〜コネタ 681〜
コレステロール値、結局下げなくて良いの?
健康診断でコレステロール値が高いと注意を受けることなどから、
かつては「高いと危険」として、
下げる必要性ばかりが強調されてきた「コレステロール」。
それが近年は、
「低すぎても良くない」とか「ちょっと高めが良い」
などと報道されるようになった。
「ちょっと高めで良いのか!」
と安心した人も多いだろう。
でも、気になるのは、
なぜ近年になって、説が変わったのかということだ。
また、
「説がちょこちょこ変わると、結局、どっちなのかわからない」
という人もいるだろう。
この疑問について、糖尿病研究を長年行ってきたある医師は言う。
「『コレステロール=悪者』と思う人が多いですが、
コレステロールは基本的な脂質の一種で、
細胞膜や男性ホルモン・女性ホルモンなどの材料になる大切なもの。
昔から、コレステロールは『栄養状態の指標』であり、
コレステロールが高い人は栄養状態が良い証とされてきました。
また、本来は体が弱ってくると、
コレステロールも下がってくるんですよ」
日本人はもともと欧米人に比べて、
コレステロール値が低く、動脈硬化が少ないことなどから、
30〜40年前に「日本食は理想的」とされていた。
でも、コレステロール値の低い頃の日本人が長生きだったかというと、
そうでもないのだという。
「栄養状態の悪さから、感染症などにかかりやすくなり、
短命だった人もたくさんいます。
そのため、20〜30年前から
『コレステロール値が低い人は長生きできない』
とも言われるようになりましたが、
いつの間にかこれは忘れられてしまったんですよ」
なぜ「低すぎると良くない」ことばかりが、
忘れ去られてしまったのだろうか。
「日本人の食生活が変わり、動脈硬化も増えてきたことが1つ。
そして、コレステロールを下げるクスリが発明され、
世界中で広く使われるようになったことで、
『下げれば下げるほど良い』
とアメリカなどで言われるようになったこともあります。
日本でも、製薬会社などで
『コレステロールを下げることが必要』
と言われるようになり、
『コレステロール=悪者』
という考え方ばかりが強調されるようになってしまったんです」
どちらかの説が強調されるようになると、
反論が出るのは、健康・医療に限った話ではない。
つまり、「コレステロール値はちょっと高めが良い」というのも、
近年の新たな発見ではなく、
「もともと昔から言われてきたことが、忘れ去られて、
再び反論として出てきた」
ということのようだ。
とはいえ、
もちろんコレステロール値が高すぎることで、
リスクが高まる症状・病気はたくさんあるのも事実で、
いたずらに下げる必要がないとはいえ、
「高くて良い」わけでもない。
大切なのは、個人の年齢・体質などにあわせた
「適正値」を保つこと。
また、急激にコレステロール値が
大きく下がったり上がったりした場合には、
他の病気などの原因がある場合も考えられるので、
注意が必要だ。
(田幸和歌子)
お世話になったのは、
「
http://www.excite.co.jp/」
エキサイトのコネタです。

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