昨日、大垣フォーラムホテルで開催された田中直毅氏の講演会に参加しました。
氏は、OKB総研特別顧問ということで、何年かに一度は大垣で講演会が開催されます。
今回の演題は、「グローバル経済5.0〜第5世代に入ったグローバル経済〜」。
まず、中国の情勢から入りました。
このところ、「中国経済の減速」という言葉をよく耳にします。
そうは言っても、6%を超える経済成長なんでしょ、と思っていたら大間違い。
現在の中国は、実はゼロ成長か、下手をするとマイナス成長に陥っているそうです。
中国の統計は信用できませんものね、と言いたいところですが、日本の統計も信用できなくなってきました。
旧正月で帰省する労働者が、「もう帰ってこなくてもいい」と言われるケースが多いそうです。
中国の株価はひところより大きく下がっています。
中国は、個人でも、土地ではなく株が担保になる場合が多いのですが、信用担保力が下がってしまっているわけです。
民間債務が積み上がっており、「灰色のサイ」になるのではないかと懸念されています。
「灰色のサイ」とは、暴れれば危険であるのに警戒されにくいサイに例え、常に存在するために強く意識されずに放置されがちなリスクのことだそうです。
中国で経済の地殻変動が起き、大混乱が生じれば、日本には津波となって襲ってきます。
続いて、米国経済。
2020年のトランプ再選の可能性は低いと氏は読んでいます。
前大統領の任期最後7ヶ月の政策は、次の大統領はひっくり返していいというのが米国の法律。
トランプ大統領の方針は長く続かないそうです。
日本とEUの経済連携協定(EPA)が結ばれました。
これから、チーズ、ワインといった農産物が関税なしで輸入されるようになります。
一方、日本からは自動車が関税なしで輸出できるようになります。
これは、歓迎すべきことです。
問題はロシアです。
ドイツは、第二次世界大戦で、旧ソ連が攻めてきて占領したラインを国境として認めました。
一方、日本は、北方領土問題が未解決です。
たとえ2島でも返還することになったら、ヨーロッパのポピュリズムを刺激することでしょう。
また、平和条約に「日ロ相互不可侵」を盛り込むことを米国は認めるでしょうか?
いくつものヴィヴィッドな話題満載の面白い講演でした。
当初の演題から受けるイメージとは、ちょっと違いましたが。