局のところ、
トイレで適当に開いて
「ふ〜ん、コシヒカリの次に穫れるのは、ひとめぼれなんだぁ」。
眠りに就く前に布団の中で
「へぇ〜、ビールはアサヒだけど、
発泡酒や新ジャンルだとキリンが一番売れてるんだ」
とやったりするのにピッタリなのかもしれない。
由緒ある資料本の「トイレ本」扱い、申し訳ない気もしますが。
そうやってるうちに、今の日本が見えてくる、そんな気もします。
今回の本の前書きに、
<本書で掲載した統計表・グラフの多くは、
震災直前の経済社会を映し出すものとなりました>
と書かれているように、
3月の東日本大震災を経て、
この先の日本のあり方は、農業も工業も商業も、
すべてが大きく変わっていくかもしれない。
そんな意味合いからも、
「震災前」の日本が記録された2011-12年版『国勢図会』、
重要な存在です。
(太田サトル)
お世話になったのは、
「
http://www.excite.co.jp/」
エキサイトのコネタです。

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