ちばてつや漫画文庫
『 あしたのジョー 』1〜20巻(講談社)
小学生の頃、毎週木曜日にお小遣いを貰っていました。なぜ木曜日だったかはよく覚えていないのですが、お小遣いを貰ったらすぐに近所の本屋へダッシュでした。その理由は『あしたのジョー』のマンガ本を買うためです。
私は単行本サイズではなく、この文庫本サイズを集めていました。単行本より値段が安いこともあるのですが、子どもながらに表紙のデザインが気に入っていました。
『あしたのジョー』は明日を探して今日を懸命に生きる男の物語。今でも仏典やコーランのようにボロボロになっても読み返しています。読み出すと止まりません。
劇中、青春の日々を闘鶏や闘犬みたいに血だらけになって殴りあうボクシングだけに費やして惨めで悲惨だと言う林屋の紀(のり)ちゃんにジョーが血だらけのリング上で感じた燃えているような充実感を静かに話すシーンがあります。この時のジョーの言葉はいつも私の胸の中にあり原動力になっています。
『そこいらの連中みたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない。ほんの瞬間にせよ眩しいほど真っ赤に燃え上がるんだ。そして後には真っ白な灰だけが残る…燃えカスなんか残りやしない…真っ白な灰だけだ。』
私にとっては正にバイブル。これからもずっと・ズット・ZUTTO読み続けることでしょう。そしてジョーのように走り続ける。ジョーがホセ・メンドーサ戦15R終了時に言った
『燃えたよ…
真っ白に…燃え尽きた…
真っ白な灰に……。』
この言葉を言えるように。