一昨日、福井県小浜市に電車で行きました。
米原と敦賀で乗り換えました。
小浜は、北前船で栄えた港町で、城下町でもあります。
若狭国は、御食国(みけつくに)。
古来、朝廷に海産物や塩などを貢いできたとされています。
「御食国若狭おばま食文化館」に行きました。
1階は食の博物館、2階は伝統工芸の実演・体験施設、3階は小浜湾を一望できる温浴施設になっています。
このうち1階では、さまざまな料理が食品サンプルで展示されていました。
たとえばここでは、全国の雑煮の違いを示しています。
「お雑煮」と呼んでいる正月料理が、地方によってまったく異なることがよくわかります。
名古屋市のお雑煮の具が小松菜(もち菜)と花かつおだけというのは知っていましたが、岐阜市だとそれに里芋が入るんですね!
その後、蘇洞門(そとも)めぐりの観光船に乗りました。
海象条件により13時発の便は小浜湾めぐりでした。
それを見送り14時発の便にしたら、幸運にも本来の蘇洞門めぐりコースになりました。
蘇洞門は、古くから知られた景勝地です。
6kmにわたり、断崖、洞門、滝などがあります。
市内の民宿に泊まりました。
翌日、向かったのは東小浜駅近くの福井県立若狭歴史博物館。
ここでは多くの仏像を鑑賞できます。
北前船でリッチだったこの地方では、京都の仏師に依頼して仏像をたくさん作らせました。
その後、真言宗御室派の明通寺(みょうつうじ)に行きました。
本堂と三重塔は、福井県内で唯一国宝に指定されています。
三重塔の内部が公開されていました。
2組の三尊像が背中合わせで安置されていました。
それを取り囲む壁や柱に美しい仏画が描かれていました。
小浜市には、数多くの寺院があります。
そのなかで明通寺をはじめ、とくに8つの寺院が「国宝めぐり」コースとして選ばれています。
と言っても国宝は明通寺の建物だけで、ほかの寺院には重要文化財の仏像などがあります。
このうち妙楽寺と多田寺(いずれも高野山真言宗)にも足を伸ばしました。
あれ!?薬師如来の脇侍が十一面観音菩薩と聖観音菩薩というのは変!
多田寺で案内してくれた住職さんによると、かつてあまたあった寺がつぎつぎと廃寺になり、それぞれの本尊などの仏像が集まってきたのだとか。
大きな阿弥陀仏坐像が3体もあるのは、おそらく浄土系の寺院から預かったのだろうとのこと。
500年間もお客様なんだそうです。
奈良や京都に行けば、たくさんの仏像を拝めます。
しかし、遠くにある暗い厨子の中にいらっしゃったりして、よく見えないことがしばしばです。
その点、小浜のお寺では、本堂の内陣にまで自由に出入りでき、数多くの立派な仏像を間近に見ることができます。
以前は秘仏だった御本尊様が、今では完全にオープン化されていたりもします。
仏像ファンには、嬉しい限りです。
今回行かなかった残りの5寺院にも、いつか是非行ってみたいと思います。