大阪の水は日本一まずい? 「汚名返上」に関係者躍起
「大阪の水は、日本一まずい。」
テレビ番組での何げない出演者の一言で、
大阪府職員らが「汚名返上」に走らされている。
水源の淀川の水を
オゾンや活性炭の力できれいにする高度浄水処理の成果で、
水質には自信がある。
悩みの種は、
地元大阪でもいまだに
「水道水は臭くて飲めない」
と思っている人が多いこと。
関係者はPRに躍起になっている。
「大阪ってさあ、水と空気が日本一まずいじゃないですか」
「体壊さないようにね、水道水、飲んじゃだめよ」
漫画家の西原(さいばら)理恵子さんは
2月4日のNHK番組「つながるテレビ@ヒューマン」で、
選抜高校野球大会出場のため、
関西に向かう沖縄県・石垣島の八重山商工の球児を気遣った。
「事実と違う」と憤慨したのが、
たまたま番組を見ていた府議ら。
ハッパをかけられた府水道部は、
自慢の高度浄水処理水を詰めたアルミボトル24本を、
NHKを通じ、西原さんに贈った。
本当に水質が改善されたのかを確認して番組で伝えるために、
西原さんは3月、NHKの取材クルーと
大阪府守口市の庭窪(にわくぼ)浄水場を訪れた。
市販のミネラルウオーターと処理水を飲み比べ、
処理水をミネラルウオーターと間違った。
「すいません。」西原さんは番組で潔く「完敗」を認め、
職員は大いに留飲を下げた。
大阪では70年代以降、
淀川上流の琵琶湖の富栄養化で
植物性プランクトンが大量発生したり、
淀川に注ぐ周辺河川が工場排水などで汚染されたりして、
水質が悪化した。
「かび臭い」との苦情は、
81年度に大阪市に1890件、
90年に大阪府に1639件と、
それぞれ最多を記録した。
そこで大阪府は94年、大阪市は98年から順次、
高度浄水処理を開始。
大阪府で約990億円、大阪市で約750億円かかったが、
苦情はほぼゼロになった。
同様の処理は全国約40の浄水場で実施されているが、
同府枚方市にある府営村野浄水場は1日の給水能力が
約180万立方メートルと国内最大で、
中国、イラクなど海外からの視察も多い。
水質は劇的に改善したが、市民の感覚とはまだずれがある。
武蔵工業大学の長岡裕教授(水環境工学)らが
全国1130の小学校を対象とした
04年10月の調査では、
約6割が水分補給の手段として、
何らかの形で水道水を利用していたが、
大阪だけに限ると95%が
「自宅から持参した水筒」
と答えた。
大阪市の今年1月のインターネット調査でも、
普段、家で水道水をそのまま飲む。
と答えた市民は2割程度だった。
浄水場を出た段階ではおいしい水が、
集合住宅やビルで使われる貯水槽の汚れで
まずくなる可能性も指摘されている。
東京都では04年10月から5年をかけ、
都内約22万個の貯水槽の汚れや浮遊物を無料で点検。
貯水槽を経ずに直接各戸と結ぶ
「直結給水」への切り替えを促している。
大阪府は、まずは飲んでもらおうと、
04〜05年度に府内計17カ所で利き水会を開催。
1万2513人に聞いたところ、
「おいしい」が最も多かったのは
国産ミネラルウオーターの58.6%だったが、
高度浄水処理水が47.2%で続き、
外国産ミネラルウオーターの46.9%を上回った。
大阪市は近く、小学校2、3校をモデル校に指定し、
貯水槽からの給水をやめ、
水飲み場の蛇口と水道管を直接結ぶ、
直結給水に切り替える。
市水道局の担当者は
「小さい頃から、おいしい水の味を舌で覚えてもらうのが狙い」
と話す。
東京と違って、大阪はプライドが高いね。
しかも、行動的だね。
こんな大阪の様な工夫があればいいのにね!!

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